施設ほか

シュッ、シュッ!Hikarieにコメッシュ出現!

10月22日から24日にかけて、渋谷のhikarieでPLUGINという展示会が開催されていました。
昨年度のソーシャルビジネス支援先、ファーメンステーションが出展していたので、少しお邪魔してきました。

稲わらが彩る、素敵なブース


ファーメンステーションは、世にも不思議な、発酵ベンチャーです。
色々なものを発酵させる技術を持っており、「お米からエタノール」をつくることもその一つ。

非食用米から、何が生まれるのか?
エタノールをエネルギーだけでなく、それ以外の用途は見つけられないか?

試行錯誤してたどり着いたのが、石鹸「奥州サボン」と消臭スプレー「コメッシュ」です。

奥州サボン 三陸の和グルミ

奥州サボン ナチュラル



「奥州サボン」は、すでに今春から発売しており、奥州市内や都内の岩手銀河プラザで販売しています。
また、インターネットでは、自社サイトだけでなく、eco+wazaなどでも販売中です。

これまで奥州サボンは商品展開が1つだけでしたが、今回、新商品をラインナップしていました。
それが、「奥州サボン ナチュラル」と「奥州サボン 三陸の和グルミ」です。

これまでの商品と違い、ナチュラルには防腐剤が使われていません。
より、自然志向の人向けの商品になっています。

和グルミは、SAVE IWATEとのコラボレーション商品で、クルミのオイルを使用しているそうです。
この他にも、ラズベリーを用いたものもあり、今後は、地域で取れる農産物を活かした石鹸が作られそうです。

これが噂のコメッシュ!(来春発売予定です)



さて、兼ねてより挑戦中だった、アルコール類販売の許可。
とうとうクリアーして、来春には販売が開始できそうとのこと。

エタノールをエネルギー利用ではなく、B to Cの商品開発に利用したところが、
ビジネスとしてのポイントになります。

このエタノールを利用して、携帯できる消臭スプレーとして、「コメッシュ」を開発。
また、ハンドメイドで化粧水などをつくる人向けに、エタノールをそのまま、「ホームエタノール」として販売します。

国産で植物資源由来のエタノールがないからこそできること。
まだまだ広がりが期待できそうです。

今冬、コメッシュくんのぬいぐるみが登場予定



ところで、コメッシュには、ゆるキャラがいるんです!
その名も「コメッシュくん」。

今冬、このキャラクターの全貌が明らかになるそうです。
お楽しみに!



Takayuki Ishimoto

映像で知る、未来をつくる学びのヒント

ESD-Jが運営している、「ESDコーディネータープロジェクト」をご存知ですか?
そもそも、「ESD」という言葉を知らないという方もいらっしゃるかもしれません。

ESDとは、「Education for Sustainable Development」の略称で、
「持続発展教育」や「持続可能な開発のための教育」と訳されています。

ESD-Jのウェブサイトに掲載されている言葉から頂くと、、、
『私たちが住んでいる社会が抱える問題を、他の誰かに任せるのではなく、市民一人ひとりが、学び、考え、行動する力を身につけて、社会に参画していく・・・そういう”人”が未来をつくっていきます。
ESDとは、そういった力や価値観を育む「学び」や「活動」の総称です。
つまり、「未来をつくる人づくり」。』


ということから、ESDとは、ズバリ、「未来をつくるための学び」と言えます!!!

さて、このような未来をつくる学びを進めていくために、コーディネーターの育成が求められています。
すでにコーディネーターの人、見習の人、ESDにかかわっている人たちに向けた映像教材が公開されています。

現在は、川嶋直さんによる「コーディネーターに必要な4つのチカラ」が公開されています。
先駆者による学びのヒントがたくさんあります。是非、見てみて下さい。


(ESDウェブサイト「未来へつなぐ」映像教材ページより)


Takayuki Ishimoto

エコメッセinちばでESD総選挙!?あなたは誰に一票?

さて、ちょっと時間がたってしまいましたが、
9月28日に開かれた千葉県のESD普及啓発イベント(※)、
「ESD20 第1回総選挙 みんなで選ぶ千葉の環境教育」
の報告を致します♪

 

エコメッセinちば内「スクール環境メッセ」にて、
ELCoの会さんが構えるブースへいざ潜入!

