GEOCスタッフブログ

お客様 from 淡海ネットワークセンター

本日は、滋賀県から「淡海ネットワークセンター」の膽吹さんがいらっしゃいました。

「淡海ネットワークセンター」は滋賀県広域の中間支援センターで、
「おうみ未来塾」という地域プロデューサーを養成する講座を10年以上続けていて、
滋賀県の地域活性化を担うリーダー育成などを行っています。

今日は、明日から開催されるファンドレイジングのイベントに出席されるとのことで、
GEOCにもお立ち寄りいただきました。

県域また市、町での中間支援組織の役割の違いや、
滋賀県では、NPOの他にも、住民主体のまちづくり協議会の動きも目立ってきたなど、
地域ならではの特徴などを伺いました。

実は、膽吹さんは、私の大学時代の後輩なのですが、、、
とても20代に見えない貫禄がありますね(笑)

淡海ネットワークセンターの膽吹さん



takayuki Ishimoto

ESDクッキングスタジオに行ってみた!?

こんにちは☆
昨日はESDクッキングスタジオに行ってきました~♪ 
料理教室は初めてだから楽しみぃ~♥

・・・ではなくて。。。(^▽^;) 今回行ってきたのはESD環境教育プログラムの神奈川県の普及事業である”ESDのつくり方ワークショップ”。ESDを料理に例えたちょっと風変わりなワークショップでしたのでちょっぴりシェアしますね☆

今回の特別レッスンのために、岡山からベテランの板長※1がいらっしゃるとのこと。

さて、どんな包丁さばきと、オリジナルレシピを披露してくれるのか・・・。
楽しみにしつつも、一体、どんな素材を使うのか、どんな料理を作るのか(和食?中華?フレンチ?それともイタリアン?)事前情報がなかったので、いきなり、〇〇の△△風~ホニャララソース添え~とか、難易度高いものや、普段、料理できない高尚なレシピを教えられても作れない(実践できない)しー、プロ用包丁の技を教えられても使いこなせないしー。茶わん蒸し程度でいいのだけど~。と思ってドキドキしていたところですが、

板長『大丈夫ですよ。ESDは、強いて言えば、調味料みたいなもの。普段、お料理しているものにスパイスを利かせることで、いつもより美味しくなりますよ。ですから、今日作る料理も、いつもの食べ物、誰でも作れるものしか紹介しませんよ。』

なるほど、調味料を効かせてESD化しようってことですね。( ̄▽ ̄)ホッ 

主催者で神奈川のESD地域事務局のM先生、”料理って、比喩ですからねっ!”と念押しされてていたように、”料理”はあくまで例えですが、ふと料理にしたら何だろーなーと考えてみました。
(実際に料理をするものだと思った参加者もいたようですが。アララ・・・)

どこにでもある料理で、アレンジ可能、誰にもできるもの・・・。(あと、忙しくてもできるものがいーな ; ̄ー ̄A)
ESDが西語でサラダ(EnSalaDa)ということもあり、ひとまずサラダかな?

・・・ということで、料理人見習い(麻布大学の学生)さんからいただいた、板長秘伝のスパイス・調味料の使い方を載せたレシピ本”30分クッキング”を元に、調理実習で習ったことも思い出しながら、家に帰ってからESDサラダを作ってみました!

名付けて!!!ジャーン ”ESD6つの構成概念サラダ”
(美味しくなさそうな名前・・・( ̄。 ̄;)

ESDの構成概念とは、国立教育政策研究所によると、下記の6つが挙げられています。もちろん、この6つに限定されるものではありません。

●人を取り巻く環境に関する概念※2
Ⅰ多様性・・・いろいろある、Ⅱ相互性・・・関わりあっている、Ⅲ有限性・・・限りがある
●人の意思・行動に関する概念
Ⅳ公平性・・・一人一人を大切に、Ⅴ連携性・・・力を合わせ、Ⅵ責任制・・・責任を持って

因みに、どんなサラダだったかと言うと、素材に多様性(海のもの、山のもの、里のもの)があり、持続可能な漁法で獲ったお魚をちょっぴり使用(一本釣りカツオとか、MSC認証シーフードとか?)し、ドレッシングは、相互性(異なる素材同士が絡みやすい)があるものを使ってみた!
後は、買ったもの、作ったものをゴミにしないよう、責任を持って全部食べ【責任性】、買い物、盛り付けは手分けして準備し【連携性】、エラい人もそうでない人も、エビは○匹ずつ・・・とか公平に分配する【公平性】ことができれば、ESDサラダになりまーす。

