【報告】12/7(日)第4回 とちぎの環境と子どもの未来を考える会 withプレーパーク体験会@ろまんちっく村こんこんの森
第4回 とちぎの環境と子どもの未来を考える会
with プレーパーク体験会@ろまんちっく村こんこんの森 を実施しました。

参考:12/7(日)【栃木県】第4回 とちぎの環境と子どもの未来を考える会 withプレーパーク体験会@ろまんちっく村こんこんの森 - 環境パートナーシップを「知りたい/調べたい/実践したい」人を応援します。
概要
- 日 時:令和7年12月7日(日) 14:00~16:00
方 法:対面
会 場:道の駅うつのみや ろまんちっく村(〒320-0032栃木県宇都宮市昭和2-2-7)
参加費:無料 - 主 催:環境省関東地方環境事務所
共 催:関東地方環境パートナーシップオフィス(関東EPO)/とちぎ子ども自然体験活動ネットワーク
協 力:キッズハウス・いろどり - 参加者:9名
午前中にはとちぎ子ども自然体験活動ネットワークの主催で、プレーパーク体験会が開催されました。
意見交換の参加者にはプレーパーク体験会の様子を見学いただき、実際の活動現場を踏まえた意見交換の機会としました。
プレーパーク体験会の詳細はこちら→https://www.geoc.jp/content/files/japanese/2025/11/20251107-072613.pdf
活動報告
2025年12月7日(日)、とちぎ子ども自然体験活動ネットワーク、キッズハウス・いろどりにご協力いただき、「自然体験」と「子ども福祉」の連携の可能性を探る意見交換会を開催しました。
今回は、7月3日に開催した意見交換会で、子ども福祉関係者と自然体験関係者双方から、今後の連携を望む声が多数聞かれたことを受けて、実際に子ども福祉団体と自然体験団体が協力して自然体験を提供する場を体験できる機会として、とちぎ子ども自然体験活動ネットワークがキッズハウス・いろどりと共同で開催するプレーパーク体験会を見学させていただきました。
その後、実際に現場を見て感じたこと・気づいたことを共有しつつ、子ども福祉×自然体験の連携について考える意見交換会の場を開催しました。
7/3の意見交換会の様子はこちら→https://www.geoc.jp/activity/epo/210836.html
今回見学したプレーパークは、道の駅うつのみや ろまんちっく村にある森の中で開催されました。もちろん整備された森ですが、穴掘りやブランコ、ツリークライミングなど様々な遊びを、定員いっぱい集まった子どもたちが自由に楽しみました。
お子さんと一緒に体験に参加された保護者・子ども支援の方々からは、「森の中で遊ぶのは楽しい」「やってみたい、に挑戦できるワクワクする場所だった」「また参加したい」という声も聞かれました。
また、プレーパーク体験会の見学者も、体験会中は実際に子ども達とも接して、実際のフィールドを自分の身体で体験することが出来ました。その経験は、後半の意見交換会につながる気づきを得られたように感じます。


◆意見交換会の進め方
午前中に体験を肌で感じた後、午後は次のような流れで意見交換を行いました。

◆自己紹介&体験会の感想シェア
はじめにEPOからの趣旨説明の後、グループに分かれて軽く自己紹介し、午前に見学・体験したプレーパーク体験会で感じたこと・印象に残ったことなどをシェアしました。
「子どもたちがイキイキしていた」「子どもたちが五感を使って色々なものが育まれると感じた」などの前向きな感想が多い一方で、「おとなしい子へのアプローチの仕方が難しい」「子どもがやりたいことができるように運営の人手が欲しい」といった子どもとの接し方・運営面を気にする声が上がっていました。

