審査報告及び講評(廣野委員長)審査報告
平成15年度の応募提言につきましては「NGO/NPO・企業環境政策提言推進委員会」委員8名で審査させていただきました。審査を行う中で詳細に討論いたしましたので、その議論を少し紹介させていただきます。
提言の応募件数は、一昨年56件、昨年85件、今年43件ということで、今年が過去最小の件数でした。この原因の1つには、NGO/NPOのスタッフは少人数で大変忙しい中、時間を割いて提言を作成し応募してもなかなか採用されないことから、やっても仕方ない、無駄な労力になると考えたことがあるのかもしれません。また、採用された政策提言が環境省の政策として生かされることが重要なのですが、どういう形で生かされたのかという情報が必ずしもNGO/NPOの方々に届いていなかったのではないかと反省もしております。
私たち委員は次の8つの基準に基づき提言を審査いたしました。1)必要性 2)現状把握の的確性 3)説得性・合理性 4)公平性 5)先駆性・新規性 6)有効性 7)実現可能性 8)パートナーシップ形成・促進の可能性、です。
様々な立場の委員が色々な角度から審査をした結果、「優秀提言」2件、そして「優秀提言に準ずる提言」を10件、そのうち特に「注目に値する提言」として3件を選定いたしました。
提言募集を開始した平成13年度は、NGO/NPOからの提言だけを募集しておりましたが、環境問題はすべての方が関わってくる問題ですので、できるだけ広くNGO/NPOだけでなく企業からも提言をいただきたいと言うことで、昨年から企業からも提言を募集することといたしました。今年も企業からの応募もたくさんありました。
この中から、オーガニックテーブル株式会社JV風大地プロダクツとFoE Japanという2団体からの提言を優秀提言として選定いたしました。
個々の提言についての審査の概要は、この後、団体から発表がありますので省略し、総括的なコメントを申し上げます。
今年の提言の基本的な流れとしては、2つあったと思います。第一は、一昨年、昨年に比べて特に斬新さがあったということではありませんでした。しかし、今後、環境省の政策に反映させていく点で重要な提言がたくさんありました。
第二の特徴は、今年は「普及型」の提言が多かったということです。例えば、FoE Japanの提言についてですが、森林についての認証(FSC)制度自体についてはWWF Japanが日本での支部として活躍しているところですが、FoE Japanとしては日本独自の基準を設けて実施、普及することを提言しており、私たちとしてはこれを評価いたしました。
今後、我々が期待したいことは、皆様から提言が、あらゆるステイク・ホルダーの方々に関連し、パートナーシップを形成して取り組まなければならないものであることです。また、、こんなことをやったら、もっとすばらしい政策ができるなあと思えるような斬新な提言が数多くでてくることも期待したいと思っております。
パートナーシップと斬新さが、もっと提言の中に盛り込まれるとよい、というのが審査委員会としての私たちの総括的な印象でした。 |