 

総選挙

ELCoの会さんは環境学習コーディネートのプロ集団です

 

ブースに入ると、両脇の壁に展示されているのが・・・

 

あなたの「推しメン」ならぬ「推しプロ」は?



 

○KB48のプロフィール・・・じゃなくて
20件のESD環境教育モデルプログラムです。

 

そう、「第1回総選挙」とは、
今年度環境省に採択されたESD環境教育モデルプログラムの中から、
来場者の方に「これはやってみたい!」と思うプログラムを選んで投票してもらうというもの。
どれに投票しようか展示を熱心に見て下さっている方に声をかけると、

 

「息子の学校では、米づくりなど農業を外部講師から教わっているが、
ESD的なことをやっているのだなと気づいた。ESDという言葉を知らなかった。」
「自分の高校では湿地保護に取り組んでいるので、同じ分野のプログラムに興味を持った。」
「千葉県内で環境教育の出前授業を行っているが、今後ESDとしての実践を目指していきたい。」
などのご感想が返ってきました。

 

目に見える「現象」として認識されてはいても、
ESDの概念や「なぜESDなのか」「ESDの優れているところ」
について日本全体に広く普及していくのは、これからという感じがしました。
 

トークセッション

1つ目:幕張ベイタウンにエコパークをつくる会さんより活動紹介

 

「ありえへん公園管理」が生み出す命の教育

「ありえへん公園管理」のもと、四季を通じた自然観察から
命の大切さに気付かせるESDの実践を行っていらっしゃる、というお話。

えっ、ありえへん公園管理」って??

たとえば、枯れた植物はほったらかしにするのだそうです。
確かに、都市の公園は地面に1つも落ち葉がないくらい、
ある意味「きれい」に管理されているところも。

生き物は必ず死ぬことを実感し、命の大切さを感じてもらうために、
あえてほったらかしにするのだとか。

他にも、公園で野菜を作ってみんなで食べるのだそうです。
公園で野菜!ちょっと意外じゃないですか?
自然が身近に少なくても、これによって、
「命のあるものをもらって人間は生きている」ことを感じることができますね。

環境を守ることがひいては自分たちの命を守るということを、
子どもたち自ら感じ取ってもらえるような工夫が凝らされた
実践のご紹介を頂きました。

 

2つ目:足立区立梅島小学校副校長 石田好広先生よりESD実践におけるポイント解説
「子どもたちにのどの渇きを感じさせるような学習展開にぜひ挑戦してほしい」

 

ESDカレンダー開発者の1人、石田好弘先生よりESD実践のポイント解説


 
石田先生は、ユネスコスクール全国大会第1回ESD大賞を受賞した
江東区立東雲小学校がユネスコスクールに登録した当時、その研究を推進してこられ、
ESDのトップランナー校としての取り組みを支えてこられた方の1人です。
教員になられた当初から環境教育を実践してこられ、
環境カウンセラーでもいらっしゃいます。
 
■環境教育とは何か
文科省が発行している「環境教育指導資料」には、
小学校に向けた環境教育のねらいは「感じ、考え、行動する子どもの育成」
であると書かれています。
 
これは具体的にどのようなことでしょうか?
 
まず、つい忘れがちですが、子どもたちには「環境教育」の枠組みがありません。
知識教え込み型の教育では、当たり前のように「問題」が与えられます。
いつも与えられる環境にいることは、子どもたちの自ら問題に気付いたり、発見したりする
能力についてどのような影響を及ぼすでしょうか?
 
石田先生は、
「どこに問題があるんだろう?」「どう解決すればいいだろう?」「どうやって調べよう?」
子どもたちが問題に気付くように、授業をデザインされています。
すると子どもたちは一所懸命、自分の興味関心があるものをどんどん調べていく。
例えばエビの養殖の環境問題を調べていくうちに
現地の養殖業者を問題として取り上げるかもしれないし、
我々の食生活に問題意識を持つかもしれない。
子どもの興味関心に沿っていけば、当然ESDになるんだなと捉えているとのお話でした。
 