サラダでも、スープでも、(日本人なら鍋?)“さしすせそ”ならぬ、この法則を守れば、ESD化されて、本当の料理もおいしくなるでしょう~?!結構、無理やりやね~。(* ̄m ̄)プッ

ぜひお試しあれ~。

裏話:今回、ESD を料理に例えて紹介していましたが、最初の企画は”ESD の解剖実習”で、白衣を着るとか、ストレッチャーが出てくるなんて話も。そちらも見てみたかったなー。

※1:岡山理科大学の岡本弥彦先生です。
※2:詳細は、『ESDの学習指導過程を構想し展開するために必要な枠組み』(国立教育政策研究所 教育課程研究センター 発行)をご覧ください。https://www.p-esd.go.jp/design/pdf/pamphlet.pdf

s.shirai

「PR感性」を鍛えて、広報力をつけよう!

8月に、新宿NPO協働推進センターのSさんが来館され、
NPO等を対象にした講座の企画について、一緒にアイデアだしを行いました。(皆さん、覚えてましたか?)
■記事:「お客様 from 新宿NPO協働推進センター」

さて、その結果生まれた企画の1つ、広報講座「広報力をつけるための「PR感性」の鍛え方」が
11・1月と無事に開催されたので、1月開催分を少しご紹介します。
(講師は、NPO法人NPOコミュニケーション支援機構の小久保様)

なお、「広報力をつけるための「PR感性」の鍛え方」は、基礎編と実践編の2回開催で、
11月開催の基礎編では、広報・PR全般についての概要説明を、
1月開催の実践編では、プレスリリースに話を絞って、作り方のポイントを紹介しました。

広報講座の一コマ



■リリースを書く人への5つの質問

まず初めに、用意された企画書を基にリリース文書を作成するワークを行いました。

しかし、ワークを始める前に、プレスリリースを知っている方が数名しかおらず、
意外にも、取材してもらう方法であるリリースが知られていないことが判明しました。

プレスリリースを書いてみよう


そこで、急遽、先ずはプレスリリースとは何なのかを解説することに。
以下の、リリースの5つの質問を基に、説明をして頂きました。

・何のためのリリースなのか?
・伝えるべき情報の優先順位は明確か?
・何がニュース価値のある情報なのか?
・いつリリースアウトするのが良いか?
・事実が明確に書かれているか?


プレスリリースは、NPOにとって、イベントなどの活動を、新聞社など各種メディアに
取材してもらうための手段の一つです。

1・2Pと限られた紙面の中で、簡潔に伝わる必要があります。
メディアには、1日当たり数百枚のリリースが届くそうです。

そうした中で、わかりやすく資料を作成することは必須。
上記の5つの質問に答えた資料になっているか、送る前に1度確認するとよいでしょう。

企業などのリリースを参考にしてみよう


また、ちょっとしたtipsとして、必ず同じヘッダーにするという方法があります。
ロゴなどの配置をいつも同じにすることで、「またあそこから来てる」というように、
認識してもらいやすくなるそうです。


■モニタリングを忘れずに

さて、プレスリリースを出して、それで終わりではいけません。
どういう風に取り上げてもらったのか、モニタリングすることが大切です。
(取材を受けた場合、記事や映像を後日頂ける場合がありますが、必ずしもそうではありません)

団体・活動の情報がメディアに出ていないか、連絡してもらえる体制づくりをするのももちろんですが、
調べるための工夫も同時に行います。

例えば、Google alertで団体名を登録しておけば、インターネット上で名前が掲載されるたびに、
メールでお知らせが届きます。
また、「TVでた蔵(TV DATA ZOO)」のような、放送されたテレビ番組をテキストに起こしてある
サイトも非常に便利です。

それと、掲載の有無だけではなく、掲載されたものを検証することもモニタリングです。
なぜ、掲載されたのか、どのような文章構成になっているのか、など細かな点ですが、
きちんと検証しておくことでプレスリリースと記事のギャップを埋められるはずです。


■あなたの価値とメディアの価値は違う

忘れてはならないのは、5つの質問でも書いてある「ニュース価値」です。

例えば、これまで任意団体だったけど、晴れてNPO法人になった、というリリースを出すとします。
しかし、いったい、これは誰のための価値なのかわかりません。

下手をすると、今までNPO法人ではなかったのか、とマイナスイメージを与えかねません。

誰にとって価値があるのかをしっかりと明確にして、自分たちにだけ価値が感じられるようなリリースは、
配信しないように気を付けましょう。


■まとめ

講座では、もっと様々なリリースを書く際のポイントが上がっていましたが、
少なくとも、5つの質問に答えられること、リリース後の結果をモニタリングすることは、最低限必要です。
その次に、メディアリレーションシップなどを考えていくように、ステップが上がっていきます。

確実に取り上げてもらう正解はないので、確実に押さえるところは押さえて、
試行錯誤、改善を続けていきましょう。



Takayuki Ishimoto

協働取組においていかに人を巻き込むか~EPO中部のMSHダイアログに参加してきました~

こんにちは!

