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エネルギーの未来は、「BUKE LIFE」にヒントあり?!
2013年06月12日
エネルギーの未来を考える!
そんなワクワクするフューチャーセッションがGEOCで開催されました。
■お互いを知る
ます初めに、フューチャーセッションズの有福さんから、
「3.11の震災以降、エネルギー自治の期待が高まっているが、行政、市民、企業のマルチステークホルダーの関係性の中で、どのようなプロセスを経ていけばよいだろうか」、という本セッションの背景が示されました。
その後、セッション参加者一人一人の簡単な自己紹介。
エネルギー会社の社員、エコアパートの経営者、地域のエコメディアの運営者、バイオマス関連のコンサルタント、科学館のコミュニケーターなどなど、多様なバックグラウンドを持っている方々が集まりました。
■インスピレーションを得る
続いて、今回の事例提供となっていただく、鎌倉市の方からお話をしてもらいました。
鎌倉では、産業部門よりも、家庭部門の方がCO2排出量が多いということや
(というのも、工業区域が大船などの一部に限られているため)、
歴史的景観を保つために、景観条例等で建物の高さが規制されており、大型の風力発電等の導入が難しいこと、
観光地であるため、道路の渋滞が激しく、車での移動が不便、
など知られざる鎌倉のエネルギー事情を知ることができました。
さらに他の角度から、エネルギーの話を深めるため、フィッシュボウル(金魚鉢)形式で、参加者による対話を行いました。
話したくなった人が、前に出てきて自由に入れ替わりながら話をしていくという、ちょっと変わったスタイル。
最初は、遠慮がちでしたが、時間がたつにつれ、話したくなってきたのか、どんどんみんな前に出てきます。
この時、話の中で出てきたキーワードとして、印象に残っているのは、
・パッシブデザイン
・夏の排熱を利用する方法はないか
・コンセントの内側を知る
・お母さんの参加
・エネルギーの時給を知る、教育リテラシー(ESD的) です。
その他のキーワードはこちらをご覧ください。(クリックすると拡大表示されます)
■エネルギーの未来のために何ができるか、深める
一旦、休憩を挟んで、ワールドカフェでさらにエネルギーの未来を探求します。
ここでは、事例提供して頂いた、鎌倉市をモデルケースに、同市のエネルギーの未来を考えていきます。
[Round1]自分たちでエネルギーをつくるとしたら何ができるだろうか?
[Round2]自分たちでエネルギーをへらすとしたら何ができるだろうか?
[Round3]自分たちでエネルギーを融通(ピークカット、マネジメント)していくとしたら何ができるだろうか?
テーブルを巡りながら、様々な話題が出てきます。
やはり、古都鎌倉として、武家の都という点を生かせないか、
自動販売機を撤去して、水筒に変えられないか、
観光客が多いので、振動発電をしてはどうか、
コジェネレーションで排出される熱を、足湯で活用できないか、
など、実現可能性はさておき、自由なアイデアが生まれてきました。
■クイックプロトタイピングで、2020年の鎌倉を描く
さて、これまでの時間の話を踏まえて、「2020年の鎌倉市のエネルギーの未来」について、
ポスターを作成していきます。
短い時間の中で、必死にアイデアを形にしていきます。
全体のシステムを捉えて、どのようにアイデアが組み込まれていくか、
俯瞰的に見て考えていきます。
私のグループで出てきたのは、「BUKE LIFE」という案です。
武家の都、鎌倉をエネルギーの視点でとらえなおします。
「BUKE LIFE」というのは、鎌倉時代の暮らしを再現した宿泊施設を設けて、
観光客にそこで数日間生活してもらいます。
そうすると、薪を使わなければエネルギーは得られないので、普段、いかに私たちが
エネルギーのことを見ていないのかを実感できます。
また、お寺や神社には、お堂型のコジェネレーション設備があり、
発生した熱を足湯やホットヨガに活用します。
また、自動販売機を撤去して、「サムライボトル」という水筒を持っていれば、
どこでも給水ができるようにします。
という風に、荒唐無稽なアイデアも含まれているように思いますが、
このアイデアを丸ごと使うのではなく、要素を見れば、活かせそうな点が見えてきます。
少なくとも、「武家」というコンセプトは、鎌倉が鎌倉足りえるためにも、重要な要素です。
エネルギーを、ただ環境の話として捉えるのではなく、その他の要素と有機的に繋げることは、有効でしょう。
今後、鎌倉市では、市民参加型でのエネルギー基本計画を控えているそうです。
今回のセッションで生まれてきたアイデア、またプロセスが何らかの形で役立てば幸いです。
なお、本セッションのことを、FutureCenterNEWS JAPANさんが、分かりやすくレポートしてくださっています。
合わせてご覧ください。
Takayuki Ishimoto