■教え込み型から参加・協働・共創へ
また、ESDの1つのポイントは、
「環境問題など、現状を打破するために必要な新しい発想を、
色々な文化、価値観の人が合わさることで生み出す。」ことであり、
環境教育コーディネーターなどの力を借りて、
専門家、学校の先生がコラボすることで新しい形の授業を生み出し、
子どもたちが新しい力を身につけることも重要というお話がありました。
 

2つ目のポイントは、
子どもたちが「より良い未来のために何かせずにはいられなくなる」
授業のスタイルを目指すこと。
「何かせずにいられなくなる」ためには、「感じる」ことが重要だということです。
学校教育では「知識をともかく伝えなければ!」という流れもありますが、
石田先生は、感じる、心を動かされる授業をすることで子供たちの価値観が醸造され、
行動に結びつくと授業の経験から感じられたというお話でした。
 
今までの教え込みの授業から子どもが主体的に学ぶ授業への転換には、
ESDのポイントにもありましたが、
学校の先生以外の人間の関わり、参加・協働・共創が重要になってくると考えられます。
 
そのために、求められる新たな役割が3つあると石田先生は言います。
 
「コーディネーター」:教材や人のつながりを想像しながら授業デザインをできる人。
 (主催者ELCoの会さんがまさにそうですね)
「インタープリター」:今そこにある問題の面白さ、課題に気づかせるような導く役割。
「ファシリテーター」:子供の活動を引き出し、うまく活動を実現できるように協力する役割。
 
このような役割を担える人材をいかに育て、適材適所していくかということも、
重要なポイントになっています。
 

石田先生にもブラッシュアップに携わって頂き、
このたび出来上がったESD環境教育モデルプログラム。

石田先生曰く、
「よく出来上がったプログラムを一般化するために
エキスだけまとめたのがこのプログラム。」

今年度、千葉県はじめ、47都道府県で地域オリジナル化され実証授業が展開されます!
ESDを通じて、たくさんの大人が、
その成長を見守りながら子どもたちが成長していく温かい社会を
つくっていきたいですね!
 

Y. Sugiyama
 
 
※ GEOCでは、環境省の「平成25年度持続可能な地域づくりを担う人材育成事業」に係る
「持続可能な開発のための教育(ESD)」全国事務局業務を行っています。

 

ESDを盛り上げていくべく、
全国の学校関係者・行政・企業・NGO/NPO・地域住民・子どもたちが関わって、
今年は、47都道府県にてESD普及啓発イベントや
地域オリジナルESDプログラムの実証授業が行われます!

 

盛り上がっていく様子は、ぜひこちらのサイトをご覧ください♪
/esd/

お客様 from 村おこしNPO法人ECOFF

本日は、村おこしNPO法人ECOFFの宮坂さんがいらっしゃいました。

実は、GEOCのセミナースペースは、セミナー・イベント等の予約利用がなければ、
少人数の打ち合わせや作業スペースとしてもご活用いただけます。

宮坂さんは、今日はノマドワーカーとして、GEOCを利用いただいています。
無線LAN環境もありますし、(有料になりますが)出力もできます。

渋谷まで来られた際の作業場所としても、是非、ご利用ください。
セミナースペースが空いている日はこちらから確認できます。)

村おこしNPO法人ECOFFの宮坂さん



[村おこしNPO法人ECOFF]
http://ecoff.org/


Takayuki Ishimoto

グローバルフェスタで学ぶ、人を引き寄せる行動デザイン

先週の土・日は、グローバルフェスタでした。
このブログを読んでおられる方にも、行かれた方がいらっしゃると思います。

この仕事をしていると、春はアースデー、初夏はエコライフフェア、冬にはエコプロダクツなど、季節ごとに様々な展示イベントに行く機会があります。
ただ、どのイベントもそうですが、100以上のブースが出ている中で、どのようにして選んでもらえるかに苦労します。

今回、グローバルフェスタを回る中で、ついついブースに寄りたくなる工夫をしているところをピックアップしてみました。


■楽しみながら寄付をするには?

