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環境保全活動・環境教育推進法”に関する意見交換会 「第1回:基本方針についての説明・意見交換会」議事録3 2012年1月28日

環境保全活動・環境教育推進法”に関する意見交換会
―基本方針の策定に向けて-
「第1回:基本方針についての説明・意見交換会」議事録
(Page 3)

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第2部 グループディスカッション 基本方針に何を盛り込むべきか
全体でのディスカッションを踏まえて、以下の5~6人の5グループに分かれてテーマ別グループ・ディスカッションを行なった。

  • プロセスについて
  • 国・行政の役割について
  • 定義について(1)
  • 定義について(2)
  • 人材登録について

 

○司会・伊藤:

では、時間になったのでグループ発表をお願いします。

発表1:プロセスについて

 発表者:NPO・林氏

  • いくつか皆さんとシェアしたいと思う。まず最初に、多くの人に関心を持ってもらうことから始めよう、ということがある。先ほどからの発言にもあるように、この法律は、現場とのギャップが大きすぎる。もっと現場のより多くの市民、つまりその辺のおじさん、おばさん、みんなに伝えるところから、何らかの形で始めなければいけないのかなと思う。そのためにはいろいろな工夫がいるよ、ということ。
  • それから補助金に頼るなという話と、うまく利用すればいいじゃないか、という両方の意見がある。
  • それから3番目、これは大事なことだが、この法律の中では一見パートナーシップがうたわれているように読めるが、カラーのパンフレットの最後の一番下を見ればわかるように、この法律そのものでは、国や自治体と市民・NPOとのパートナーシップが省かれており、これは意図的だと感じる。そのあたりのことを注意するとともに、基本方針を決めるプロセスやその他のことを考えるプロセスに、ぜひ他の省庁にも加わってもらうような形を要求すべきではないか。ちなみに、この前出た日本環境協会発行の『かんきょう』11月号には、他の省庁のコメントがそれぞれ短いが出ていた。それぞれの省庁のどこが担当しているのかが、あれで初めてわかった。『かんきょう』誌を、ぜひご覧いただいたらと思う。
  • それから最後に、政策評価法という法律が既に動いている。そういうものの評価に耐えるようなものに、この法律の運用をすべきだと思う。大きくいうと、このような4つの論点が出た。

  ※参考資料
  雑誌「かんきょう」の当該ページ
  出典:「かんきょう11月号」(2003年11月1日発行)
  編集:(財)日本環境協会、 発行:株式会社ぎょうせい

Page1(クリックすると拡大できます)

Page2(クリックすると拡大できます)

○ファシリテーター・青木氏:

うまくまとめていただいてありがとうございました。今みたいな感じで3分弱で次のグループをお願いしたいと思います。

 

発表2:国・行政の役割:

 発表者:NPO・村上氏

  • 国の役割と行政の役割とは、というので話したチーム。この法律ができることによって、自治体や行政にも、環境学習や環境保全活動を進めることが必要になってくるということで、それが地域で行われている活動のブレーキになる面と、後押しになる面と、両方あるということが最初に言われた。
  • ブレーキになるという点では、例えば自然エネルギーを推進する法律ができたが、それによってかなりの活動がそっちにシフトしてしまい、反原発の運動のほうが逆にオミットされてしまったりとか、今回も環境保全活動の中身というのが、ゴミ拾い(?)だとか木を植えるということには力を入れられているが、例えば反産廃の運動など、行政にものを言っていく、もしくは調査・研究をしていく活動にお金が流れないことによって、元気がなくなる、人が集まらなくなっていくという可能性がある。この辺をヘッジすることが必要だという話が出た。
  • 後押しになるというほうは、河川法の改正の際にパートナーシップ・市民参加がうたわれたことで、河川に関する活動がかなり底上げできたという事実がある。だからこういう利用法があるのではないかと。ただ、後押しになる一方で、お金がたくさん流れることでバブルが起こり、それが利権につながってしまって、例えば先ほどあげた自然エネルギーなどにお金や人がシフトしてしまって、本来やっていた大事な反対運動などの元気がなくなるという悪い効果もあるので、そこも改良しないといけないだろうということ。
  • 行政だけが支援策を検討して進められてお金が付いても、行政だけでは市民活動や環境学習の現場をわかってない方も多いし、担当者が変わるとゼロリセットになってしまう。そういうなかで、行政だけでやっていると形だけになって無駄なお金の使い方になってしまうので、民間ときっちり連携して施策をつくり実施していくことが重要。これは法律の中にも書かれていることなので、その記述を活用しながら行政に働きかけていくというのをNGO側としては活用していくという視点が必要。あと、国の取り組みのところでは民間との連携がきちっと書かれているが、自治体には書かれていないので、その辺を基本方針でどうバックアップしていけるかということも関心として出た。

