これからの教育・学びについて若者で話し合うフューチャーセッション「ずっと続く学校ってどんなカタチ?」を開催しました!Part3

Part1、Part2では皆さんから学校に対する問題意識についてシェア頂きました。
では、「未来の学校」の姿はどのようであったら良いでしょうか?
グループで考えていく前に、ゲストからヒントを頂きます。



場所と時間の制約をとり払ったメディアで、
良い教育実践を知の還流づけるつながりをつくっていく


















住吉:
「物質がとる構造には動構造、静構造など様々あるが、散逸構造を例にとって説明したい。例えばろうそくは止まっているように見えるが、物質の出入りがあり、1つの構造を保っている。きっと人間の生命体としての良い状態もそういう状態で、組織もそういう新陳代謝があるのが良い組織体だと思っている。学校に関しても、ありとあらゆるところでそれをやっていくべきだと思う。そのような取組みは、本当は楽しいことだと思うが、実際外から入るのは大変で、ある種詰め込みをしないといけない時もあると思うが、色んな立場の人が協力しながらできたら良いと思う。
EDUPEDIAの活動で言うと、インターネットは場所と時間の制約をとり払ったメディアだと思っている。学校と他の主体を時間軸でもつなげるし、地域と全国をつなげることもできる。良い教育実践を知の還流づけるようなサークルが出来ればと思っている。」




公的な仕組みから漏れている子どもたちを包摂していく、しくみをつくる

















李:
「私の立場から申し上げると、学校というしくみ自体から排除されている子どもたちが多い。
定時制高校も、近年その志願倍率が高くなっているため、学校への入学はかなわず、働きにも行けずに家に引きこもっている子がたくさんいる。そういった子どもたち全員が、自分の目標をもち、社会に包摂されていく機能を学校が担うべきで、そういう機能を持って初めて公教育の公性が支えられる。
しかし学校の先生が子ども個別の問題に答えられず、子どもが排除されているのが現状。
貧困や格差の問題にとどまらず、LD・ADHDなど特別な支援が必要な子、家庭環境が複雑な子、そういった個々のニーズに対して、一人の担任の先生がすべて応えるのは無理。では公的な機関がサポートしているかというと、ソーシャルワーカーなど出入りしてはいるが、セーフティーネットとして、一人一人の問題を拾いあげられているかというとそうでもない。ある区ではフリースクールがない、ソーシャルワーカーは1人で50校回っているなどの状態で、子どもたちを救い切れていない。
公的な仕組みから漏れている子どもたちを如何に包摂していくか、どのしくみで担保していくかは、未来の教育に必ず必要になってくる。
それを学校だけで、雪だるま式に先生の仕事を増やすことによって取り組むのではなく、学校を中心に民間やNPO等、多様な主体と連携して子どもたちを支えていくしくみとしてのサポートが求められていると思う。」

















住吉:
「それを実現するために、本質的に物事を考えてプロデュースできる人材が必要になる。藤原和博先生の夜スペが、“塾の月謝が高いのは、土地代と集客のプロモーションにお金がかかるからで、学校でやればそれはいらない。”と実現したように、そういうどこか暗黙の前提にしている部分を疑って、別のものと組み合わせて新しいアイデアを生み出す発想が出来るプロデューサーが必要だと思う。ただ、子どもの人生においてその瞬間の教育はとても重要なので、何でもかんでもビジネスベンチャーみたいにやればいい訳ではない所が、難しい。」



教科横断的・問題解決的な学習指導方法を共有する
教員が指導観を変革し、新たに必要になってくる資質を身に付ける


















手島:
「学校の先生も教えることばかり考えていてはダメ。校長も同じで、構想力が求められてきている、ということを思った。
知の還流という話もそうだが、これまで知識の詰め込みをやってきた。知識の徹底も大切だが、問題解決能力も育てる、ハイブリッドでやっていくことが大切。一方だけで良いという問題ではない。そういう授業を普段の授業を活かしながら、どう教えるかが重要。
教科の時間にその教科のことをどう学習するかに加えて、次の学習、となりの教科にどう活かしていくかが大事。
つまり教科横断的な学習をどうつくるか、ということ。これは10年の間、言われてきた。
ただそういう授業のやり方が、共有されていないことは問題だなと思っている。
もう1つ言うと、学校の価値が低下している。
学校に、各専門分野の高い知見を如何にとりこんでいくか。コーディネータの資質が教員に求められる。無理なら外からコーディネータを呼ぶ手もあるが、教師自身が、そういう資質を持つことが重要である。教育の本質を理解していて初めてそういう能力が役に立つ。」



さて、学校を取り巻く環境は様々で、問題も様々ありました。
学校を取り巻く、関係者間のつながりがないことで、
学校の先生は書類作成、会議、保護者対応等、多くの業務に追われ、学びの場が疲弊しています。
今後、様々な人が地域で一体となって学びの場を作っていく、
色んな素材を組み合わせることで、自分たちで問題を統合的に解決していくような場が、未来の学びの場であるように思いますが、皆さんはどう考えますか?
ラストPart4では、参加者の皆さんが考える「未来の学校のカタチ」について
報告します!
(Part4へ続く)




Yuriko Sugiyama