エネルギーの未来は、「BUKE LIFE」にヒントあり?!

エネルギーの未来を考える!
そんなワクワクするフューチャーセッションがGEOCで開催されました。


■お互いを知る

市民のエネルギー自治に関心が高まっている



ます初めに、フューチャーセッションズの有福さんから、
「3.11の震災以降、エネルギー自治の期待が高まっているが、行政、市民、企業のマルチステークホルダーの関係性の中で、どのようなプロセスを経ていけばよいだろうか」、という本セッションの背景が示されました。

その後、セッション参加者一人一人の簡単な自己紹介。
エネルギー会社の社員、エコアパートの経営者、地域のエコメディアの運営者、バイオマス関連のコンサルタント、科学館のコミュニケーターなどなど、多様なバックグラウンドを持っている方々が集まりました。


■インスピレーションを得る

フィッシュボウルで気づきを得る


続いて、今回の事例提供となっていただく、鎌倉市の方からお話をしてもらいました。
鎌倉では、産業部門よりも、家庭部門の方がCO2排出量が多いということや
(というのも、工業区域が大船などの一部に限られているため)、
歴史的景観を保つために、景観条例等で建物の高さが規制されており、大型の風力発電等の導入が難しいこと、
観光地であるため、道路の渋滞が激しく、車での移動が不便、
など知られざる鎌倉のエネルギー事情を知ることができました。

さらに他の角度から、エネルギーの話を深めるため、フィッシュボウル(金魚鉢)形式で、参加者による対話を行いました。
話したくなった人が、前に出てきて自由に入れ替わりながら話をしていくという、ちょっと変わったスタイル。
最初は、遠慮がちでしたが、時間がたつにつれ、話したくなってきたのか、どんどんみんな前に出てきます。

この時、話の中で出てきたキーワードとして、印象に残っているのは、
・パッシブデザイン
・夏の排熱を利用する方法はないか
・コンセントの内側を知る
・お母さんの参加
・エネルギーの時給を知る、教育リテラシー(ESD的) です。

その他のキーワードはこちらをご覧ください。(クリックすると拡大表示されます)

フィッシュボウルで出てきた意見
(クリックで拡大)



■エネルギーの未来のために何ができるか、深める

ワールドカフェで、問いを深める


一旦、休憩を挟んで、ワールドカフェでさらにエネルギーの未来を探求します。
ここでは、事例提供して頂いた、鎌倉市をモデルケースに、同市のエネルギーの未来を考えていきます。

[Round1]自分たちでエネルギーをつくるとしたら何ができるだろうか?
[Round2]自分たちでエネルギーをへらすとしたら何ができるだろうか?
[Round3]自分たちでエネルギーを融通(ピークカット、マネジメント)していくとしたら何ができるだろうか?


テーブルを巡りながら、様々な話題が出てきます。
やはり、古都鎌倉として、武家の都という点を生かせないか、
自動販売機を撤去して、水筒に変えられないか、
観光客が多いので、振動発電をしてはどうか、
コジェネレーションで排出される熱を、足湯で活用できないか、
など、実現可能性はさておき、自由なアイデアが生まれてきました。


■クイックプロトタイピングで、2020年の鎌倉を描く

クイックプロトタイピングでエネルギーとの関わりを描く


さて、これまでの時間の話を踏まえて、「2020年の鎌倉市のエネルギーの未来」について、
ポスターを作成していきます。

短い時間の中で、必死にアイデアを形にしていきます。
全体のシステムを捉えて、どのようにアイデアが組み込まれていくか、
俯瞰的に見て考えていきます。

BUKE LIFE


私のグループで出てきたのは、「BUKE LIFE」という案です。

武家の都、鎌倉をエネルギーの視点でとらえなおします。
「BUKE LIFE」というのは、鎌倉時代の暮らしを再現した宿泊施設を設けて、
観光客にそこで数日間生活してもらいます。
そうすると、薪を使わなければエネルギーは得られないので、普段、いかに私たちが
エネルギーのことを見ていないのかを実感できます。

また、お寺や神社には、お堂型のコジェネレーション設備があり、
発生した熱を足湯やホットヨガに活用します。

また、自動販売機を撤去して、「サムライボトル」という水筒を持っていれば、
どこでも給水ができるようにします。

という風に、荒唐無稽なアイデアも含まれているように思いますが、
このアイデアを丸ごと使うのではなく、要素を見れば、活かせそうな点が見えてきます。

少なくとも、「武家」というコンセプトは、鎌倉が鎌倉足りえるためにも、重要な要素です。
エネルギーを、ただ環境の話として捉えるのではなく、その他の要素と有機的に繋げることは、有効でしょう。


今後、鎌倉市では、市民参加型でのエネルギー基本計画を控えているそうです。
今回のセッションで生まれてきたアイデア、またプロセスが何らかの形で役立てば幸いです。


なお、本セッションのことを、FutureCenterNEWS JAPANさんが、分かりやすくレポートしてくださっています。
合わせてご覧ください。


Takayuki Ishimoto