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講演会「〈声の森〉を歩くために:ESDの中の生態学と文学」

東京都

 持続可能性あるいはESDをめぐっては多様な学問分野の集合が望ましいとされている。多様な学問分野を環境や持続可能性のもとに統合的に編み直すことこそがESDの目指すところである。近年、アメリカ合衆国や北欧では「環境人文学」(environmental humanities)という術語が盛んに使われ、人文科学そのものを環境の視点から再編成する動きが顕在化している。立教大学では、東アジア地域環境問題研究所に始まり、ESD研究センター、そして現在のESD研究所に至る「環境人文学」的研究のプロセスと蓄積が存在する。ただし、その歴史的プロセスは単に人文社会系環境研究を基幹化しただけではない。同時に自然科学系、なかでも環境問題に向かう原点というべき生態学との協同関係も持続的に追求してきた。とりわけ環境教育系のプログラムや具体的アイデアを検討する場合、あるいはさらにその根底を成す環境思想の生物学的、生命論的根拠を考える場合、欠かすことのできない協同関係であった。
 ESD研究所の所員として、長年にわたり活躍・貢献してきた上田恵介教授(生態学)と野田研一教授(アメリカ文学・環境文学)が今年度をもって定年を迎える。これまでそれぞれの専門分野からESD学に貢献してきた両教授の目から、あらためてESDおよびESD学に求められるものは何かを講演し、ESDが包括すべき学際性の問題や学問的貢献の可能性などに関する所見や、今後のESD学への示唆を与える機会としたい。


【日時】2016年3月14日(月)17:00~19:00
【場所】立教大学 池袋キャンパス 5号館 1階 5122教室
【講師】野田研一(ESD研究所所長、異文化コミュニケーション研究科教授)
    上田恵介(ESD研究所所員、理学部・同研究科教授)

【内容】
「失われるのは、ぼくらのほうだ:ざわめく〈多〉と〈他〉の世界」野田研一
「生命のにぎわい:縦糸としての進化と横糸としての多様性」上田恵介

【主催】ESD研究所 ※申込不要、入場無料