令和元年7月19日「SDGsで考える企業と地域の協働セミナー」を開催しました 2019年9月3日

開催概要

環境省では毎年、白書のテーマやねらいを環境省の担当者が解説する
「環境白書を読む会」とあわせて、標記のセミナーを開催しました。

○日時:令和元年7月19日(金)
    15:10~16:40

○場所:東京ウィメンズプラザ 1F 視聴覚室
    (東京都渋谷区神宮前5-53-67

〇参加者:57名

〇主催:関東地方環境事務所、関東地方環境パートナーシップオフィス(関東EPO)

〇協力:地球環境パートナーシッププラザ

 

プログラム

1. 開会挨拶 (15:10~)

関東地方環境事務所環境対策課 鈴木一成課長

 2.趣旨説明・ポイントレクチャー (15:15~)

  ・SDGsについて

  ・協働について

 3.協働事例の紹介 (15:35~)

静岡県長泉町くらし環境課の取組(環境省環境教育における「ESD推進」のための実践拠点事業)

    ①長泉町 くらし環境課 環境企画チーム 木村 規之氏

    ②一般社団法人 自然エネルギー推進機構 岡本 欣訓氏

4.質疑応答 (15:55~) 

5.トークセッション (16:05~)

6.まとめ(16:25~)

7.閉会 (16:40)

内容

【趣旨説明】関東EPO

企業が地域とできること、地域が企業とできること

2015年9月に国連で採択された、SDGs(2030アジェンダ)。日本でも、企業、行政、市民、あらゆるセクターで関心が高まっています。
しかし実際は、どのように自分たちの活動と結びつけたら良いか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
今回のセミナーでは、企業と地域が協働し、課題解決・持続可能な地域づくりを目指す事例から、それぞれの強みを活かしあう協働の仕組みを紐解き、SDGs をわたしたちの地域で達成できるヒントを探ることを目的に開催しました。

当日の資料は画像をクリック↑

【協働事例の紹介】

静岡県長泉町くらし環境課の取組(環境省環境教育における「ESD推進」のための実践拠点事業)
静岡県長泉町くらし環境課の取組を多面的に紹介して頂くため、
長泉町くらし環境課の木村さん、自然エネルギー推進機構の
岡本さんをお招きし、「ニコニコ水力発電」の事例をもとに、
企業と地域が協働して取り組んだ成果について
違う立場からの紹介をして頂きました。

①長泉町 くらし環境課 環境企画チーム 木村 規之氏
木村さんからは主に、設置の経緯、問題解決のための取組の状況、
町としての役割、そしてESDの取組について
発表して頂きました。

POINT

・水利権、地権など利権が絡むステークホルダーの調整、
 庁内各部署との調整役を担った

・課題解決の視点だけでなく、
 市町村の特色・資源を活かした事業が求められている

②一般社団法人 自然エネルギー推進機構 岡本 欣訓氏

続いて、(一社)自然エネルギー推進機構の山下さん、瀬古さんから紹介がありました。
「ニコニコ水力発電所」の特徴や、小水力発電のメリット等、
発電所の概要をはじめ、しっかりと地域が「利用」できる、
地域に「おカネ」が落ちる仕組みづくりのお話をしていただきました。


POINT

・収益の「量」を求め、「科学的適地」に設置するのではなく、
 収益の「質」を追求し、防災・福祉・教育・観光などの
 拠点として貢献できる「社会的適地」に設置することで、
 「社会からの評価」という大きな利益を得ることができる

・社会に対して、質のいい収益を挙げていることを見せるため、
 普及拡大の手法としてSDGsを活用

 

 

まとめ

 

【トークセッション】

事例発表が終わり、岡本さんと関東EPO高橋でトークセッションを行いました。 

  • ー高橋 :考え方として利益が明らかに出るところ(科学的適地)じゃないと
         小水力発電所を作りづらいと考えることが多いのではないかと思います。
         企業と自治体をつないでいる立場として何を提示したらよかったのでしょうか。
  • ―岡本氏:企業のCSRの一環としてやるところもありますし、
         人々のニーズがあるところ(=社会的適地)に設置したとしても赤字には
         ならないと同時に、地域に貢献ができるという形にもっていくことですね。
         収益の量よりも「質」を求めることで結構儲かるんです。
         儲かるということは、防災・福祉・教育で自ら稼ぐということができる。と、言うこと。
         これは自治体にはキラーコンテンツです。
         例えば今、ニコニコ水力発電所には4000人近くの人が見学に来ています。
         静岡県は防災訓練が盛んでして、防災訓練の時、発電所を使う度に
         企業の看板が目に入ります。
         こうして見えない価値・利益が見えるようになってきました。

他にも、岡本さんに協働取組がうまくいったポイントをお聞きしたところ、
・相手のメリットを先んじて提示した
・「できない、だめ」を前提にせず、「どうすればできるか」を前提に取り組む姿勢
・収益の「量」よりも「質」を求めること
などといったご意見が出てきました。

セミナー終了後、集計したアンケート結果からは

・採算性から考えていく発想だと限度がある。
 収益の社会的価値を上げることが社会貢献と収益両方につながると思った。

・まさにエリアマネジメントだと感じた。
などといった感想が寄せられました。

 

今回事例として紹介しました、長泉町での取り組みは
「~SDGs達成に向けた~持続可能な地域の創り手を育む"学びの場"づくりガイドブック」
にも記載されております。

/…/…/japanese/2019/03/ESDguidebook2019.pdf

関東EPOでは、SDGsや協働に関するご相談を随時お受けしておりますので、
お気軽にお問い合わせください。