発表3:定義1

 発表者:NPO・藤村氏

  • いろいろな定義が出たが、ほぼ合意ができた点を。まず最初に「持続可能な社会に向けた環境教育」というのは非常に範囲が広い。環境だけでなく経済的な視点、人間社会的な視点も必要だから、人権とか民主主義についても学ぶ必要があるのではないか。あるいは工業の概念を変える人材育成だって環境教育に入るのではないか。あるいは世代間のギャップを埋める、社会のシステムそのものを変えるような環境教育も必要ではないか。合意ができた点は、みんなやはり上っ面の環境問題について学ぶような環境教育ではなく、価値観とか社会・経済の仕組みまでも踏み込んだ環境教育こそ持続可能な社会に向けた環境教育ではないかという話が出た。ただし、それぞれの年齢でそこまでいくのは難しいだろうが、少なくとも指導者やリーダーはその頂点(?)をちゃんと見極めておくべきだろう。
  • そこで持続可能な社会とはどんな社会かという話になったが、そこが今のところなかなか明確ではない。それこそ日本の国家目標として、しっかり定めておくべきではないかという意見が出た。環境省の方からは「それを環境省だけでやるのはしんどい」という話が出たが、そうではなくて環境省なりに「持続可能な社会とはこういう社会」というのをモデルとして出してもいいのではないか。それをまさにこういう場で議論して出してもいいのではないか。環境教育というのはそれ(持続可能な社会)を支えるもので、非常に大きな役割を持つものなので、先ほどはこの法律に頼る必要はないという意見もあったが、頼るのではなく、これを盾にどんどん進めていこうじゃないか、環境省がんばれよ(?)、という話になった。

発表4:定義2

 発表者:NPO・金光氏

  • 定義のグループが2グループあってよかった。私たちは、定義に関しては今書かれている狭義でいいんじゃないかというのと、「持続可能な開発のための教育の10年」という広いところを網羅するべきだというので分かれた。結局行き着いたのは、学校、企業などによって環境教育でやることが違うのだから、生涯にわたり発達段階ごとに何をやったらいいのか体系づけた、モデルのようなものを提示する必要があるのではないか。
  • 唯一みんながうなずいたのは、この法律は新しい法律ではなく、既存のシステムを活性化するための法律であることを、基本方針に明確に盛り込むべきではないかということ。何か新しいことをやらされるというより、使っていこうというふうにしたい。
  • 狭義の定義はわかりきっているので、今回はESDの10年(持続可能な開発のための教育の10年)などを入れるという野心は持たないほうが苦労しなくていいかと思う。ただし、そういうことも見据えながら推進していくなどと(基本方針に)書いておくことによって、3年後、5年後の見直しのときのきっかけになるのではないか。環境基本法との連携をもとに見直すべき。環境省でも、他分野とのつながりを検討したうえで、環境基本法や環境教育が何をやっていくかという議論が始まっているそうなので、そうしたタイミングを見極めてうまくつなげていく。
  • また、基本方針のレビューを毎年やるといいのでは、という定義から少し離れた意見も出た。