「寄付」をすることを楽しむためにはどうしたらいいでしょうか?
ただ、募金箱が置いてあっても、なかなか寄付を促せません。

森永製菓のブースで、面白い寄付の仕組みを見かけました。
名付けて「ピタゴラスイッチ寄付」(これは勝手に私がつけました)

ピタゴラスイッチみたいな、楽しみながら寄付


100円玉を入れると、滑り台を滑って、100円玉が募金箱に入っていきます。
途中で、ジェットコースターみたいに、くるっと1回転するなど、ただ滑るだけよりも楽しんでみることができます。

世界の子どもか、日本の子どもに寄付できます


さらに、鉄道のように、スイッチ切り替えができ、
「世界の子どものため」または「日本の子どものため」、どちらにお金を使ってほしいか選べます。

あと、寄付してくれた人には、フェアトレードのチョコレートももらえます。
楽しんで寄付できて、チョコももらえて、ダブルでハッピー?!

子どもが入れて、見て楽しめるので、親子で歩いている人にウケがよさそうです。


続いて、これはたまに見かけますが、「ガチャガチャ式」です。

ガチャガチャで寄付。ついついまわしたくなる?


こちらは、かものはしプロジェクトのブースにありました。

ガチャガチャの中に何が入っているのかまで確認できませんでしたが、寄付に対するリターンがあるのであれば、
少しでも、楽しんで寄付してもらえる仕組みにした方が促せる気がします。

ただ募金箱が置いてあるだけよりも、ジェットコースターのような装置があったり、ガチャガチャのマシーンがあった方が、
気になって、ついつい寄ってしまいます。


■ボランティアを体験できるワークショップ

次は、ついつい、参加してしまったハビタット協会のブースです。

これは何をしているところかわかりますか?

さて、これは何をしているところでしょうか?


実は、国際空港の募金箱に寄せられた、各国の通貨を仕分けているところです。

通貨仕分けワークショップ、という形で行っていましたが、
ハビタット協会では、普段から、このような活動をボランティアで行っています。

彼らにとっては、特別なことではないですが、私たちにとっては十分に特別な体験です。
普段のボランティアを外に持ち出すだけで、人を引き付けることができるという事例です。

私はユーロくらいしか見たことなかったので、クローネ(デンマークの通貨)や、香港ドル、・・・etc
各国の通貨も見ることができて、とても楽しみながら参加できました。

外貨を仕分けるワークショップ

ついつい夢中になってしまうボランティア



■参加した後も気になる展示

最後に、ADRA Japanのブースのご紹介です。

こちらは、ブース内で、facebookカバー写真コンテストを行っていました。
展示している写真にシールで投票して、得票数が多かった写真をカバー写真に採用するというものです。

こちらは参加型の展示


ただ、写真を見てもらうだけでなく、そこに参加してもらう仕組みとしては分かりやすいです。
facebookページに「いいね」をつけてもらうための誘導としても優れていると思います。

帰った後も、結果がどうなったのか、気になって見てしまうと思います。

どの写真が選ばれたのか、後で見たくなります


と、いくつかの工夫していると思ったブースをご紹介しました。

もちろん、注意しないといけないのは、ブースに人に来てもらうことが目的になってはいけないということです。
人が来てもらった後に、どのようなコミュニケーションをとるのかまで含めて、行動をデザインしていかないと、骨折り損になります。
(寄付してもらいたいのか、会員になってもらいたいのか、ボランティアに来てほしいのか・・・)

12月にエコプロダクツが控えている環境NPO/NGOの皆さんの参考になれば幸いです。


Takayuki Ishimoto

稲刈りで分かる、白鳥とたんぼの関係は?

さて、先週末は五頭自然学校の協働取組事業のイベントを視察してきました。

五頭自然学校では、「白鳥」をシンボルとして、阿賀野市及び新潟市の五頭山からなる流域一帯の生態系を保全していくための取り組みを進めています。

取り組みの一環として、今回、稲刈りを行ってきたのですが、いったい、なぜそれが白鳥と関係あるのでしょうか???

五頭自然学校の佐藤校長からレクチャー


参加者一同は、五頭自然学校に集合して、近くの夢の谷で有機農業を営んでいる方の田んぼに移動しました。
移動する間も、田んぼの風景が広がっていて、とてものどかです。

さて、今日お世話になる、農家の田んぼには、「イトミミズ」を祭った神社があります。
この「イトミミズ」って何かご存知ですか?