先日、EPO中部が主催した「MSHダイアログ 協働とESD~サステイナブルな社会を「本気」でつくる~」に参加してきました。こちらは中部7県で“環境と経済の調和に基づくビジネス創出”“持続可能な社会を可能にする人づくり”をテーマにした活動に関わる様々な立場にある人が今後の相互発展の為に意見交換をする場です。(ちなみに”MSH”ダイアログとはマルチステークホルダーダイアログのこと。)

今年のダイアログのテーマは3つ。

(1)「協働取組~組織を強くする、地域を巻き込む」

(2)「協働取組~資金をどう調達するか」

(3)「ESD~学校と地域の連携による人材育成」

(1)と(2)については、今年度の環境省の「地域活性化を担う環境保全の協働取組推進事業」、また(3)については同じく環境省の「持続可能な地域づくりを担う人材育成事業」と今年開催されるESD世界会議に関連してテーマ設定されたようです。

私が参加した(1)では、事例紹介をもとにコメンテーター、参加者による意見交換を通じて、具体的に協働取組における「組織基盤強化」や「多様な主体の参画」についてディスカッションしました。挙がった論点としては、

[目的や目標の共有]・[事務局の確立]・[マスメディアの活用]……などなど、普段実践されている方が当日集まっていらっしゃったので、濃い意見交換がなされました。中でも特に話に上がったのが地域の中で協働取組に取り組む際に、いかにして「人を巻き込むか」という点。

世の中にたくさんの市民活動がありますが、関わる人のその全てが最初から問題意識を強く持っているわけではなく、「むしろ楽しいから関わる」ということも多いのではないかという指摘や、またついこのような議論で「ビジョン」という言葉を使いがちだが、人によって用法やスパンなどが異なることもあるため、あえて使わないことも重要ではないか、という議論もありました。うーん、この問いは奥が深そう…。

この場として何か具体的な解決策を確認したわけではないですが、普段あまり接点のない活動をされている方々との意見交換は新鮮でもあり大変勉強になりました!

 

Kensuke eguchi

広島がイチおし~な理由 vol.2 ~Peace~

見上げると、青い空に白い雲。どこにでもある何でもない空。
ここは・・・、68年前に人類最初の原子爆弾が炸裂した青空です。

広島はやっぱりこれを忘れてはいけないでしょう・・・。

イチおし~な理由その③は、“平和の有難さを心から実感できる都市”であること。
美しい自然と都会の便利さを併せもつ広島に、原爆が投下されたのは68年前。原爆ドームをはじめ、生々しい痕跡が数多く、しかも人々の生活の範囲の中で保存され、70年近くたった今も、当時の様子をリアルに伝えています。

無言の叫び、生と死・・・そこだけ止まった時間。資料館の悲惨な展示の数々に、途中でギブアップ。どよんとした重たい空間から抜け出すと、全く違う今の日常の風景(人々の笑い声や街の賑やかさとか・・・)を目にして、悪い夢から覚めたようにホッとして、今は平和なんだよねぇ・・・と。戦争と平和、脅威と安心が隣り合わせのこの空間。通りを挟むだけで、簡単に過去と現在を行き来することができる街。初めて見ると、軽いカルチャーショックです。

数年前、インドのパキスタン国境にある小さな村の学校に行った時、そこの先生から“核保有国であるインドとパキスタンが戦争になれば、最初に巻き込まれるのは自分たち。当たり前と思っている平和は当たり前ではないことを子どもたちに知ってほしい。ぜひヒロシマのことを話して”と急遽、頼まれたことを思い出しました。その時、日本人としてヒロシマのことは常識として知っていないといけないなぁとつくづく思いました。

今も、広島が平和都市の象徴として、世界からも多くの人々の関心を引きつけているのは、人類最初の原子爆弾が落とされた場所で、核問題を考える原点だからということだけではなく、核の脅威は過去のことではなく、残念ながら、今も起きていることという皮肉な側面もあるのではないでしょうか。広島(や長崎)が語る平和ほど、説得力あるものはなく、核廃絶のその声は日本を代表する声になるのだろうと思います。

