【開催報告】12/14(土) 第2回 GEOC次世代意見交換会
開催概要
|日 時|2024年12月14日(土)13:00~15:00
|会 場|GEOCセミナースペース
|主 催|地球環境パートナシッププラザ(GEOC)、国連大学サステイナビリティ高等研究所
|参加者|
○次世代メンバー6名
鈴木 さやか(百姓/ソーシャルデザイナー)
池田 日陽(環境ロドリゲス第25代幹事長/Green Innovator Academy3期生/早稲田大学 4年生)
向山 遥温(NPO法人 夢ノ森伴走者CUE代表)
富田 凜太郎(Climate Youth Japan/東京大学大学院 2年生)
志村 怜音(緋熊と黒潮 事務局/中央大学 4年生)
岡田 若子(立命館大学1年)
○UNEP1名
田中 迅(Youth UNESCO Climate Action Network (YoU-CAN) Steering Committee Thematic Coordinator for Education)
○GYM3名
伊藤 志帆(国際教養大学 4年生)
石黒 平(東京大学大学院 1年生)
馬淵 裕平(金沢大学 4年生)
○COP29参加高校生2名
梶 夏菜子(石川県立金沢泉丘高等学校 1年生)
本多 真理(金沢大学附属高等学校 1年生)
○国連大学2名
丸山 鳴(サステイナビリティ高等研究所 プログラムコーディネーター)
富田 揚子(サステイナビリティ高等研究所 いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット プログラムコーディネーター)
次世代意見交換会は、ユースと一緒になって意見交換の場を作りながら、ユースとの協働のあり方を模索する実験的な機会です。
第2回次世代意見交換会では、次世代メンバーに加え、国連大学サステイナビリティ高等研究所のスタッフの方々、生物多様性COPや気候変動COPに参加した高校生・大学生にも出席していただきました。
前半は、パネルディスカッション形式で国際会議に参加した経験のある方にお話しいただきました。後半は、グループごとに「国際会議における日本人ユースの参加の意義」について意見交換しました。
開催内容
当日は、導入として国連大学サステイナビリティ高等研究所のスタッフから、生物多様性COP16と気候変動COP29の概要、GYM(Global Youth MIDORI platform)プロジェクトについて説明していただきました。
パネルディスカッションでは、国際会議に参加したきっかけ、実際に参加したときの印象や会期中の活動、会議後の心境の変化や普段の活動に生かしたいことの大きく3つのトピックでディスカッションを進めました。
参加しようと思ったきっかけはさまざまで、「気候変動におけるユースの存在意義を他のユースがどう感じているかを聞きたい」「授業で教授から聞き、なんとなく凄そうだと思った」「留学生と知り合い、以前より海外で働きたいという夢があった」「社会に貢献したい、変わったことをしたい」といったことが挙がりました。
参加しての印象や会期中の活動としては、パネリストに共通したお話も多くありました。
初めて国際会議に参加した印象は、人の多さや規模の大きさに圧倒されたこと、朝から会議に参加して寝る間も惜しんで作業をする日もあり大変だったこと、などの共通する感想を聞くことができました。
会期中の主な活動としては、サイドイベントやユースが集まる会合への出席、日本へのリアルタイムでの情報発信。また、他国のユースと話したり、新たなネットワークが生まれたり、知り合いとの再開を果たしたり、といった興味深いエピソードもありました。
会議後の心境の変化や普段の活動に生かしたいこととして、「日本について知ることの重要性」「それらを知った上でどう解釈するか」、そして「どういった立場でそれらを解釈するのか」といった大きく3つの点で話がありました。
「日本について知ることの重要性」に気づけたのは、実際に国際会議に参加すると、日本の環境政策や具体的な取組について多く質問されることがあるから。
また、知るだけでは十分ではなく、「それらを知った上でどう解釈するか」ということでも、話しは盛り上がりました。日本の事例をただ知っているだけではなく、自分自身でかみ砕いて説明できたり、たとえ翻訳機能が発達していても自分の言葉で経験や学びをシェアできたりと、知った上でどう解釈し、それをどう自分の言葉で発信できるかが問われていると感じました。
また、「どういった立場で、それらの解釈をするのか」も重要だという意見も共有されました。日本では「ユースとして」という言葉がよく使われますが、ユースとして活動を発信すると同時に、私たちは若いプロフェッショナルでもあることを意識するべきなのかもしれません。会議で一番若い世代であり声を届けることができる世代だからこそ、どうすれば発信できるかを考える責任があると、他国のユースの方々は考えているようです。
例えば、自身の日本での取り組みや学校での探究活動に生かすこと、ローカルで活動している人に伝えていくこと、より多くのユースが国際会議に参加してもらうためにクラスメイトなどに今回の経験や国連大学のプログラムについて伝えていくことなども、国際会議に参加したユースができる役割でありますが、それをどういった立場で共有していけるといいのか、考えながらいる登壇者のみなさんでした。
後半の意見交換では「国際会議における日本人ユースの参加の意義」について議論し、各グループからは、参加前の段階も含めて以下のような意見が出ました。
・国際会議に参加し、改めて気づく自分のプレゼンスや心構え、期待感をどのあたりに設定するのか。そういった事前の心構えも、会議に参加したことがない人にとっての参入障壁を低くするために大事。
・会議に参加することで、ユースならではの視点を社会にもたらすと同時に、若者自身も学ぶことができる。その学びを他のユースに伝えていく役割がある。
・単に国際会議に参加したというだけでなく、自身が環境問題に取り組む背景、会議に参加して得た原体験も含め、ストーリー性を持たせて伝えていくことで、ユース世代がもっと行動しようとするきっかけになる。
・ユースの特徴は、ローカルとグローバルを行き来できるフットワークの軽さにある。他の国にも共通する社会問題はあり、日本にも導入できる事例があるはず。国際会議で吸収したことを、ローカルな場で発信して具体的な取組に落とし込むことが重要。
国際会議への参加経験者と参加したことがないメンバーとのあいだで、活発な議論がなされました。
【GEOCスタッフの所感】
実際の経験談を聞くことで、国際会議に参加したことのないメンバーも実際の会議への参加イメージが湧きました。逆に、普段ローカルで活動しているメンバーだからこそ感じる疑問をぶつけることで、国際会議に参加したメンバーにとっても、自身が参加した意義を振り返るきっかけになったと思います。
また、ローカルな活動をしているだけでは気づかなかった、ユースとしてできることを共有し、言語化する機会にもできたようにも思います。このことこそ、国際会議に参加することも意義なのだろうと感じました。