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やり直し・学び直しで「倍返し」!?デンマーク教育から考える日本の未来
秋の日差しが差し込む、3連休初日の午後、GEOC内には多くの人が列をつくっています・・・。
本日は、「デンマークに学ぶ!これからの教育フューチャーセッションvol.3」。
今回も、満員御礼。これまでに通算で150人くらいの方が参加したことになります。
このフューチャーセッションでは、毎回、国民の幸福度世界一、
そして持続可能な社会を生み出しているデンマークの教育を参考にしながら、
日本の子ども達が、もっと幸せを感じながら生き生きと力を発揮するには、何が必要なのかを考えています。
Part1. インスピレーションを得る
はじめに、教育ジャーナリストの中曽根陽子さんのお話です。
5月末にデンマークへ取材へ行かれたご経験を交えて、
デンマークの教育制度や学びの特徴、土台となる価値観や先生の教え方など
日本とどう違うのかわかりやすくお話し下さいました。
「グローバル人材とは地球市民としていい社会を考える人だ」という言葉が印象的でした。
ソフトランディングが、自分にじっくり向き合い将来を考える準備の時間となっていて、
誰でも「やり直し」「学び直し」が可能である。
親や先生は「あなたはどうしたいの?」「どうしてそうしたいの?」と問い、
子どもの話をしっかり受け止め認める。
探究型の学びの中で、どうしたらもっと上手くできるか考える。
自律的人材を育てるヒントがたくさん提示されました。
次は、ラーンネット・グローバルスクールで探究型の学びを実践されている
炭谷俊樹先生から「第3の教育」についてお話です。
「テストや競争がないと学力は伸びない」「自分には得意不得意がある」
「授業は先生が教える」
…日本ではある意味「当たり前」のことですよね?
実は、デンマークでは「テストなし」「自分は苦手科目はあまりないと感じる」
「子どもと対話中心に進む」のだそうです。
「グローバル人材になるには、自分の意見や気持ちを人に伝えられるか、
相手の気持ちを受け止められるかが基本。」
「受け身で勉強をするのではなく、なぜ勉強をするのか理解し、
役に立つしおもしろいと思ったら自分から勉強する。」
「もともと子どもたちは、興味のあることを学びたい!できたという満足感を味わいたい!
自分のことを見てほしい!と思っている」
という言葉が印象的でした。
Part2. 問いを深める&Part3. 想いを形にする
今回のセッションでは、「新しい時代に合った日本の教育システムや内容についてアイデアを出す。」ことについて
「学校教育」「学校教育以外」「家庭」の3つのテーマに分かれて話合いました。
Part1でインスピレーションを得たからか、どんどん意見が出ます。
Part4. みんなで共有する
各グループで話し合ったことを2分で発表です!
「社会で子どもを育てること。スチューデントアシスタントに様々な年代・立場・専門の人を総動員して関わってもらう。」
「中間支援組織をつくって、マッチング、ルール作りとその検証を担ってもらう」
「子どもたちの多様な価値観をフォローする仕組みづくり。朝・週末など時間的に、シニア・企業人など人的に、多様なリソースを活用するようにする」
「教師にギャップイヤーを設ける。教えなきゃいけないということから解き放たれてもらう」
「幸福度の高い教育のゴールって?そのゴールを共有しあうことが大切」
「教育が探究型・創発型にならないのは先生が忙しい、サポートする仕組みがないから」
「社会に開かれた学校に。授業は学校の先生と社会人で分担して、学校の先生も社会勉強できる時間をつくろう」
「子どもも大人もやり直し・学び直しのチャンスがいつでもつかみやすいしくみに」
「野尻湖のペンションでフォルケホイスコーレを開きます」
「子どもが子どもの人生を生きれるように、まず自分自身が自立しよう」
「地球ママサロンをつくって、お茶を飲みながら気軽につながるところから始めて、命に感謝することの大切さを共有していこう」
「日本全国鍋キャラバンをつくって、色んな人が集まり美味しいものを食べながら鍋という共通体験から会話のキッカケを生み出しコミュニケーションする場を提供しよう」
というアイデアが出ました。
最後に、中曽根さんの「素晴らしいアイデアがたくさん出て感動しています。
これで終わらずに、具体的な一歩につなげていく段階。
どうつなげていくかアイデアもよせてほしい」
という言葉でしめくくられました。
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私はこのセッションに参加して「一度学んで終わり」というのはもったいないと感じました。
「学んだら、学び直す。倍返しだ!」
一見遠回りなこと、余計なこと、時間の無駄、というように思われますが、
実は、謙虚に学び直していった方が得られるものは多い場合もありますよね。
一度読んだ本を時間がたって読み返すと、響いてくる言葉が違うことがありますが、
自分の成長(変化)を感じる瞬間だったりします。
「文句があるんだったら行動しよう!」
これがデンマーク流ということですが、誰かのせいにして諦めるのではなく、
自分にとってチャンスだと捉えて、次世代にとっても自分にとっても幸せな社会のために、
大きなこと小さなこと、程度に関係なく行動していきたいですね!
Yuriko Sugiyama