年の瀬に協働について考える ~あるコーディネーターの独り言~ 

こんにちは☆
年末も押し迫った週末。仕事を早めに切り上げ、協働に関する勉強会に参加してきました~。
本日の勉強会で取り上げられる事例がGEOCのある地域の協働取り組み事業だったため、本事業に関わる関係者、GEOC、各地方EPOの皆さんも参加されていました。環境社会学の権威や研究者、沿うそうたるメンバーがずらり・・・。まさにまな板の鯉状態。

私事ながら、会場が母校だったこともあり、見慣れた部屋で、話を聞いているうちに、修論を書いていた時のことがオーバーラップ。

研究で環境保全に係るプロジェクトの事業評価をしていた時、一団体でがんばりすぎる、同じような地域で同じような取り組みがある・・・といった.非効率さに気づき、戦略的に協働・連携するべし!と、考察したことを思い出しましたが、ハッと気づけば我が身。まさか自分がEPOという立場で“協働・連携”の当事者として関わるとは当時は思ってもみませんでした。

EPOがどのように地域の協働協働に関わるか。
今日の会合では、”環境保全はなぜうまくいかないか”(新泉社刊)の著者で、10月の協働取り組み作業部会@札幌(協働取組事業の連絡会in北海道に参加してみたら)の時にコメンテーターとしてご出席いただいた、北海道大学の宮内泰介先生が主宰する勉強会でしたが、札幌の時と同じく、「EPOが関わってよかったですか?」と直球、ド真ん中な質問をここでも投げかけていました。

一同、ドッと笑いがおきながらも、こちらは内心ドッキリ。
そうなんです。事業に応募した団体は環境省というネームバリューとお金以外に、EPOが関わることで何らかのメリットを期待して応募した団体が果たしてどれ位、あったでしょうか。

EPOは世話好きなコーディネーター以上の役割を果たせたのか、環境省のトランスレーション(橋渡し)機能以外にどんなことが提供できたのか・・・思わず頭を回らせてしまいます。
もちろん、各地域、協働のスタイル、段階、事業規模などそれぞれ違うので、こちらから提供するもの、団体が必要とするものは必ずしも同じでなく、どれがいいということはないのですが。

ただ、勉強会の中でも出てきた、”事業を伴奏する中で、半歩でも先を走りつつ、地域全体の動きを俯瞰した中で当該事業を支援する”、ことはどの事業にも共通するだろうなと。
ご意見に納得しつつ、でもそれって、地域の課題や事情、ステークホルダー相関図などが頭に入っていないとできないこと。それをEPOが全てを知っている必要があるか?といったら、短期間だけ突然外からやってきて、地域の人以上に地域のことを知っているわけはないのでムリな話というのに加えて、環境省やEPOの手を離れた後のロードマップを考えると、将来的に地域の主要アクターになるであろう人(団体)や地域のコアメンバー(中間支援組織、NPO)をいずれにしても巻き込んで支援する、つまり、EPO自身こそ、EPO単独の伴奏や支援ではなく、地域のステークホルダーと連携した上で、チームによる支援ができた方がいいのかなと、実際に事業を回しながら実感してきたことです。

EPOスタッフは総じて、
  この人たちとあの人たちをつなげたら、こんな地域ができる・・・
  この動きとあの動きをリンクさせたら、世の中がこう動く・・・
  この課題とあの課題は一緒に議論したら同時に解決できるかもしれない・・・

頭の中でこんなデザインを思い描きながら働いていると思いますが、自分としては、国費を投じた事業へのアカウンタビリティにも似た、最低限の基準をクリアすることに精一杯で、ビジョナリーに事業を捉えて地域を支援していくことに未熟だなと痛感。

この数ヶ月あまり、地域の協働事業を微力ながら伴奏してきた身としては、私たちは団体さんを通じて地域に入り込みことができ、様々な意味で”地域を知る“ことができた一方で、EPOとしてどんなことを提供できたのかを振り返ると、色々と反省も多く、歯がゆさも感じます。

3年後、5年後・・・。地域に”あの時、EPOが関わったことがターニングポイントになったなと、少しでも価値を見いだしてもらえるように、今年度も残りわずかですが、ガンバっていきたいと思います。

s.shirai