持続可能な開発セミナー 概要 2012年1月14日

GEOC連続セミナー

「持続可能な社会」ってどんな社会?現在の課題を解決して、私達が目指そうとしている社会のイメージを語り合いましょう。セミナーの話題提供者や参加者にコメントいただきました。


松下 和夫氏
(京都大学大学院地球環境学堂人間・環境学研究科教授)
Q1)持続可能な社会のイメージは?
よく引用される定義は、ブルントラント委員会報告書(1987年)の「将来の世代のニーズを満たす能力を損なうことなく現在の世代のニーズを満たすこと」です。この定義はきわめて簡潔です。  
Q2)持続可能な社会に向けてどういう取り組みを実施していますか? 上の実現方法として、「天然資源の開発の方向、投資の方向、技術開発の方向付け、制度の改革がひとつにまとまり、現在および将来の人間の欲望と願望を満たす能力を高めるように変化していく過程をいう」とも解説されています。まさに社会の仕組み・制度・技術・お金の流れを変える、そしてそれを地域から、そしてできる限り知恵と情報を共有して進めるプロセスが重要なのです。
平田 仁子氏
(特活)気候ネットワーク

 

 

Q1)持続可能な社会のイメージは?
世界中の人々が自然に循環できる範囲内で資源や大気を平等に享受できる社会。今は自然の循環のレベルをはるかに超えています。。。  
Q2)持続可能な社会に向けてどういう取り組みを実施していますか? 気候ネットワークの活動は、持続可能な社会の中でも、大気の問題に取り組んでいます。人類が石油や石炭などの化石燃料の大量利用を前提とした社会を続けている限り、またそうした発展を途上国も求めていこうとする限り、持続可能な社会はありえません。気候ネットワークでは、日本が国内のエネルギー利用を大幅に減らしながら自然エネルギーへ転換していく経済社会の変革を進めるべく政策提言や実践行動を行うと共に、世界全体で地球規模の温暖化問題に解決していくために、他国のNGOと協力しながら国際的な枠組み作りなどへのロビー活動を進めています。
尾崎由嘉 氏
(特活)グリーンピースジャパン

 

 

Q1)持続可能な社会のイメージは?
 
Q2)持続可能な社会に向けてどういう取り組みを実施していますか? 持続可能な社会は、衡平性が保たれたものであるべきで、すべての人間、民族、世代が自然環境からの恩恵を公平に受ける社会が成り立つことが重要です。こうした社会を目指し、現在、グリーンピース・ジャパンでは様々な環境問題に取り組んでいます。適切でないエネルギーの利用によって引き起こされ、主に先進国にその責任がある危険な気候変動の防止のためには、自然エネルギーの利用推進、開発金融のグリーン化、深刻な放射能汚染を招く使用済み核燃料の再処理政策を転換させることに取り組んでいます。また、先進国が絡む商業伐採は、地元住民の生活を無視した原生林破壊の大きな要因となっており、木材消費側の対策としてFSC(森林管理協議会)認証製品などの代替推進に取り組んでいます。将来の世代に負荷を残さないために、自然資源の無駄遣いや化学物質による汚染をなくしていくゼロ・ウェイスト政策の推進も行っています。そして、人間が引き起こす最大の環境破壊である戦争に反対する平和な社会を目指し活動しています。

 

グローバルな課題を理解し、各地域・各テーマでより効果的に活動するために

各地・各団体の環境保全活動は他の活動や「持続可能な開発」という概念とどのような連関性を持っているのでしょうか。今回の一連のセミナーは、グローバルな流れと地域活動のつながりを見つけるために企画しました。国連を中心に取り組まれてきた地球規模での動き(歴史やヨハネスブルグサミット、その関連の条約)などについてまず捉え、また各団体の具体的活動とその連関性はどのようになっているか考え、各団体活動の位置や使命を再確認することを目的としています。これによって環境・開発問題に関してのさまざまな視点を養い、また連携やさらなる発展の可能性を見出すことが期待されます。

主催

○地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)
○環境パートナーシップオフィス(EPO)
○環境省関東地区環境対策調査官事務所