[国内事例108] 金沢大学の広大な里山を地域協働で管理 2014年3月30日

概要

金沢大学里山ゾーン

金沢大学 里山ゾーン(写真提供 金沢大学 中村浩二特任教授)

棚田の再生活動

棚田の再生活動(写真提供 金沢大学 中村浩二特任教授)

金沢大学角間キャンパスは、広大な里山の中に位置している。同大学では、敷地面積の3分の1に当たる、74ヘクタールを「里山ゾーン」に指定し、自然環境の保全・修復と地域に開かれたキャンパスづくりに充てている。

1999年には、「角間の里山自然学校」を開設し、大学の教職員に加え、市民によるボランティアグループ「里山メイト」が里山の保全活動や、子供たちの自然学習を行ってきた。

しかし、里山ゾーンでは、荒廃が急速に進行。このため、2010年には、金沢大学の組織として、里山ゾーンの保全と活用に向けて、「角間里山本部」を設立した。角間里山本部では、里山の管理運営方策を示すとともに、里山を活用した先進的・独創的な教育・研究を行っていくことを目指している。金沢大学の教職員や学生は、地域の住民、NPO、企業、地方自治体で構成される「里山応援団」と協働して、これらのプロジェクトに取り組んでいる。2013年度からは角間里山ゼミを開講し、若手社会人や学生を対象に、里山の保全や利用、自然との共生、持続可能な発展等を担う人材育成を行っている。

また、企業のCSR活動との連携を図るために、NPO法人「角間里山みらい」が設立され、プロジェクトのコーディネートなどを行うこととしている。

さらに、金沢大学では、角間での経験を踏まえ、能登半島において、地域活性化や持続可能な発展を目指す里山里海プロジェクトを展開している。

パートナーシップのポイント

・里山保全のために、専任の教職員を置き、大学がリーダーシップを発揮して、ボランティア等との連携を図っている。

・文部科学省の特別教育研究経費や、富士フィルム・グリーンファンドの助成金などを活用し、様々な活動のための資金を充実させている。

カテゴリ

■事業協力・事業協定

テーマ

■森林保全 ■ESD・環境教育 ■生物多様性・自然保護

主体とパートナー

□主体
 金沢大学角間里山本部
□パートナー
 里山メイト、里山応援団、NPO法人「角間里山みらい」、文部科学省、富士フィルム・グリーンファンド等

調査文献サイト等

金沢大学 角間里山本部(外部サイト)
金沢大学 里山里海プロジェクト(外部サイト)
金沢大学特任教授 中村浩二「大学キャンパス内の森づくりと人材養成「金沢大学角間里山本部」からのメッセージ」、富士フィルム・グリーンファンド『GREEN LETTER No.35』2013年

英語サイト

/english/what/case-studies/1243.html