環境課題は温暖化、生物多様性・・・etc様々なテーマがありますが、どんな活動をするにも、平和であることが前提。平和記念資料館の最初の展示でも、”核の脅威は地球環境が破壊されるだけでなく、人類生存に対する脅威である”と説明していたように、核廃絶を訴えるのは、何も平和や人権団体に限ったことではないのでしょう。

資料館の最後にあったビジターブック。皆、どんなこと書いているのかと覗き込むと、思慮深いコメントもある一方で、
「ラブ&ピース!」 「平和ってサイコ~!」
・・・と、若い人のコメントなのか、戦争や原爆は昔のこと、自分とは関係のないこと、といった空気に、ちょっとした違和感。
世界を見渡せば、私たちが当たり前のように享受する平和が当たり前でない地域はたくさんあるし、この日本だって、隣国含む東アジアの緊張感が不用意に高まっている今、平和とは自動的にできるものではなく、私たち一人一人が作り上げていかなければならないという意識を持たなければならないのだと思います。

原爆ドーム (元 広島県産業奨励館)

原爆の子の像に隣接する折り鶴コーナー

平和の灯火から直線上に見るとドームが。

 

広島のお好み焼き屋さんには●●ちゃんという女性の名前がついたお店をよく見かけますが、これは、戦争や原爆で夫を亡くした女性たちが焼け野原から鉄板一つで身を立てたことに由来しているとか。いつの時代にも女性や子ども、昨今だと非正規労働者など、社会的に弱者の人々が犠牲になるということを考えると、資料館で見た言葉“あやまちは繰り返しません”は初めて見る言葉でないような気がしました。戦争に限らず、実は戦後の公害や、昨今の原発事故など、時代を超え、今も形を変えて同じような悲しみが繰り返されていることも忘れてはならないのかもしれません。
                    

今回、2回にわたって、つかの間の休日に見えた広島(市)を紹介しましたが、もっといろんな姿もあるでしょう。
広島はいろんな顔があって、特徴がつかみやすかったですが、昨今、地方に行くと、再開発の結果、高架化されたターミナルに、家電や衣料の大型量販店が軒を並べる結果、どこも同じようになってきて、その土地の特徴がつかみにくくなってきているのが残念。私が広島を訪問したちょうどその頃、戦前から続く駅前の愛友市場が再開発のため取り壊しが始まったばかり。どう生まれ変わっても、広島らしさは失われてほしくないなぁと思います。

そういえば・・・、すっかり人間観察を忘れていましたが、市内の限られた人たちにしかお会いしていない、と前置きした上で・・・。都会なので、人々は一見クールに見えますし、男性の話す広島弁に一瞬、ひるみましたが、Σヾ(゚Д゚|)ノコワッ、慣れたら大丈夫(笑)。いつの間にかそれを忘れる位、ニコニコと瀬戸内スマイルに癒されていました。気づけばこちらも自然と笑顔になるくらい・・・(≡^∇^≡)ニンマリ

お土産のレモン製品(レモンの果汁、塩、ケーキ。なぜかレモンばっかり買ってた・・・)を眺めては、広島で出会った人たちの顔が浮かび、あっ、そっか・・・!

広島のレモンには、きっと・・・、お・も・て・な・Cも入っているのかも?!

今度はゆっくり行くけんね~(^∀゜~☆)

関連ブログ:
広島がイチおし~な理由 vol.1 ~Nature &Exotic mood~

s.shirai

年の瀬に協働について考える ~あるコーディネーターの独り言~ 

こんにちは☆
年末も押し迫った週末。仕事を早めに切り上げ、協働に関する勉強会に参加してきました~。
本日の勉強会で取り上げられる事例がGEOCのある地域の協働取り組み事業だったため、本事業に関わる関係者、GEOC、各地方EPOの皆さんも参加されていました。環境社会学の権威や研究者、沿うそうたるメンバーがずらり・・・。まさにまな板の鯉状態。

私事ながら、会場が母校だったこともあり、見慣れた部屋で、話を聞いているうちに、修論を書いていた時のことがオーバーラップ。

研究で環境保全に係るプロジェクトの事業評価をしていた時、一団体でがんばりすぎる、同じような地域で同じような取り組みがある・・・といった.非効率さに気づき、戦略的に協働・連携するべし!と、考察したことを思い出しましたが、ハッと気づけば我が身。まさか自分がEPOという立場で“協働・連携”の当事者として関わるとは当時は思ってもみませんでした。

