[国内事例121] 森林の現場から再生可能エネルギーを考える みちのく薪びと祭り 2019年3月19日

概要

平成23年3 月11 日に発生した東日本大震災では、水やエネルギーの供給、下水処理、情報通信、物流などのライフラインが長期間停止したことで、人々の生活や経済活動に大きな支障をきたした。特に、エネルギーについては福島第一原子力発電所の事故の影響もあり、エネルギーが私たちの生活に必要不可欠なものであることを実感するとともに、今後の供給や消費のあり方について考えさせられる機会となった。

震災発生3か月後からEPO東北が取り組んだ「3.11あの時ヒアリング」を通じ、発災後の深刻なガソリン不足の中、岩手県でバイオディーゼル燃料(BDF)が支援物資運搬用トラックの燃料として活用された事例が明らかになった。非常時における再生可能エネルギーの可能性を感じたことから、平成23 年度に太陽光や風力、バイオマス、地熱などの再生可能エネルギー推進に携わる団体同士の意見交換の場を設けるなど、これからの社会のエネルギー供給システムのあり方を探るため、東北地方で再生可能エネルギー推進に携わる関係団体と議論を重ねてきた。さらに森林エネルギーに焦点を当てた交流会「みちのく薪びと祭り」を平成26年度から実施している。

「みちのく薪びと祭り」は、薪を中心とした森林エネルギーに関する団体同士のネットワーク構築を手法に、東北地方の森林エネルギー活用(薪文化)水準の底上げを目的としている。東北地方で薪をテーマに活動する団体同士が、情報交換や意見交換などの継続的な交流を通じ、課題等を共有して解決のヒントを得ることで活動継続のモチベーションを向上するとともに、団体同士の協働による新たな取組の創出を促進する機会となることを目指している。

フィールドワークで多様な現場のあり様を考える

各地の事例共有や意見交換による学びあい

パートナーシップのポイント

・平成26年度第1回みちのく薪びと祭りin山形さんぜを初回に、第2回in岩手とおの、第3回in福島みなみあいづ、第4回in宮城なるこ、第5回秋田うめない、と東北6県で開催地を持ち回りしており、実施に向けては現地のステークホルダーを中心にした実行委員会を組織している。

・再生可能エネルギーの普及促進をいわゆる環境分野の組織だけで議論するのではなく、林業や木材生産に携わっている組織と一緒に行い、テーマも薪を取り巻く生業や担い手、普及など具体的な方法論にまでふみこむことで より実践的な議論を積み上げている。

カテゴリ

 ■実行委員会・協議会

テーマ

 ■再生可能エネルギー

 ■森林・林業

関係者(主体とパートナー)

  • 主体:

    東北環境パートナーシップオフィス(EPO東北)

  • パートナー(開催地を中心とした実行委員会形式):

    薪ストーブ愛好会くべる部、いちのせき薪の会、NPO 法人遠野エコネット、NPO 法人吉里吉里国、NPO 法人川崎町の資源をいかす会、NPO 法人しんりん、二ツ井宝の森林(やま)プロジェクト、三瀬の薪研究会、やまがた自然エネルギーネットワーク、NPO 法人みなみあいづ森林ネットワーク、ふくしま薪ネット