7/10「SDGsで考える企業と地域の協働セミナー」を開催しました 2018年8月2日

開催概要

環境省では毎年、白書のテーマやねらいを環境省の担当者が解説する

「環境白書及び環境基本計画を読む会」とあわせて、標記のセミナーを開催しました。

○日時:平成30年7月10日(火)
     15:10~16:45

○場所:東京ウィメンズプラザ 1F 視聴覚室
    (東京都渋谷区神宮前5-53-67

〇参加者:50名

〇主催:関東地方環境事務所、関東地方環境パートナーシップオフィス(関東EPO)

〇協力:地球環境パートナーシッププラザ

 

プログラム

1. 開会挨拶 (15:10~)

関東地方環境事務所環境対策課 佐々木渉課長

 2.趣旨説明・ポイントレクチャー (15:15~)

  ・SDGsについて

  ・協働について

 3.協働事例の紹介 (15:35~)

         ①「水源地の保全×地域材の活用」

     一般社団法人さがみ湖 森・モノづくり研究所 斉藤 奈美氏

         ②「資源循環×障がい者雇用」 

     都市環境サービス株式会社 前田 隆之氏

4.パネルディスカッション (16:15~) 

5.質疑応答・意見交換 (16:35~)

6.終了 (16:45)

内容

【趣旨説明】関東EPO

企業が地域とできること、地域が企業とできること

2015年9月に国連で採択された、SDGs(2030アジェンダ)。日本でも、企業、行政、市民、あらゆるセクターで関心が高まっています。
しかし実際は、どのように自分たちの活動と結びつけたら良いか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
今回のセミナーでは、企業と地域が協働し、課題解決・持続可能な地域づくりを目指す事例から、それぞれの強みを活かしあう協働の仕組みを紐解き、SDGs をわたしたちの地域で達成できるヒントを探ることを目的に開催しました。

・「持続可能性な社会の基盤」としての「環境」

・「持続可能な社会の構築」のための「協働」

当日の資料は画像をクリック↑

【事例紹介1】

「水源地の保全×地域材の活用」一般社団法人さがみ湖 森・モノづくり研究所 斉藤 奈美氏

事例紹介の1つ目は、(一社)さがみ湖森・モノづくり研究所が神奈川県相模原市で行った取組についてです。

豊富な森林資源を木材として生み出す人から消費する人までをつなぐサプライチェーン構築を目指した「地域材を活用した商品開発・販売および環境教育事業」についてご紹介いただきました。

POINT

・自分本位の課題設定をしない

・地域のニーズを知ることの大切さ

【事例紹介2】

「資源循環×障がい者雇用」都市環境サービス株式会社 前田 隆之氏

事例紹介の2つ目は、都市環境サービス株式会社による、神奈川県愛甲郡愛川町の取組「障がい者の雇用を創出し、世代や立場をこえて地域のリサイクル資源を学び、集め、使う、循環型まちづくり推進事業モデルの構築」についてご紹介いただきました。
廃プラスチックを使ったリサイクルの仕組みづくりを市民参加型で行うことで、それぞれが地域への愛着を持ち、各家庭レベルで主体的に分別に取組む機運を醸成し、モデルとなりうる循環型地域社会の構築を目指した取組です。

POINT

・自社の強みを活かして地域に貢献したい 

・お互いの「ことば」と「想い」を理解すること

 

 

まとめ

 

【パネルディスカッション】


登壇者の方々には、自分たちの事業のプロセスを分解してSDGsで表した図を使って、会場と一緒にそのポイントを振り返りました。(それぞれのプロセス分解図についてはページ下段に掲載)


パネルディスカッションの質疑応答の時間では、以下のようなやり取りがありました。

  • Q:事業を進めていくにつれ課題(SDGsのゴール)が増えていったのは、それをイメージして進めていったのか?
  • ―A(斉藤氏):水源地を守るためにどうしたら良いかを考えた結果、雇用を確保したり、持続可能にしたり、課題を同時に解決していくことが必要となって、どんどん課題とステークホルダーが増えていった。
  • ―A(前田氏):いきあたりばったりに近いイメージ。毎月のように集まって、話し合って、ということを重ねていくことで、イベントの目的も変わり、障がい者の関係で…と考えていたことが町全体を巻き込むようなものになった。

お二人にお答えいただいたように、最初に解決したいと思った課題に取り組んでいくと、必ず他の課題が見えてきます。
さらに、その課題に向こうからこっちに向かって取り組んでいる相手が必ず出てく来ます。
そこでしっかりと向き合い、話し合っていくと、そこに本当の課題が見えてきます。
その課題に対して自分たちのリソースをどう使っていくか、フラットな関係で取り組んでいけるかが重要です。

それが「地域の課題解決のための協働」ということになりますが、SDGsで整理をすることで、自分たちが取り組む課題を見える化したり、それを関係者に伝えるということがやりやすくなります。

セミナー終了後集計したアンケート結果からは

・パートナーシップの可能性を感じました。

・活動の広がりのプロセスをわかりやすく解説してもらえた。

・SDGsが身近に感じられるようになった。

・SDGsは地域の企業だからこそやりやすいのだと思った。

などのお声をいただき、それぞれの活動につながるヒントとなったようでした。

 

事例1のプロセス分解図

事例2のプロセス分解図