EPOがどのように地域の協働協働に関わるか。
今日の会合では、”環境保全はなぜうまくいかないか”(新泉社刊)の著者で、10月の協働取り組み作業部会@札幌(協働取組事業の連絡会in北海道に参加してみたら)の時にコメンテーターとしてご出席いただいた、北海道大学の宮内泰介先生が主宰する勉強会でしたが、札幌の時と同じく、「EPOが関わってよかったですか?」と直球、ド真ん中な質問をここでも投げかけていました。

一同、ドッと笑いがおきながらも、こちらは内心ドッキリ。
そうなんです。事業に応募した団体は環境省というネームバリューとお金以外に、EPOが関わることで何らかのメリットを期待して応募した団体が果たしてどれ位、あったでしょうか。

EPOは世話好きなコーディネーター以上の役割を果たせたのか、環境省のトランスレーション(橋渡し)機能以外にどんなことが提供できたのか・・・思わず頭を回らせてしまいます。
もちろん、各地域、協働のスタイル、段階、事業規模などそれぞれ違うので、こちらから提供するもの、団体が必要とするものは必ずしも同じでなく、どれがいいということはないのですが。

ただ、勉強会の中でも出てきた、”事業を伴奏する中で、半歩でも先を走りつつ、地域全体の動きを俯瞰した中で当該事業を支援する”、ことはどの事業にも共通するだろうなと。
ご意見に納得しつつ、でもそれって、地域の課題や事情、ステークホルダー相関図などが頭に入っていないとできないこと。それをEPOが全てを知っている必要があるか?といったら、短期間だけ突然外からやってきて、地域の人以上に地域のことを知っているわけはないのでムリな話というのに加えて、環境省やEPOの手を離れた後のロードマップを考えると、将来的に地域の主要アクターになるであろう人(団体)や地域のコアメンバー(中間支援組織、NPO)をいずれにしても巻き込んで支援する、つまり、EPO自身こそ、EPO単独の伴奏や支援ではなく、地域のステークホルダーと連携した上で、チームによる支援ができた方がいいのかなと、実際に事業を回しながら実感してきたことです。

EPOスタッフは総じて、
  この人たちとあの人たちをつなげたら、こんな地域ができる・・・
  この動きとあの動きをリンクさせたら、世の中がこう動く・・・
  この課題とあの課題は一緒に議論したら同時に解決できるかもしれない・・・

頭の中でこんなデザインを思い描きながら働いていると思いますが、自分としては、国費を投じた事業へのアカウンタビリティにも似た、最低限の基準をクリアすることに精一杯で、ビジョナリーに事業を捉えて地域を支援していくことに未熟だなと痛感。

この数ヶ月あまり、地域の協働事業を微力ながら伴奏してきた身としては、私たちは団体さんを通じて地域に入り込みことができ、様々な意味で”地域を知る“ことができた一方で、EPOとしてどんなことを提供できたのかを振り返ると、色々と反省も多く、歯がゆさも感じます。

3年後、5年後・・・。地域に”あの時、EPOが関わったことがターニングポイントになったなと、少しでも価値を見いだしてもらえるように、今年度も残りわずかですが、ガンバっていきたいと思います。

s.shirai

ワクワク生まれた!公害資料館連携フォーラム

日本の公害問題と言えば、皆さんは何を思いつきますか?
「水俣病」、「新潟水俣病」、「イタイイタイ病」、「四日市ぜんそく」を思い浮かべることが多いかもしれませんが、
これらは4大公害病と呼ばれるもので、日本にはこれ以外にも様々な公害問題があります。

倉敷市水島地域、兵庫県・大阪府の西淀川地域、川崎市での大気汚染など、
社会科の教科書に掲載されている4大公害病だけに限らず、日本各地では様々な公害が起こってきた歴史があります。
そして、数十年たった今もまだ、終結を迎えていない地域が多いのです。

ところで、公害が起こった各地域の一部には、後世に公害問題を伝えたり、
環境教育を行うための資料館や学習施設があります。

これら資料館は、行政が運営しているもの、民間が運営しているものなど形態は各地で異なっており、
また収集している資料の種類も、閲覧の可否なども含めて違っています。
そのため、地域内でも、地域外でも、ひいては海外に対しての情報発信が不十分で、
公害経験の共有が次世代になされていない現状があります。

そこで、西淀川地域の公害問題に取り組んでいるあおぞら財団が中心となり、
公害資料館のネットワークを作り、各地の公害経験を共有するための協議会を結成することを目指して、
公害資料館連携フォーラムを新潟県で開催しました。(本年度、協働取組推進事業の採択案件

公害資料館連携フォーラムのオープニング


同フォーラムは、初めて、日本各地の公害問題に取り組む関係者が一堂に集まり、
お互いが抱える課題・地域で蓄積されてきた知見を共有し、交流を深める機会となりました。

あおぞら財団では、このフォーラムを開催するにあたって、各地を訪問、ヒアリングしてまわり、
フォーラムを通じて、どのような関係性を構築していくかを模索してきました。

