広島がイチおし~な理由 vol.2 ~Peace~

見上げると、青い空に白い雲。どこにでもある何でもない空。
ここは・・・、68年前に人類最初の原子爆弾が炸裂した青空です。

広島はやっぱりこれを忘れてはいけないでしょう・・・。

イチおし~な理由その③は、“平和の有難さを心から実感できる都市”であること。
美しい自然と都会の便利さを併せもつ広島に、原爆が投下されたのは68年前。原爆ドームをはじめ、生々しい痕跡が数多く、しかも人々の生活の範囲の中で保存され、70年近くたった今も、当時の様子をリアルに伝えています。

無言の叫び、生と死・・・そこだけ止まった時間。資料館の悲惨な展示の数々に、途中でギブアップ。どよんとした重たい空間から抜け出すと、全く違う今の日常の風景(人々の笑い声や街の賑やかさとか・・・)を目にして、悪い夢から覚めたようにホッとして、今は平和なんだよねぇ・・・と。戦争と平和、脅威と安心が隣り合わせのこの空間。通りを挟むだけで、簡単に過去と現在を行き来することができる街。初めて見ると、軽いカルチャーショックです。

数年前、インドのパキスタン国境にある小さな村の学校に行った時、そこの先生から“核保有国であるインドとパキスタンが戦争になれば、最初に巻き込まれるのは自分たち。当たり前と思っている平和は当たり前ではないことを子どもたちに知ってほしい。ぜひヒロシマのことを話して”と急遽、頼まれたことを思い出しました。その時、日本人としてヒロシマのことは常識として知っていないといけないなぁとつくづく思いました。

今も、広島が平和都市の象徴として、世界からも多くの人々の関心を引きつけているのは、人類最初の原子爆弾が落とされた場所で、核問題を考える原点だからということだけではなく、核の脅威は過去のことではなく、残念ながら、今も起きていることという皮肉な側面もあるのではないでしょうか。広島(や長崎)が語る平和ほど、説得力あるものはなく、核廃絶のその声は日本を代表する声になるのだろうと思います。

環境課題は温暖化、生物多様性・・・etc様々なテーマがありますが、どんな活動をするにも、平和であることが前提。平和記念資料館の最初の展示でも、”核の脅威は地球環境が破壊されるだけでなく、人類生存に対する脅威である”と説明していたように、核廃絶を訴えるのは、何も平和や人権団体に限ったことではないのでしょう。

資料館の最後にあったビジターブック。皆、どんなこと書いているのかと覗き込むと、思慮深いコメントもある一方で、
「ラブ&ピース!」 「平和ってサイコ~!」
・・・と、若い人のコメントなのか、戦争や原爆は昔のこと、自分とは関係のないこと、といった空気に、ちょっとした違和感。
世界を見渡せば、私たちが当たり前のように享受する平和が当たり前でない地域はたくさんあるし、この日本だって、隣国含む東アジアの緊張感が不用意に高まっている今、平和とは自動的にできるものではなく、私たち一人一人が作り上げていかなければならないという意識を持たなければならないのだと思います。

原爆ドーム (元 広島県産業奨励館)

原爆の子の像に隣接する折り鶴コーナー

平和の灯火から直線上に見るとドームが。

 

広島のお好み焼き屋さんには●●ちゃんという女性の名前がついたお店をよく見かけますが、これは、戦争や原爆で夫を亡くした女性たちが焼け野原から鉄板一つで身を立てたことに由来しているとか。いつの時代にも女性や子ども、昨今だと非正規労働者など、社会的に弱者の人々が犠牲になるということを考えると、資料館で見た言葉“あやまちは繰り返しません”は初めて見る言葉でないような気がしました。戦争に限らず、実は戦後の公害や、昨今の原発事故など、時代を超え、今も形を変えて同じような悲しみが繰り返されていることも忘れてはならないのかもしれません。
                    

今回、2回にわたって、つかの間の休日に見えた広島(市)を紹介しましたが、もっといろんな姿もあるでしょう。
広島はいろんな顔があって、特徴がつかみやすかったですが、昨今、地方に行くと、再開発の結果、高架化されたターミナルに、家電や衣料の大型量販店が軒を並べる結果、どこも同じようになってきて、その土地の特徴がつかみにくくなってきているのが残念。私が広島を訪問したちょうどその頃、戦前から続く駅前の愛友市場が再開発のため取り壊しが始まったばかり。どう生まれ変わっても、広島らしさは失われてほしくないなぁと思います。

そういえば・・・、すっかり人間観察を忘れていましたが、市内の限られた人たちにしかお会いしていない、と前置きした上で・・・。都会なので、人々は一見クールに見えますし、男性の話す広島弁に一瞬、ひるみましたが、Σヾ(゚Д゚|)ノコワッ、慣れたら大丈夫(笑)。いつの間にかそれを忘れる位、ニコニコと瀬戸内スマイルに癒されていました。気づけばこちらも自然と笑顔になるくらい・・・(≡^∇^≡)ニンマリ

お土産のレモン製品(レモンの果汁、塩、ケーキ。なぜかレモンばっかり買ってた・・・)を眺めては、広島で出会った人たちの顔が浮かび、あっ、そっか・・・!

広島のレモンには、きっと・・・、お・も・て・な・Cも入っているのかも?!

今度はゆっくり行くけんね~(^∀゜~☆)

関連ブログ:
広島がイチおし~な理由 vol.1 ~Nature &Exotic mood~

s.shirai