「イトミミズ」は、環境下において、土を耕してくれる田んぼの土の浄化役を果たしています。
田んぼに「イトミミズ」が多くいるということは、それだけで健康な土づくりができると言えます。

そのような役割を果たす「イトミミズ」を神社に祭り、よりよい食物ができる環境を祈願しています。

イトミミズ神社でお参り


そこで、私たちも一人ずつ、田んぼに入る前に、この「イトミミズ神社」にお参りします。
「おいしいお米が収穫できますよーに!」と。

お参りが終わったところで、稲刈りのレクチャー開始です。

早速、稲刈り


1株ごとに刈っていき、男性なら1度に3・4株刈ったものを「ひとまとまり」にします。
もう「ひとまとまり」刈ったものを、先ほど刈ったものの上に少し斜めにずらして置いていきます。

この2つの「まとまり」を、縛っていくことになります。
が、実はこれが非常に難しい!

1度、実演を見せてもらったのですが、1回でできた人は、1人のみ。
その後、全員で挑戦しましたが、結局、できるようになったのは6人くらい。
およそ半分くらいの参加者はできずに、あきらめて稲刈りにいそしみました(笑)

ちなみに、私は、十数回の練習を乗り越え、何とかできるようになりました。
何事もあきらめなければ、いつかできるようになるんですね・・・。

2株でお茶わん1杯だそうです


さて、縛った稲穂を次々に軽トラックに載せて、続いては「ハサがけ」を行います。
「ハサがけ」というのは、稲穂を天日乾燥させる作業のことです。

通常、刈ったばかりの米には23%程度水分が含まれているそうですが、
(雨を考慮して)2週間前後、「ハサがけ」すると、15%程度まで水分が下がり、長期保存に適するようになるそうです。

軽トラックいっぱいの稲穂

鈴木教頭によるハサがけ

これで、本日の作業「稲刈り」「ハサがけ」は終了です。
で、ここまでの作業がいったい、白鳥とどう関係あるのか、わかりましたか?

ちょっと、わかりにくいですが、こちらの写真を見てみて下さい。

田んぼには、「米」がたくさん落ちています
※クリックで拡大


実は、稲刈りをした田んぼには、お米がたくさん落ちています。
刈った時や、縛った時に、落ちていったお米です。

このお米を、秋から冬にかけて飛来する白鳥が食べに来るのです。
これが、「田んぼ」と「白鳥」の関係の秘密です。

大したことない、と思われるかもしれませんが、
人の営みがあるからこそ、白鳥もやってくる。共存共栄している状態が生まれています。

人も白鳥も田んぼを通じて、「仲良し」、そんな感じがしませんか?

五頭自然学校の協働取組では、このような「白鳥」がやってくる豊かな環境のつながりをもっと知ってもらおうと、
「食」「水環境」といった切り口で事業を展開しようとしています。

「食」は今回体験した「田んぼ」、「水環境」はラムサール条約登録湿地で、白鳥が飛来する「瓢湖」です。
今までは、これらの要素が分断されていましたが、「白鳥」を軸にして、つなげていく。
さらに、それは阿賀野市だけではなく、「白鳥」が飛来する土地環境まで広げていく、壮大な構想なのです。
(白鳥は、阿賀野市の瓢湖だけでなく、新潟市にある福島潟、佐潟、鳥屋野潟の4か所に飛来します)

振り返りを絵日記で

ishimoto作の絵日記

さて、再び、五頭自然学校に戻り、今日の感想を絵日記で表しました。
思い思いの絵を描いて、一言ずつ感想を共有して、本日のイベントは終了しました。

次は、森とのつながりを考えるイベントを予定しています。
ご興味がある方は、是非、新潟まで来てくださいね。


Takayuki Ishimoto

“生きもの語り”で歴史トリップ!大人の食育セミナー

9月27日(金)は、NPO法人武蔵野・多摩環境カウンセラー協議会さん主催、

「生きもの語り 日本の食の深い味わい方」セミナーでした。

講師に林 鷹央先生、徳永 亜由美先生をお迎えして、
縄文から現代まで、動物や植物という生き物と、私たち人間は
食を通してどのように関わってきたのか、教えて頂きました。

地球上の生物のうち8割は陸に住む。全てが海だったら…

「地球上に存在する生き物のうち、より多くの種類が生息するのは、
陸と海どちら?」というクイズからスタート。

地球上の生物種のうち約8割が存在する陸。
今回は陸上生物の中でも、鹿・昆虫・稲・梅について取り上げてくださり、
知られざる効能や神事、民謡との関わりなどをお話し頂きました。

平家の落人をうたった「麦や節」

ところで、皆さんは鹿の肉を食べたことがありますか?