その結果として、フォーラムでは、公害資料館だけでなく、
地域再生や公害・環境教育に取り組むNPO等も当事者となるテーマを掲げ、分科会を用意していました。

「資料館の参加型展示」、「資料の収集・保存・整理/公害・環境教育」、「資料館の運営マネジメント」、
「地域再生」「CSRと公害教育」と多様な分科会の中から参加者は選び、
それぞれの学びを深めていきました。

「CSRと公害教育」分科会の一コマ


「CSRと公害教育」の分科会では、(財)CSOネットワークの黒田さんを迎えて、
ISO26000に基づくSRの点から、企業は公害問題においてコミュニティ(地域)とどのように向き合っていくべきなのか、
ということについて話し合いました。

話題提供として、清流会館の高木さんからイタイイタイ病をめぐる、
三井金属鉱業神岡事業所(神岡鉱山)との関係性について報告があり、他の公害地域と違い、
どうして神岡鉱山は地域と良好な関係が築けているのか参加者からも意見が出てきました。

また、「資料館の運営マネジメント」の分科会では、IIHOEの川北さんを迎えて、
NPO支援施設の運営と人材育成のノウハウから、資料館が学べることをお聞きしました。

現在と3年後の資料館の組織体制を書き出して、その体制を築くために、「理事会がどうなっているか」
「ルールはどうする必要があるか」「人材開発担当は?」「会議の在り方は?」「どのようなところと連携しているか」など、
いくつかの問いに答える形のワークショップを行い、想い・思考を深堀する時間となりました。

公害資料館の連携に向けて宣言!


2日間開催された同フォーラムには、80名を超える人が全国各地から参加し、
休憩の合間も、熱い話し合いが行われていました。

鉄は熱いうちに打て、ではないですが、フォーラムの最後には、
あおぞら財団の林さんから、公害資料館連携ネットワークの立ち上げ宣言がされました。
満場一致、拍手でこの宣言が迎えられ、今後の取り組みが期待されます。

今後、今回のフォーラムをきっかけとして、
経験交流するという点から、ネットワークとして繋がる線へ、そして交流が深まり共通アクションが生まれる面となり、
「日本/JAPANの公害問題」についての旗を立てることを、私も期待しています。


takayuki Ishimoto

広島がイチおし~な理由 vol.1 ~Nature &Exotic mood~

こんにちは☆
インターンシッププログラムの取材で広島に訪れて早いもので1ヶ月、年を越さないうちに・・・。
個人的なことながら、以前、海外で出会った日本人に“広島の方ですか?”と聞かれたことがあるのですが、それ以来、縁もゆかりもなかった広島ってどんな所で人々はどんな人たちなんだろうと、気になっていたこともあり、今回の出張を機会に、ちょっと探ってみることにしました!

ちなみに、たまたま目にした新聞で、広島出身のバレリーナ、森下洋子さんが県民性を「瀬戸内で穏やかな気候のせいか、明るく、前向き。それに広島カープの応援に見られるように情熱的だし、集中してとことんやっていく」と評していました。
当たっているのか、どうか・・・。

今、広島は”おしい!県”という敢えてネガティブ調のキャンペーンを展開中みたいですが、そこは対抗し!“イチお(押)し~!”な魅力を3つ紹介していきます。

イチおし~な理由その① 都会でありながら自然に身近にアクセスできる!
水の都と知られる広島は6本もの川が市内を流れています。駅近くの猿候川、カフェやレストランが立ち並ぶ京橋川。訪れた11月末の紅葉がきれいで、そこまで激寒ではない時期は歩いていて気持ちがよかったです。気づいたのは都会を流れる川なのに、場所によっては川べりまで階段でアクセスできること。緑だけならどんな都会でも見かけますが、さすがに水辺は、人口が密集した都会では安全管理の観点からまず、ありえないっ!ちょっと降りてみよーかと思いましたが、”早まるなっ”と止められそうな気がしたので、止めておきました。( ̄▽ ̄;)

 

市のホームページを調べてみると、どうやら平成16年から始まった河川利用の特例措置により、水辺の有効利用策として、川岸にオープンカフェが実施されるようになるなど、市として、川の町としての魅力を打ち出し始めたよう。そんなワケで、川、水と街は一体となり、それが市民にとっては当たり前の感覚になっているみたいですね。

