「生物多様性の日」シンポジウム開催報告

すっかりご報告が遅れましたが・・・

去る5月22日、GEOCの入っている国連大学にて「国際生物多様性の日シンポジウム『つながりと個性を活かした 自然と共生する島づくり』」が開催されました。

国連大学で2番目に大きなホール、エリザベス・ローズ会議場がほぼ満席になるほどの盛況ぶりに、生物多様性への注目度の高さを感じずにはいられませんね。

当日のレポートと配布資料の公開は、近日中に国連大学のWEBサイトに掲載されますので、そちらをご覧いただくとして、当日の様子をGEOC部隊の動きとともに振り返ってみたいと思います。


朝10時半に集合したGEOC部隊。「生物多様性広報パネル」を設置しつつ、受付ブース設営。今回たまたまではありますが、力作業はすべて女子!笑
ちなみに、展示したパネルは下の画像からもご覧いただけます。(PDFが開きます)


GEOCでも頻繁に展示パネルを制作しますが、生物多様性は写真素材も豊富でグラフィカルな仕立てが可能なうえ、テーマも比較的わかりやすいのが特徴です。「パネルはこうでなくっちゃ」というお手本のようなパネルをしげしげと眺めて、一旦撤収。

12時半にふたたび集合した我々は、配布資料や会場設営、機材確認、登壇者のお迎えなどをして、いよいよ開場!瞬く間に会場は埋まっていきます。各方面へのプロモーション活動が功を奏したようで、本当にありがたい限り。

今年は国際テーマである「島と生物多様性」にちなみ、『つながりと個性を活かした 自然と共生する島づくり』と銘打ったシンポジウムですが、登壇者のラインナップもユニークでバラエティーに富んでいます。

プログラムは下の画像からもご覧いただけます(PDFが開きます)


●まず、トップバッターは、国連大学上級副学長武内和彦氏。
「慶良間諸島国立公園から見るレジリエントな島づくり」と題した基調講演では、昨年度、釧路湿原に次いで27年ぶりに国立公園に指定された慶良間諸島の評価ポイントについて紹介するとともに、これを弾みに今後、奄美琉球地域の世界自然遺産への登録を目指すと方向づけました。

>>>環境省による慶良間諸島国立公園の紹介>>>こちら

ちなみに慶良間諸島は、沖縄海岸国定公園から慶良間諸島国立公園へ国立公園といわば格上げになったわけですが、国定公園と国立公園の違いはご存知ですか(そんなの知ってるよ!という方は読み飛ばしてくださいね)。

国立公園も国定公園も「自然公園法」によって保護されるわけですが、国が定めた自然公園で、国の予算で管理・保護するのが国立公園。一方、都道府県が管理・保護するのが国定公園になります。つまり、保護するためのお財布が違ってくるわけですね。

さて、基調講演につづく事例紹介では、以下の3名の方が登壇されました。

北海道大学大学院教授桜井泰憲氏は、「知床・対馬・三陸の海」と題し、今海の中の生態系で何が起きているかを、日本の沿岸地域の事例を中心にプレゼンテーションし、「持続的沿岸漁業と海洋の生物多様性の保全との共存」を訴えました。

>>>環境省による三陸復興国立公園の紹介>>>こちら

NPO法人黒潮実感センター長神田優氏は、「足摺宇和海国立公園 柏島における多様な個性をつなぐ持続可能な里海づくり」と題してプレゼンテーション。
四国西南端に位置する柏島は、その豊かな生態系と高い透明度の海のために、ダイビング愛好家たちにも人気のスポットであることから、漁業と観光業の共存を目指した「島がまるごとミュージアム」という構想について熱く語られました。GEOC/EPOの事業のひとつに「地域活性化を担う環境保全活動の協働取組推進事業」がありますが、まさに「事件は現場で起きている!」の好事例と言えそうです。

>>>NPO法人黒潮実感センター>>>こちら

奄美市市民部長前里佐喜二郎氏は、「結(ゆい)の島奄美」と題して、奄美の地理的条件、歴史や文化、自然について話しました。日本の国土面積のわずか0.3%でしかない奄美諸島に、日本の希少野生動植物のうち10%が生息しているという事実は驚きですね!その状態を前里氏は「東洋のガラパゴス」と表現していました。

>>>奄美諸島でエコツーリズムを実施する「NPO法人すみようヤムラランド 」>>>こちら

カジュアルブログにしては、少々長くなってきましたので、事例紹介につづきパネルディスカッションは少し駆け足でご紹介します。

●パネリストは、既出の3事例のプレゼンターのほかに、自然教育研究センター取締役古瀬浩史氏と、離島経済新聞社主催・編集長鯨本あつこ氏が加わります。


この離島経済新聞社は、6852島からなる日本にある、約430島の有人離島情報専門のウェブマガジン『離島経済新聞』(略称:リトケイ)と、タブロイド紙『季刊リトケイ』の運営・発行を中心に活動しているのですが、このリトケイがとってもユニークな媒体で、これはぜひみなさんにも見ていただきたいです!リンクをはっておきますので、ぜひご覧ください。

>>>離島経済新聞>>>こちら



長いブログにお付き合いいただきありがとうございます。
詳しい(=正式な)レポートがサイトにアップしたら、GEOCサイトでもご紹介します!
しばしお待ちくださいませ。

投稿 s.fujiwara