日本人は縄文時代、狩猟により、今は考えられないような動物でも、
ある程度の大きさの動物は大体食べていたそうです。

それが仏教伝来など、様々な出来事により淘汰され、
今は豚・牛・鶏以外はあまり口にすることもありませんね。

身近な鹿という動物は日本人にとってどんな存在だったのでしょう?

それは例えば、「そんでこ節」など日本の民謡などから
読み解くことができるそうです。

自分たちのご先祖様が生き物とどう付き合ってきたか、
歌から知れる、というのは趣深いですね。

お米の先祖 マコモ

さて、お米よりも古い穀物があるってご存知でしたか?

古代米の赤米、黒米などはその栄養価から見直されていて
通販などで目にする機会もありますが、
マコモは初めて聞く方も多いのではないでしょうか。

今でも出雲大社では、涼殿祭(すすみどのまつり、別名マコモの神事)にて、
マコモの上を宮司さんが参進祈念する行事を見ることができます。

敷かれていたマコモを頂くと、病気などの災いを避けられるのだとか。
神様と人間をマコモが繋いでくれていたのですね。

マコモを利用したビオトープ

山梨県などでは、田の入り口やビオトープに見ることができるそうです。

水質浄化にも役立つマコモですが、群生すると背も高いので
「やっかいもの」になってしまい、昔は身近でしたが、
今はレアな存在に変わってしまったとのこと。

ご先祖様方がどのように付き合ってきたかを知ることで、
植物や動物たちと今後どのように付き合っていくのが、
私たち世代と未来世代の幸せにつながるのか、
ヒントを頂いたセミナーでした!

Yuriko Sugiyama

 

マルチステークホルダープロセスは綺麗ごとじゃない!

阿賀野川と言えば、新潟水俣病が連想されてしまうような、「公害」のイメージが強い場所です。

この阿賀野川流域で、公害からの地域再生に取り組む「あがのがわ環境学舎」という社団法人があります。
新潟市で開催された、「協働フォーラム」で、お話を聞く機会があったので、どのように、公害問題や地域再生に向けた取り組みを進めているのか、詳しく聞いてきました。
聞けば聞くほど、マルチステークホルダープロセスと呼ばれる、協働の進め方のヒントの宝庫でした。

あがのがわ環境学舎の山崎氏


同社は、「ロバダン(炉辺談義)」と呼ばれる寄合を数年にわたり、100回以上開催することで、協働を進めてきました。
この「ロバダン」とは、10名程度の少人数での集まりで、水俣病のことに限らず、フリートークで今感じていることや思っていることを話すものです。
ただ、会の最初に、水俣病について触れるので、自然と水俣病や公害に対する思いが出てくるそうです。


■事前の準備が何より大事!

寄合を持てば、協働の取り組みにつながるかというと、そういうことではなく、事前の準備を怠りません。
必ず、地域のキーパーソンに、じっくり時間をかけて、「ロバダン」を持つための趣旨等を説明します。
その上で、誰を呼ぶのか、いつ開催するのかを調整していきます。

そして、会を運営する時の工夫として、事務局側のメンバー構成とルールに決まりを設けています。

事務局のメンバーには、必ず全ての会に出ている人を2名置くそうです。
そうすることで、情報が散逸せず、集約されます。
情報が集約されることで、コミュニケーションのロスが少なくなり、地域の資源を連結させる際のコーディネートが行いやすくなります。

また、「ロバダン三原則」を設けて、参加された地域の方々に理解を求め、参加しやすい雰囲気を作っています。

ロバダン三原則

  1. 新潟水俣病のもやい直しが目的とはっきりと伝える。
  2. 相手の言い分にはまずは耳を傾ける。否定しない。
  3. 共通の価値観を探る。共通の価値観を広げる。