世界遺産の宮島(右上写真)も、広島市内からアクセスもよく30~40分もあれば、気軽に”上陸”可能!文化・宗教的に神聖な場所であるために、人の手が入らず原始林的様相が保たれる場所が多く、貴重な植物が生い茂り、植生も非常に豊か。そんな貴重な自然が手に届く場所にあるなんて、とっても贅沢です。

イチおし~な理由その② インターナショナルな雰囲気(特にヨーロッパ)を感じられる

広葉樹の落ち葉が舞うカフェと京橋川はセーヌ川沿いのパリみたい。宮島まで”セーヌ川クルーズ”もできます♪ ちなみに広島はパリの雰囲気漂うモントリオールと、宮島はフランス・モンサンミッシェエルと姉妹都市です。

ガレット(クレープ)の代わりにお好み焼き(昔は二つ折りのクレープ風だったみたい)を、クロワッサンの代わりにもみじ饅頭を、夜はオイスターバーへ行けば、何げにパリにいる気分を味わえます♪ 一方で、川べりにアクセスできたり、平和の道など落ち着いた通りはドイツの学園都市にも見えます。実際に、レトロな路面電車に混じって、ハノーバーから送られたというドイツの車体が走っているのを見ると、ドイツの環境都市に見誤る?!勢い。乗り合いバスの発祥の地(京都という説も)である横川駅がこれまたカワイイ。(右上)

国際都市ヒロシマだけに、海外旅行者も多く、地方都市でありながら、多くの外国人を見かけ、東京以上に英語の表示やアナウンスが標準となっているのを実感すると、日本にいながら、どこかヨーロッパにいるような感じがしました。
(無理に例えてしまってスミマセン・・・。本当にそう感じたので。)

イチおし~な理由その③は・・・続く。

s.shirai

岡山ESDツアー 後編

早朝6時・・・。ヽ(´◇`)ノ 眠い目をこすり、お魚調査のために、近くの旭川までやってきました!
イイ大人たちが、濡れるの構わず、川にずんずん入って行きます。旭川は魚種の宝庫と言われるほど、様々な淡水魚が生息しています。
葉っぱや石に隠れる小魚たちを追うことを小1時間。大豊漁!?です。ヾ(@^▽^@)ノ ワーイ

注:通常、ここでは魚釣りはできません。今回はどんな魚たちがいるかを確認した後、放流しました。

一端、お宿に戻り、朝食を済ませてまず始めに向かったのが対岸の福渡地区の公民館。
岡山のESD活動の特徴は、公民館を中心とする取組が盛んであることなので、それを見にきたのが今回のツアーの一番の目的です。

注目したのは、タネピリカという建部町内のコミュニティ情報誌。住人と外から来るひとの交流マガジンです。記事の話題提供者は町のひとはもちろんのこと、町外から来た人たちも執筆しています。手に取った号には福島からの避難してきた方の記事も拝見しました。

印象としては、県外含めて町外から移住してきた多く住んでいらっしゃる感じ。
思ったのは県や市が、外から人を呼び込もうと形だけ作ろうとしても、外からやってきた人が実際に共に生活するのはお役人ではなく、そこに暮らす人々。やっぱり、地元の住人とよい関係が作られてこそ、また来てみたい、住みたいと思えるのではないかと思うのです。長く住むことを考えればとても大事な要素。そういう意味で、タネピリカは内と外をつなぐ貴重な役割を担っていると感じました。
隣接する図書館にもESDの視点から見て推薦できる本のコーナーまで作られていましたよ。

公民館の玄関には福渡の小学生が作った地域マップが飾られていて、商店街にある地域のいろんなお店にインタビューした様子が紹介されていました。

・(銀行)おかねをあんな小さいところでたくさんあずかっているのがすごい。
・(旅館)一かい泊まるのに5500円いる。
・(スナック)曲はなんまん曲もある(←夜のお店にまで・・・笑)

子どもらしい素直な反応に、スタッフ一同、微笑ましく拝見させて頂きました~。

その後、中国自然歩道に位置する、三樹山(南方系と北方系の樹木が同居し、原始的な植生に近い)の麓にある志呂神社、現存する日本一の農業用井堰の「一の口井堰」を見学し、お昼をはさんで、福渡地区の街を散策してみます。

ガイドさんは、前日の交流会にお越しいただいた方。ハンドマイク片手に、自分の小さな頃の街の様子を伝えながら、案内してくれました。とにかく、シニアが元気!!!一つ気になるとすれば、元気なシニア♂は見かけるのですが、女性たちを見かけることがなく・・・控えめなのでしょうか・・・。

