開催概要
|開催日時|1月29日(金)10:30~12:00
|テーマ |「コロナ対策と環境問題」 第2回 廃棄物減量に取り組む(事例研究)
|概 要|新型コロナウィルス感染への対策として、飲食店内での食事をする機会が減り、代わりにテイクアウトなど中食が増えたことによる容器包装ごみが増えたり、使い捨てのものが流通するなど、プラスチック廃棄物が増えています。
このような状況を踏まえ、渋谷区における廃棄物減量の具体的な施策について、担当課の方から事例を伺いました。
また循環型社会を形成するための社会のあり方について共生学の観点から、有識者のお話しを伺い、今後の政策や市民の行動変容を促すためのヒントを得ながら、サステナブルな地域づくりのために協働で何ができるか考えました。
|開催方法|zoomによるオンラインミーティング
プログラム
1)渋谷区の廃棄物減量に関する事例発表
・渋谷区清掃リサイクル課 近藤 潤一朗氏
渋谷区でのごみ量の推移や限りある埋め立て処分場の現状、また「渋谷区清掃及びリサイクルに関する条例」をベースに工夫してこられた渋谷区でのごみ対策、更に渋谷区役所におけるごみ対策の取り組み事例などについて共有頂きました。
2)共生型・循環型社会に関する情報提供
・國學院大學研究開発推進機構 古沢広祐客員教授
「コロナ後の共生型・循環型社会ビジョン」と題して、コロナ危機の背景にある人類の環境改変と自然破壊、人間と自然の相関性(ワンヘルス)、大量生産・消費・廃棄のゆくえ、更に日本・世界におけるカーボンニュートラルに向けた取り組みに至るまでのお話をして下さいました。
3)質疑応答&意見交換
意見交換の時間では、以下のような点について、ご意見やコメントがありました。一部紹介いたします。
・渋谷区で条例を作ったことで、渋谷区から撤退する事業者や他の区で事業をすることに変更した、というような事は起こったか。
→大規模建築物ふくめ、設置場所の部署があるが、そのような情報は入ってきていない。
・ごみ減量協力金制度について、協力金を払うことが抜け道になり、結果ごみ減量していないということはないか
→80%の再利用を達成していない場合は勧告をしているので、ごみ減量協力金を払っているところは今までない。協力金を払えばいいという考えにはならないようにしている。
・例えば国の法律である食品リサイクル法は事業者に生ごみ処理や減量の規制をかけている。このような国単位の大きな規制と区の条例の規制とはどのように棲み分けているか。
→関係する建物の管理責任者には、食品リサイクル法についても丁寧に説明し、関連業者を案内するなどしている。建物の所有者に求めている話だが、建物には廃棄物管理責任者を置くよう条例にあり、その方からも各テナントに呼びかけてもらうようにしている。
・渋谷区の新庁舎で、リサイクル85%実現というのはモデルケースになりうると思う。それをアピールなどされているか。
→建ってから日が浅いため、まだそのようなことは無いが、今後アピールしていきたい。
・紙ごみの減量について、渋谷区内の良い事例や取組を知りたい。
→リサイクルボックスを設置し、分別する啓発を促しているところがある。また、ごみ箱でなくリサイクルボックスをデスクのより近くに置く等の工夫も聞く。
・ファーマーズクラブの取組のご紹介があったが、街として、事業者間でコンポスト事業の連携をするのも面白いのでは。
→重要だと思っている。生ごみのたい肥化は、技術的な課題や規模について少し検討が必要。ベランダコンポストのようなものから、ファーマーズクラブのような取組もある。たい肥は公園内の花壇や校のビオトープや畑での利用があるが、区もたい肥化に対しての助成をするなどし、もう少し連携していけると良い。また、この機会に生協さんやファーマーズクラブ、区民菜園などと試行的な取組ができたら良いと考えている。
・事業者向けのコンポストについて勉強し、生かしていけるのか、連携できるか探っていきたい。
・サッポロ不動産開発とUFC(Urban Farmers Club)は、ガーデンプレイス内で畑をしている。コンポスト、生ごみのたい肥化について調べたが、時間も場所も必要で、においの課題もある。また、区をまたぎどこか別の場所に持っていく、となると法令的な問題もあるようだ。
・サッポロビールはJAXAと宇宙での食・生活「SPACE FOODSPHERE」というプロジェクトをしている。月面での生活では、効率性がとても大事。農業をやるにしても、ビールは根、茎、実があり、使えるのは実だけで効率が悪い。捨てたものは地球上のようにその辺に捨てられないので、どのようにリサイクルしていくかの中長期的な取組を始めている。今後、皆さんと意見交換などできたらと思う。
次回は3月に開催予定です。