【インタビュー実施報告】GEOC森里川海シリーズ企画 「海の恵みを活かして地域を食でつなぐ」 2020年3月27日

実施概要 

|日 時|2020年3月21日(土)

|場 所|地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)セミナースペース

|主 催|環境省、地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)

|企 画|関東地方環境パートナーシップオフィス(関東EPO)

|登壇者|有限会社 たのし屋本舗 代表取締役 下澤敏也氏

|モデレーター|関東EPO 高橋

GEOC森里川海シリーズ企画として「海の恵みを活かして地域を食でつなぐ」を企画していましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、公開イベントではなくインタビュー及びその撮影に変更し、地域の自然資源を活かした“食”の魅力に焦点をあててお話しを伺いました。こちらから動画をご覧いただけます。

 

▼GEOC森里川海シリーズ企画「海の恵みを活かして地域を食でつなぐ」インタビュー(前半)

 

▼GEOC森里川海シリーズ企画「海の恵みを活かして地域を食でつなぐ」インタビュー(後半)

 

 

インタビュー内容

1.下澤さんと地域の“食”との出会い

現在は、主に地域の食材を扱った飲食店を経営をしている。そこから派生して漁港の入札権などを取得したり、農業も始めた。現在ではさらに派生して、畑からとれる農作物や海産物から食品加工を作ったり、クラフトビールを作ったりもしていて、三浦半島に特化した食に対して、幅広い営業活動などをしている。

24年ほど前に、「何か起業したい」という思いで自宅を改築して創作料理の店を始めたことがきっかけ。その当時は、当たり前のように“東京”を意識していて、都市部で流行っていた、見た目重視の創作料理を提供し、見事に失敗の道を歩む。

店をたたもうかどうしようかというタイミングで、一度自分の生まれ育った横須賀のまちから、周囲を振り返ってみた。すると、それまで全く見えていなかった、三浦半島という存在が見えてきた。三浦半島は、三方向を海に囲われていて、少し陸の方に行くと畑があり、まさに「食の宝庫」だった。そのことに気付いて、自分の足で、三浦半島をめぐることにした。そこで漁師や農家に出会って、その魅力に引き込まれていった。

2.地域の“食”の魅力

例えば漁師との信頼関係ができると、魚を釣って、加工や販売をする過程のプロの技について教えてもらえたり、地域の海産物にまつわる歴史について教えてもらえたり、普通の人が知りえない情報を知ることができる。それを知ることで、その魚や海産物、農作物がとてもおいしくなる。頭でおいしく感じてしまう。そのことを体験したことで、「あ!食ってこういうことだ!」と確信した。三浦半島の魅力が何かと聞かれたら、「食=人」だと答える。三浦半島は、「食」が豊富で、それを育てている「人」が実は魅力的。そういうことを発信していくことで、今ではその「人」と「人」がつながって、交流し始めている。

3.地域資源を活用する際のポイント

自分がやりたいことを主張していくのではなく、一度地域に入って、彼らと共に時間を過ごすことが重要。そこで彼らが抱えている課題が見えてきて、その課題に対して、自分と一緒にやることでどうやって解決できるかを考え、こちらが持っているアイディアを少しずつ提供しながら、相手の反応を見ていく。同じ目線、同じ場所で考えていく必要がある。「友達になる」ということが先。達成したい目的は、その先にある。

飲食店として、生産者の思いと誇りをお客様にお伝えする。これが料理の最終工程だと思っている。生産者のパネルを店内に貼っているので、提供する際にその生産者の人柄やエピソードも紹介する。さらに知りたい人には、詳細が書いてあるパンフレットを渡すなどして、「人」を感じてもらう。食材が育った過程を感じてもらって、食べてもらうことを心がけている。そうすると本当に一味も二味も変わってくる。

4.地域資源の活用にチャレンジしたい人へ

とにかく今はリアルなコミュニティというのが非常に減っている時代。でも「食」というのはリアルなコミュニティを生む場所だと思う。自分からもっと生産者に会いに行き、それを作っている地域に行って、もっともっとコミュニティをどんどん作っていってほしい。そして、その地域の空気とか、その地域の時間、その地域の人を自分で感じて、その中で発想して、やりたいことを考えるべき。こういう所からやってもらうとその地域全体が“映える”。まずその地域に行って、地域の人と共に考えるというのが始まりになる。

お問合せ先

 関東地方環境パートナーシップオフィス(関東EPO)

 TEL:03-3406-5180

 FAX:03-3406-5064

 E-mail:kanto-epo@geoc.jp   担当:高橋、山田、島田