商店街を歩いていてすぐ気付くのは、多角経営?のお店たち。玩具、釣具、文具、手芸用品、お菓子、食品・・・結局何でもやん!というコンビニみたいなお店が目に付きました。お好み焼きと靴屋とか不思議な組み合わせも。(お好み焼き食べると靴を新調したくなるのかな?)岡山市内中心部からわざわざ来る人もいる有名なレストランもありました。

ツアー最後にはESDに取り組んでいるユネスコスクールの竹枝小学校にも訪問しました。
赤い屋根と太陽光パネル、シンボルのヤギさんが目印のかわいい学校で、ユネスコスクールにも登録されています。ここでは過疎化、高齢化が深刻で、地域の存続が学校にかかっている・・・という切実な問題がありますが、聞けば、教師一人当たりの子どもが3人弱(全国平均約18人、OECD平均約16人)と、子どもに手厚くケアできる環境になっています。見るからに、子どもが育つのによい環境という印象。

最後は近くの小川でまったり。( ̄。 ̄)ボ~~ッ

たった2日間でしたが、ここに載りきれない色々な経験をさせていただきました。地域も学校も、もちろん公民館もお互いがお互いを必要としている、元々住んでいる人も外から来たひとも、”おらが町””おらが学校”という意識を強く持っている、そんな印象を受け、SDの肝を見させていただいたような気がしました。

開催に尽力いただいたEPOちゅうごくのみなさま、現地のみなさまお世話になりました!有難うございました~。


余談: 駅前の観光案内所でもらった桃太郎物語、今になって読んでみましたが、意外にも感動的なストーリー。(。´Д⊂)

おに”君も、大切なものを守ろうとする気持ちは同じだったではないか。違う形で出会っていたら私たちは友達になれただろう

おに、実はいい奴・・・。桃太郎=善、鬼=悪と決めつけない考えさせるストーリー。ESD的に考えるなら、桃太郎はぜひこちらを~!
s.shirai

クリスマスに寄付について考えてみる。

「クリスマスまでに○人の子どもを救いたい・・・」

こんな寄付広告を見かけた方も多いのでは?
NGO/NPOの寄付ランキングを見ると、10位内には子ども支援や緊急人道支援団体が多くランクインしています。目の前の命を助けるという分かりやすいメッセージに対して人々は共感しやすく、また助けたい、放ってはおけないと思う人が多いことの表れでしょう。

日本人には元来、そういう優しさを持っているので、苦しむ人、困っている人を見れば手を差し伸べるし、そういう活動をしている人々に共感しさえすれば、財布の紐も緩む。寄付文化がないと言われる日本ですが、東日本大震災でそれが顕著に見られたように、いざという時には助け合うという共助の気持ちは欧米に負けず劣らず日本人は深いんですよね。

では、環境分野はどうでしょうか?上記のランキングにはほとんど姿が見えません。震災後、助成金や寄付金は環境系から流れた・・・ということもありました。
環境保全をすることは人の命を守る、人の暮らしを支えることに直結していないのでしょうか?

・・・なわけないですよね。
私たちは自然の恵み、すなわち、生きるための水や食糧、気候調整、雨露を凌ぐために家を作る木材など、いわゆる生態系サービスなしには生きていけません。自然を守るのは自然のためではなく、紛いもなく人間が生きていくためのはずです。途上国では、明日の食料のために森林を伐採したり、非持続的な方法で農作物の栽培をするなど深刻な環境破壊があります。災害に対しても脆弱なため、温暖化の影響を受けやすく、環境を守ることが人間の命や生活を守ることに直結しているのが分かりやすいのですが、日本は、食糧や木材、エネルギーなどの資源は輸入に頼り、高度な防災インフラのおかげで、環境破壊や温暖化による影響が見えにくく、なかなか環境を守ることが自分の命や暮らしに直結するということをイメージしにくいのかもしれません。

そういう意味で、GEOCでお付き合いさせていただいている環境系の団体さんの活動はどれもどれも重要です。

・・・が、果たして自然を守ることの切実さ、重要さを十分人々に伝えきれているでしょうか。
環境のための環境保全になっていないでしょうか。
NGO/NPOには無縁のことと思いますが、温暖化対策といって数値や機械の性能を追い求めることに走っていないでしょうか。

人道支援や緊急支援の団体のコピーを見て、環境系の団体は、時に“人間”の姿が見えにくいPRになっていることに気づくことがあります。

クリスマス、そして歳末助け合い運動のこの時期に寄付したいと思う人も多いことでしょう。
みなさんはどんな団体を応援したいですか?

。o○★ヾ(´∀`*)Merry☆ Xmas(*´∀`)★。o○

(s.shirai)