書籍案内

書 名 『浸透性殺虫剤に関する世界的な総合評価書(WIA)更新版』
投稿団体 アクト・ビヨンド・トラスト
価格 0円
著名・編集者 ネオニコチノイド研究会
発行者
出版社
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発行年月日 2019年10月31日
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ページ数 0
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紹介文 ネオニコチノイド研究会は、国際自然保護連合(IUCN)に助言する浸透性殺虫剤タスクフォース(TFSP)が取りまとめた、『浸透性殺虫剤に関する世界的な総合評価書(WIA)更新版』の日本語版を10月31日付で発表しました。

この報告書は、2014年以降に発表された500余りの研究を吟味し統合した3つの論文、第1部「新規の分子、代謝、動態、および輸送」、第2部「生物と生態系への影響」、第3部「浸透性殺虫剤の代替手段」から構成されており、主な知見として、表層水、土壌をはじめとする広範な環境汚染、毒性の新たな根拠、ハチなどの授粉者に対する高い毒性、水生無脊椎動物種に及ぼす致死的影響、有益種や陸生哺乳類への広範かつ有害な亜致死性の影響などが収められています。

また、農薬に替わる統合的害虫防除策や、農業生産者を害虫や気候不順のリスクから守る「共済型」保険モデルの損失補償についても取り上げています。

「総じて、ネオニコを用いた地球規模の実験は、害虫防除の明らかな失敗例である」と語るTFSP副委員長のジャン・マルク・ボンマタン氏は、今後も続くネオニコの使用を危惧し、次のようにコメントしています。「これらの農薬の使用は環境面で持続可能な農業の実践に逆行する。農家に何ら利益をもたらさず、土壌の質を低下させ、生物多様性を損ない、水質を汚染する。もはやこの破滅への道を歩み続ける理由はない」

なお、日本語版監訳を行なったネオニコチノイド研究会は、abtの2014年度企画助成でWIA第1版の邦訳を担当したのに続き、2018年度公募助成で「ネオニコチノイド系殺虫剤の母子間移行メカニズムの解明」が採択され、ネオニコチノイドの胎児期・新生児期における毒性影響の一端を明らかにしています。