“生きもの語り”で歴史トリップ!大人の食育セミナー

9月27日(金)は、NPO法人武蔵野・多摩環境カウンセラー協議会さん主催、

「生きもの語り 日本の食の深い味わい方」セミナーでした。

講師に林 鷹央先生、徳永 亜由美先生をお迎えして、
縄文から現代まで、動物や植物という生き物と、私たち人間は
食を通してどのように関わってきたのか、教えて頂きました。

地球上の生物のうち8割は陸に住む。全てが海だったら…

「地球上に存在する生き物のうち、より多くの種類が生息するのは、
陸と海どちら?」というクイズからスタート。

地球上の生物種のうち約8割が存在する陸。
今回は陸上生物の中でも、鹿・昆虫・稲・梅について取り上げてくださり、
知られざる効能や神事、民謡との関わりなどをお話し頂きました。

平家の落人をうたった「麦や節」

ところで、皆さんは鹿の肉を食べたことがありますか?

日本人は縄文時代、狩猟により、今は考えられないような動物でも、
ある程度の大きさの動物は大体食べていたそうです。

それが仏教伝来など、様々な出来事により淘汰され、
今は豚・牛・鶏以外はあまり口にすることもありませんね。

身近な鹿という動物は日本人にとってどんな存在だったのでしょう?

それは例えば、「そんでこ節」など日本の民謡などから
読み解くことができるそうです。

自分たちのご先祖様が生き物とどう付き合ってきたか、
歌から知れる、というのは趣深いですね。

お米の先祖 マコモ

さて、お米よりも古い穀物があるってご存知でしたか?

古代米の赤米、黒米などはその栄養価から見直されていて
通販などで目にする機会もありますが、
マコモは初めて聞く方も多いのではないでしょうか。

今でも出雲大社では、涼殿祭(すすみどのまつり、別名マコモの神事)にて、
マコモの上を宮司さんが参進祈念する行事を見ることができます。

敷かれていたマコモを頂くと、病気などの災いを避けられるのだとか。
神様と人間をマコモが繋いでくれていたのですね。

マコモを利用したビオトープ

山梨県などでは、田の入り口やビオトープに見ることができるそうです。

水質浄化にも役立つマコモですが、群生すると背も高いので
「やっかいもの」になってしまい、昔は身近でしたが、
今はレアな存在に変わってしまったとのこと。

ご先祖様方がどのように付き合ってきたかを知ることで、
植物や動物たちと今後どのように付き合っていくのが、
私たち世代と未来世代の幸せにつながるのか、
ヒントを頂いたセミナーでした!

Yuriko Sugiyama