発表5:人材登録

 発表者:NPO・八木氏

  • そもそも登録制度のことがよくわからなかったので、環境省の方にまず質問をさせてもらった。この制度をつくった背景にあるのは、民間が資格を与える事業をやっているところを国とか地方自治体は公的に認める形をとる、というのが基本的な姿勢でこの条文ができている、という説明を受けた。
  • 東京都のほうでも環境学習リーダーなどの登録制度があるが、実際にはほとんど使われていない。やはり地域の中で「これについてはこの人に聞くといい」というような情報のほうがはるかに意味があるので、登録してもほとんど使われることがない。だから登録制度をもしつくるならよほどハイレベルにして、「この人なら間違いない」というものにするという意見と、もうひとつは、自然とのふれあいというのは低いレベルでたくさんの人がやったほうがいいという意見もある。一方で、登録制度が使われるのかどうかという問題もある。
  • もうひとつ懸念があるのは、教科書に文科省の検定をつけるかというような問題だが、象徴的に言えば、原発や環境にやさしいかどうかというところで、検定済みなのかという基準が出てくるとやっかいなことになる。文科省が検定済み教科書をつくりたいように、環境省としては、いろいろな研修が行われ、いろいろな資格で環境教育の主体があっても、その中でこれだけはダメだというのを選びたいという話だが、果たしてそれがうまくいくのか。要するに、教科書の検定が必要かどうかというのと同じところに問題が起きてくるのではないか。

○ファシリテーター・青木氏:

というわけで、5グループ分の発表をしていただき、ありがとうございました。いくつかの提案が出てきた。冒頭で説明したように、今のご発言を議事録にして全国に流し、それをきっかけに全国のこういう議論を活発にしていきたいというのが主催者のねらい。主催者からのウェブの書き込みについて説明を。

○司会・伊藤:

時間が足りず消化不良で申し訳ない。こうしてNPOの方に大勢お集まりいただいても意見が分かれるが、そうした意見を今後も1月くらいまでの間にお寄せいただきたい。それをまとめて環境省に出したいというのがこちらの趣旨。今日の議論の議事録を全国に向けウェブで公開する。ウェブを見た方が、こういう意見があったんだなと参考になると思う。写真も解像度を落として使いたい。メールアドレスをいただいている方も多いので、写真も事前に確認してから本番公開とする。写真は困るという方がいたら調整したい。そうした扱いにするので、よろしく。

○会場より

個人的に記録をとった人は、その情報をどう扱うべきか。以前に類似のケースで、本意と異なる議事録を勝手にホームページで公開され、嫌な思いをしたことがあるので。個人的にホームページに掲載する場合も、発表の際、特に個人名を出す場合のルールをどうするか。

○司会・伊藤:

議事録発表は構わないが、発言の趣旨が正しく伝わるとは限らないため、発言者に対してひとこと断ってほしい。

○NPO・関氏:

皆さんの連絡先を知らない。確認のしようがない。事務局が肩代わりしてほしい。

○石井氏:

それは悪いでしょ。個人名は出さずに常識の範囲でやればいいだろう。

○NPO・関氏:

ネチケットに気を配り、本人の確認を取らずに出さないことにしよう。

○全員:

了解

○司会・伊藤:

事務局以外の議事録にも、場合によってはリンクを張るなどしよう。つくった方は連絡をほしい。

○NPO・林氏:

感想文を送ってもらえば、私のページにもリンクを張ろう。

○ファシリテーター・青木氏:

今日は第1回目ということで、ご協力ありがとうございました。第2回は、もう少し議論を積み立て提言にできるような進行を考えている。時間枠は3時間。進行のあり方についてご意見があればこの紙に書いて提出してください。

○司会・伊藤:

次回は1月15日。議事録の公開は12月上旬を予定している。ぜひ皆さんのほうで意見を活発にしてこちらに上げていただきたい。ありがとうございました。

以上

(記録:須藤・小島、html作成:伊藤)


○事務局より
“環境保全活動・環境教育推進法”の基本方針策定について、現在EPO/GEOCでは広く全国の皆さん、特に環境保全や環境教育を実践されている方のご意見を募集しています。以下の意見シートをダウンロードして、電子ファイルに直接意見を書き込み、EPOまでお送りください。いただいたご意見は、EPO/GEOCで集約した後、環境省へ基本方針策定のための参考材料として提出いたします(これは、NPOの方々の任意の活動を妨げるものではありません)。

■意見シート提出要領

○期 限:

2004年1月6日(火)12:00

○方 法:

■PCの場合:
以下のファイルをダウンロードし、ファイルにPCで入力し提出してください。

○送り先:
epo@env.go.jp

■手書きの場合:
PCの無い方は、こちらのPDFファイルをダウンロードし、手書きで記入し、以下までご郵送(又は持参)ください。

○送り先:
環境パートナーシップオフィス
150-0001
東京都渋谷区神宮前5-53-67 コスモス青山B2


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