■小さなことからコツコツと


こうした「ロバダン」を流域一帯で重ねながら、公害問題に向き合う、また地域再生といった動きに繋げていかなければなりません。
ここでも、事務局で主導権を握るのではなく、各ロバダンから、個別のプロジェクトが動き出すのを待ちます。
ロバダンを繰り返すことで、人には話したことのない思いなどが溢れ、具体的なプロジェクトに繋がっていくそうです。

事務局側では、この個別のプロジェクトを応援しつつ、どこの誰と繋げることで、より活動が加速するかを考えます。
そうすることで、流域全体が徐々につながっていきます。

いまは、上流域、中流域で、いくつものプロジェクトが動き、具体的な形になってきています。
今後は、下流域(新潟市方面)にも力を入れていくそうです。


■綺麗ごとではないマルチステークホルダープロセス


ただし、ここまでたどり着くのも失敗の連続だったそうです。
その試行錯誤の結論として、いまの「ロバダン」の形があります。
だからこそ、マルチステークホルダープロセスという言葉には、「綺麗すぎる」という印象を持つそうです。

この「ロバダン」の話を聞くだけでも、準備に非常に時間がかかることもわかるでしょう。
また、終わった後、どのように次につなげていくのかも、とても手間暇かかります。

まったく綺麗ごとではなく、泥まみれになりながらの取組です。
それでも、ここまでしなければ、地域の人と向き合っていくことはできません。


■「負」と「光」を併せ持つ


公害と言えば、「負」の面だけを思い浮かべがちですが、一方で、その地域には必ず「光」の面があります。
「ロバダン」を通して、公害という「負」の面だけではなく、様々な「光」の面が見えてきたことは、この取り組みが、地域を変えつつある、一つの成果だと思います。

この「ロバダン」を通して、「光」の面にも目を向けた、阿賀野川流域を再生するプロジェクトが進んでいます。
流域全体をエコミュージアムにする構想、また環境学習ツアーを事業化していく動きです。

そうした情報を発信するために、「あがのがわ流域再生プロジェクト」のウェブサイトがあります。
ぜひ、のぞいてみて下さい。これから注目の取り組みです。


Takayuki Ishimoto

やり直し・学び直しで「倍返し」!?デンマーク教育から考える日本の未来

秋の日差しが差し込む、3連休初日の午後、GEOC内には多くの人が列をつくっています・・・。

続々とお客様が集まります。手前にあるのは、デンマークのお菓子♪



本日は、「デンマークに学ぶ!これからの教育フューチャーセッションvol.3」。
今回も、満員御礼。これまでに通算で150人くらいの方が参加したことになります。

このフューチャーセッションでは、毎回、国民の幸福度世界一、
そして持続可能な社会を生み出しているデンマークの教育を参考にしながら、
日本の子ども達が、もっと幸せを感じながら生き生きと力を発揮するには、何が必要なのかを考えています。

Part1. インスピレーションを得る

はじめに、教育ジャーナリストの中曽根陽子さんのお話です。
5月末にデンマークへ取材へ行かれたご経験を交えて、
デンマークの教育制度や学びの特徴、土台となる価値観や先生の教え方など
日本とどう違うのかわかりやすくお話し下さいました。

「グローバル人材とは地球市民としていい社会を考える人だ」という言葉が印象的でした。

キーワードは「ソフトランディング」「対話」「自然」



ソフトランディングが、自分にじっくり向き合い将来を考える準備の時間となっていて、
誰でも「やり直し」「学び直し」が可能である。

親や先生は「あなたはどうしたいの?」「どうしてそうしたいの?」と問い、
子どもの話をしっかり受け止め認める。

探究型の学びの中で、どうしたらもっと上手くできるか考える。
自律的人材を育てるヒントがたくさん提示されました。


次は、ラーンネット・グローバルスクールで探究型の学びを実践されている
炭谷俊樹先生から「第3の教育」についてお話です。

問題があれば「何がまずかった?」「どうすればいい?」と自分たちで解決する学校


「テストや競争がないと学力は伸びない」「自分には得意不得意がある」
「授業は先生が教える」

…日本ではある意味「当たり前」のことですよね?
実は、デンマークでは「テストなし」「自分は苦手科目はあまりないと感じる」
「子どもと対話中心に進む」のだそうです。