◆話題提供
続いての話題提供では、キッズハウス・いろどりの荻野さんと、サシバの里自然学校の遠藤さんにお話をお願いしました。
①キッズハウス・いろどり 荻野友香里さん
居場所のない子どもたち向けの「いろどりプレーパーク」を運営する荻野さんからは、プレーパークを作った理由から運営する上での課題や展望まで、午前中のプレーパークの裏話的なお話をしていただきました。
子どもにもっと様々な体験をしてほしい、様々な機会を提供したいという想いを強く感じるお話で、「居場所には来ないけど自然体験には来る」「子どもに選択肢を与えたい」というお話しには、自然体験関係者からも共感の声が上がっていました。

②サシバの里自然学校 遠藤隼さん
遠藤さんからは「すべての子どもたちに自然体験の機会を届ける」を合言葉に活動するとちぎ子ども自然体験活動ネットワークの展望をお話しいただいた後、前半の体験会につながる「プレーパークの実践」について話していただきました。
特に参加者の関心を集めたのは「リスク」と「ハザード」のお話です。
「リスク」は子どもたち自らが挑戦する危険、「ハザード」は子どもたちが自分では気づけない隠れた危険と分けられます。
「高いところからの飛び降り」を例に考えると「着地の失敗」がリスクにあたり、失敗のリスクと向き合いながら飛び降りに挑戦する経験が子どもたちの成長につながります。一方で、「着地した先に剥き出しの釘があること」はハザードにあたり、子どもが気づきにくい突発的な危険が当てはまります。
リスクには挑戦する機会を与え、ハザードは極力取り除くことが子どもと接する上で重要だという説明に共感の声が上がる一方で、質疑応答ではリスクとハザードの線引きが難しい・その線引きをどうスタッフ内で共有しているの?という質問があり、サポートを求める子ども福祉関係者と、自然体験関係者との連携の可能性が伺える時間となりました。


◆意見交換
テーマ①:(プレーパーク体験会で)子どもへの関わり方・促し方で、気をつけたこと、実践したこと、難しかったことは?

一つ目のテーマでは、自然体験にあまり慣れていない人が、実際に体験したときに感じた悩みや疑問を深堀することを目指して意見交換しました。結果、おとなしい子ども、少しこだわりの強い子どもと接するときの難しさが共通の話題として出ており、当たり前かもしれませんが、体験に不慣れな人たちにとって提供する上でのノウハウ・経験値のシェアの必要性が示されました。

テーマ②:もしも、自分が自然体験×子ども福祉の活動に関わるとしたら、どんなことができそう?または、やりたい?また、その時、課題になりそうなこと・支援してほしいことは?

連携する上での課題や、求める支援をより具体的に探るため、参加者それぞれが今後の実践を想定しながら意見交換を行いました。
参加された皆さんが自然体験の提供を前向きに考え、子ども福祉関係者から「色々な自然体験の先生に森の魅力を伝えてほしい」「自然の中での遊びのアイデアをたくさん知りたい」という声や、自然体験関係者からは「自然体験をしたい子ども福祉団体からの相談窓口を設置したい」「自然体験のリスクマネジメントフィールドワークの実施」という声など、自然体験×子ども福祉の連携を進める上でのヒントになりそうな具体的な声を集めることができました。

(意見交換会の様子)




◆終わりに
体験会に参加した保護者からは「また参加したい」という声が上がっていて、意見交換会でも具体的な連携を目指す意見がたくさん出たことからも、今回の企画を通して、改めて自然体験の価値と「自然体験×子ども福祉」の可能性を感じることができました。
一方で、子どもとの接し方・安全管理などの体験を提供する際の不安の声や、送迎やスタッフ人数の確保といった課題が挙げられ、体験を提供する上でのハードルも示されました。栃木県内のすべての子どもたちに自然体験を届けるためにも、自然体験関係者と子ども福祉関係者が一層連携を強化して、ハードルを乗り越えていく必要があると感じています。
関東EPOでは、今回の意見交換で見えてきた展望・課題を参考にしながら、今後も、とちぎ子ども自然体験ネットワークの皆さんや、キッズハウス・いろどりの荻野さんをはじめ、地域の方々と協力して「自然体験×子ども福祉」の連携強化に向き合っていければと考えています。
(関東EPO 山本)