ソーシャルデザイン論プレゼン企画 多摩美術大学マイプロジェクト2019 2019年10月31日

このたびGEOCでは、多摩美術大学講師 田中美帆氏の協力により、「多摩美術大学ソーシャルデザイン論 ソーシャルデザイン企画マイプロジェクト」を展示する運びとなりました。

『未来のデザイナーが描く、社会へのつながり』

多摩美術大学 グラフィックデザイン科 ソーシャルデザイン論講師 田中 美帆氏より

<<「ソーシャルデザイン論」の背景>>

多摩美術大学の「ソーシャルデザイン論」は、2014年に始まったばかりの新しい授業です。 デザインを「見た目や雰囲気を素敵にするもの、物やサービスと生活者をつなぐコマーシャルの為のもの」という理解だけで学ぶのではなく、デザインによって社会や生活、人々の思考さえも変える力がある事を知ってもらい、未来のデザイナーひとりひとりが、それを実践できる様になって欲しいという思いでスタートしました。 授業は、世界中の優れたソーシャルデザイン事例の紹介からはじまります。事例のなかで特に人気なのが「I♥NY」ロゴです。ニューヨークで良く目にするお馴染みのデザインですが、ロゴが生まれた1970年代当時、街には失業者や犯罪があふれ、深刻な財政難に陥った最悪の状態でした。そこで政府と協力したグラフィックデザイナーのミルトン・グレーザー氏は、自分が生まれ育った街を救う為にプロボノでロゴを提供したのです。 「I♥NY」ロゴは観光産業の盛り上がりや、街のPRと連動し、ニューヨークは見事に復活しました。デザインがもたらした大きな力と社会背景を知らずに、「I♥NY」ロゴを単なるニューヨークのマークとしてしか認識しないのは、非常に残念なことです。私にとって「ソーシャルデザイン論」の授業は、世界中に存在する社会とデザインの関わりの「点」を、つなげていく作業であるとも言えます。

<<本展示の概要>>

世界中から集めたソーシャルデザイン事例を沢山インプットした受講生達は、今度は自らがデザイナーの視点で身近な社会課題に着目し、企画立案「マイプロジェクト」に取り組みます。受講生は毎年120名を超える為、その中からキラリと光る優秀な企画は、プレゼンを通して教室を共にする学生達はもちろん、講師の私でさえも大きな学びを得られる程のアイデアに触れる、良い機会となります。

この度、それらの選びぬかれた「マイプロジェクト」優秀企画を、ここGEOCで展示できる機会を頂き、大変光栄に思っております。社会との関わりを深めようと真摯に取り組む、未来のデザイナー達のアイデアの種を、お楽しみ頂ければ幸いです。

皆様のお越しをお待ちしております。

開催概要

○期 間:2019年11月1日(金)~2019年12月28日(土)

○場 所:地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)

東京都渋谷区神宮前5-53-70 国連大学ビル1F

○開館時間:10:00~18:00(土曜日は17:00まで)休館日:日曜、月曜、祝日、年末年始

お問い合わせ先

地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)
TEL:03-3407-8107/e-mail:geoc.info[※]geoc.jp [※]を@に変更してください。