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山村振興セミナー:木質バイオマスを活用した山村の地域活性化を改めて考える~ 発電、熱利用の課題と可能性~

東京都

山村振興セミナー
木質バイオマスを活用した山村の地域活性化を改めて考える
発電、熱利用の課題と可能性

平成27年3月3日(火) 15:00~17:30
東京農業大学世田谷キャンパス
参加費無料(申込み制)

チラシ(PDF) 山村振興セミナー20150303(708KB)

【セミナー内容】
■主催者より手引きの紹介
「再生可能エネルギーを活用した地域活性化の手引き
 ~森林資源と山村地域のつながりの再生をめざして~」

■事例報告(順序、タイトルは仮)
 ・北海道下川町「一の橋ビレジ集住化と木質エネルギー活用による集落再興」 
 ・岩手県紫波町「紫波オガールタウンでの地域熱供給事業と森林再生」
 ・岡山県真庭市「発電、熱利用、小さな里山資本主義」
 ・徳島県三好市「高効率薪ボイラーによる小規模熱利用の一斉転換による効果」

■ディスカッション
 事例報告者4名
 熊崎 実氏(木質バイオマスエネルギー利用推進協議会 会長)
 渋澤寿一氏(NPO法人樹木・環境ネットワーク協会 理事長)
 宮林茂幸 (東京農業大学 地域環境科学部 教授)
*終了後、学内にて情報交換会を行います(会費制)。

【情報交換会】
18:00~19:30 於:学内食堂
会費:2,000円軽飲食あります。
関係者とのネットワークづくりに、是非ご参加下さい。

【お申込み・お問合わせ】
「山村振興セミナー申込み」として
1:お名前
2:ご所属
3:連絡先(メールかFAX)
4:情報交換会(参加・不参加・未定)
下記までご連絡下さい。
締切2月27日(金)。

東京農業大学 農山村支援センター
〒156-8502 東京都世田谷区桜丘1-1-1
(mail)
2015@nousanson.jp
TEL:03-5477-2678
FAX:03-5477-2609

【会場と交通】
東京農業大学 世田谷キャンパスアカデミアセンター横井講堂
小田急線 経堂駅/千歳船橋駅より徒歩15分
渋谷駅よりバス30分(渋23/渋24「農大前」下車)
http://www.nodai.ac.jp/access/map_s.html
(東京農業大学交通案内)

【開催趣旨】
本来多面的機能を有する我が国の森林は、近年、利用の低下・整備の遅れ等によりその機能を充分に発揮できない状況が増えています。一方、森林や山村文化の担い手である山村地域は、過疎高齢化等の問題を抱え、地域の維持・活性化が焦眉の課題となっています。このような中、再生可能エネルギーへの社会的関心の高まりを受け、林地残材等のエネルギー利用を一つのきっかけとして、森林資源を持続可能な形で活用し、地域の新たな産業・なりわい・暮らしの構築やコミュニティの再生に結びつける方法が模索されています。
 本セミナーでは、実際に取組む地域から事例報告をいただき、取組みに際しての課題と解決方法、木質バイオマス利用を地域づくりにつなげるポイント等について意見交換を行います。また、農山村支援センターが2年間の現地調査等を経て作成した「再生可能エネルギーを活用した地域活性化の手引き」を紹介し、山村の地域づくり推進に向け情報共有を図ります。

【事例報告地域概要】
北海道下川町
森林を「町の資本」「生業の糧」と位置づけ、循環型森林経営を60年かけて確立してきた下川町。全国に先駆けて平成16年度から木質バイオマスのエネルギー利用に取り組んでいます。平成22年度からは、中心市街地から外れた過疎集落で、集住化と木質バイオマスエネルギーの活用による地域熱供給を実施するとともに、余剰熱を活用した新産業の創出や、地域おこし協力隊を導入した定住促進、コミュニティビジネスの創出に取り組んでいます。集落内で新たな仕事と雇用が生まれ、新生児が3年連続で出生するなど効果が表れ始めています。過疎山村集落の自立と再生を図るパイロットモデルと位置づけて取組む、下川町の事業について紹介いただきます。

岩手県紫波町
平成12年から循環型まちづくりに取り組んできた紫波町。「森林資源の循環」の一つの形として、紫波中央駅前エリアでの地域熱供給事業を企画。民間企業と連携し、エリア内に設置した「エネルギーステーション」の木質バイオマスボイラーから熱を一括供給。一般世帯やテナント事業者を対象に「熱を売る」新たなビジネスモデルを構築しています。また、松枯れが蔓延した森林を再生すべく被害木を燃料として活用するとともに、里山林の整備を農林家・非農林家を含む市民参加型で推進しています。集約化しにくい小規模里山林が多い地域で、木質バイオマスの利用面と供給面の双方で新たな仕組みづくりを進める取り組みについて紹介いただきます。

徳島県三好市
急峻な山々と渓谷が連なる徳島県三好市。戦後植林された森林が伐期を迎える中、搬出経費がかさむため手入れ不足が目立ってきた森林を活用を軸に整備推進するため、低質材のエネルギー利用に着目。資源としての経済価値を生むため、市では5つの公共温泉に計15台の高効率薪ボイラーを平成25年度に一斉導入しました。供給主体は、素材生産から木材加工・製品づくりまでを手がける地域の林業会社です。薪を選んだ理由、供給体制の構築、地域の林業振興との関わり、温泉施設側での経済効果等、新たな薪ボイラープロジェクトについて紹介いただきます。

岡山県真庭市
中国山地の中程に位置する木材集積地、真庭市。木質バイオマス活用の先進地として知られますが、その取組は、平成5年、地域の若手経営者が集まり地域の将来を考える「21世紀の真庭塾」から始まりました。製材所の廃棄物利用から始まった木質バイオマス利用は、木質新製品の開発、市役所等各施設への木質バイオマスボイラー導入、未利用材の集積システムへと発展。現在、地域を挙げて取組む木質バイオマス発電事業が稼働を迎えるなか、里山に囲まれた公共温泉に薪ボイラーを導入するなど熱利用も併行して推進しています。こうした柔軟な取組の背景には、関係主体の徹底的な話合いとビジョンの共有、ノウハウの蓄積、官民一体の推進体制等があります。自分達の地域の将来は自分達で創る―真庭市の取組を紹介いただきます。


主催:東京農業大学 農山村支援センター
林野庁補助 平成26年度森林資源総合利用指針策定事業