「グローバル人材になるには、自分の意見や気持ちを人に伝えられるか、
相手の気持ちを受け止められるかが基本。」

「受け身で勉強をするのではなく、なぜ勉強をするのか理解し、
役に立つしおもしろいと思ったら自分から勉強する。」

「もともと子どもたちは、興味のあることを学びたい!できたという満足感を味わいたい!
自分のことを見てほしい!と思っている」
という言葉が印象的でした。


Part2. 問いを深める&Part3. 想いを形にする

今回のセッションでは、「新しい時代に合った日本の教育システムや内容についてアイデアを出す。」ことについて
「学校教育」「学校教育以外」「家庭」の3つのテーマに分かれて話合いました。
Part1でインスピレーションを得たからか、どんどん意見が出ます。

「新しい時代に合った日本の教育システムや 内容についてアイデアを出す。」




Part4. みんなで共有する

各グループで話し合ったことを2分で発表です!

明るい笑い声が絶えないグループ発表でした

「社会で子どもを育てること。スチューデントアシスタントに様々な年代・立場・専門の人を総動員して関わってもらう。」
「中間支援組織をつくって、マッチング、ルール作りとその検証を担ってもらう」
「子どもたちの多様な価値観をフォローする仕組みづくり。朝・週末など時間的に、シニア・企業人など人的に、多様なリソースを活用するようにする」
「教師にギャップイヤーを設ける。教えなきゃいけないということから解き放たれてもらう」
「幸福度の高い教育のゴールって?そのゴールを共有しあうことが大切」
「教育が探究型・創発型にならないのは先生が忙しい、サポートする仕組みがないから」
「社会に開かれた学校に。授業は学校の先生と社会人で分担して、学校の先生も社会勉強できる時間をつくろう」
「子どもも大人もやり直し・学び直しのチャンスがいつでもつかみやすいしくみに」
「野尻湖のペンションでフォルケホイスコーレを開きます」

「子どもが子どもの人生を生きれるように、まず自分自身が自立しよう」
「地球ママサロンをつくって、お茶を飲みながら気軽につながるところから始めて、命に感謝することの大切さを共有していこう」
「日本全国鍋キャラバンをつくって、色んな人が集まり美味しいものを食べながら鍋という共通体験から会話のキッカケを生み出しコミュニケーションする場を提供しよう」


というアイデアが出ました。

最後に、中曽根さんの「素晴らしいアイデアがたくさん出て感動しています。
これで終わらずに、具体的な一歩につなげていく段階。
どうつなげていくかアイデアもよせてほしい」
という言葉でしめくくられました。





私はこのセッションに参加して「一度学んで終わり」というのはもったいないと感じました。
「学んだら、学び直す。倍返しだ!」

一見遠回りなこと、余計なこと、時間の無駄、というように思われますが、
実は、謙虚に学び直していった方が得られるものは多い場合もありますよね。
一度読んだ本を時間がたって読み返すと、響いてくる言葉が違うことがありますが、
自分の成長(変化)を感じる瞬間だったりします。

「文句があるんだったら行動しよう!」
これがデンマーク流ということですが、誰かのせいにして諦めるのではなく、
自分にとってチャンスだと捉えて、次世代にとっても自分にとっても幸せな社会のために、
大きなこと小さなこと、程度に関係なく行動していきたいですね!



Yuriko Sugiyama

GEOCにアンコールワット!?

現在多目的スペースでは、『自然・文化がある幸せを次世代へ:森林と水と文化・まなびのエコステーション』という展示を行っています。

内容としては、「エコアイランド宮古島の取組みと文化を写真パネルなどで紹介しています!

中でも、特に目を引きつけられるのは、こちら。

エコ積み木で文化遺産を学ぶ !

 様々な方に自由にご参加いただき、アンコールワット作成をしていただくコーナーがあるんです。

終日たくさんのお子さんたちでにぎわっています。

ちなみに・・「エコ積み木」とは、森林保護作業の間伐材を利用してつくられた積み木のことだそうです。

現在は、実際に森で間伐作業を行っている杉並区立高井戸中学校地球環境部の生徒たちが完成に向け、がんばってくれています。

近くで見ると、なかなかの大きさになりそうです。

最終日の8/24(土)には完成予定ですので、ぜひ見にきてくださいね!

 おまけ♪

東京駅舎!す、すごい!

 

Minae Aoki