環境政策提言セミナー 第1回 【開催報告】
2011年12月27日
環境省では、平成13年度から毎年、民間の視点・アイディアを環境政策に活かすため「NGO/NPO・企業環境政策提言」事業を実施しています。
政府全体としても「新しい公共推進会議」で、市民による政策提案制度の積極的導入が提案され、今年大幅に改正された「環境教育等促進法」にも、「政策形成への民意の反映」が位置づけられるなど、今、「政策提言」に注目が集まっています。
政策提言とは、具体的にどのようにすればいいのか? どんな内容なのか? 提言策定のポイントは? 過去の優秀・優秀に準ずる提言は、その後どうなったのか? といった疑問に答え、「NGO/NPO・企業環境政策提言の仕組みと意義」についてのセミナーを開催しました。
開催概要
- 日時:2011年12月14日(水) 18:30~20:45
- 会場:地球環境パートナーシッププラザ(GEOC) セミナー・スペース
- 主催:地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)
プログラム
18:30~ 開会/開催主旨 環境省関東地方環境事務所 環境対策課 城間課長
18:40~ 提言事業の概要説明/提言作成のポイントを説明・質疑
環境省関東地方環境事務所環境対策課 河瀬企画係長
19:00~ H22年度 優秀提言の事例発表とフィージビリティ調査の報告
○地域のMRV(測定・報告・検証)制度確立に向けて [一般社団法人イクレイ日本]
19:40~ 過去の優秀提言の報告
○奄美群島びんリユース障害者参画活動 [特定非営利活動法人 ユーアイ自立支援の会]
20:10~ コメント・政策提言のポイントについて・全体質疑
NPO/NGO・企業環境政策提言推進委員会 崎田裕子 委員
20:45 閉会
主な内容
- 開会 開催主旨 (挨拶 環境省関東地方環境事務所 城間課長)
- 環境政策提言事業の概要説明 (環境省関東地方環境事務所環境対策課 河瀬企画係長) 資料(PDF)
「NGO/NPO・企業環境政策提言」事業の概要、昨年度の応募状況、今年度の募集概要(地方自治体への提言の新設)、審査基準(パートナーシップ形成と役割分担の明確化他)と、環境政策作成のポイント、具体的な手法について説明があった。
- 優秀提言の事例発表とフィージビリティ調査の報告 (一般社団法人イクレイ日本 岸上みち枝) 資料(PDF)
・提言の背景と提言内容
国際的な自治体の連合組織として、温暖化について、実効性の高い対策を積み上げ、報告・公表する制度の必要性を感じて提言した。自治体では、事務事業計画、基本計画やマスタープラン、条例などの計画には努力してきたが、どれだけの予算でどのような実質的な成果が上がったかを市民は知りたい。自治体の政策の結果について、域の地球温暖化対策推進に資するデータの報告・共有制度を作ることを提言した。これにより、自治体の説明責任の向上、地域関係者の関心の高まり、自治体同士の切磋琢磨や協働、地域自治体MRV制度確立への一歩、国際的アピールなど期待される効果は高い。・「NGO/NPO・企業環境政策提言」事業とフィージビリティ調査がもたらしたもの
COP17のサイドイベントで国際レジストリ報告を提出、WEBサイトの開設とデータベースの公開、参加の呼びかけ、活動の継続のための準備を行っている。環境省からフィージビリティ調査という形で協力を得ることで、担当官のアドバイザリー委員会への参加、調査への協力を得ることができた。さらにそれによって、英国大使館の支援・協力へと広がりが生まれた。市民活動がいろいろないい企画を立てても、実現の機会は少ない。フィージビリティ調査ができたこと、提言を評価いただいたことで、省内でも情報共有され、団体の活動についても理解が広がったと考える。環境省の事業を受ける団体ではなかったので、いい機会となり、信頼性の確保につながった。
また、他の団体からいろいろな申し出があり、活動を広げるきっかけとなった。
- 過去の優秀提言の報告 「奄美群島ビンリユース障碍者参画活動」優秀に準ずる提言
(特定非営利活動法人ユーアイ自立支援の会 富山佳郎氏)・提言の背景と提言内容
奄美は、高齢者が多いことから、福祉は充実しているが、障碍者については政策として形になっていない。やっていこう。循環型社会をめざし、リユースの仕組みづくりと障碍者の雇用獲得を目標に、島の焼酎のびんを島民みんなでリユースできる仕組みを提案した。・「NGO/NPO・企業環境政策提言」事業
環境省から、全国展開の話があり、他の地域に入ることで奄美を見てもらい、環境事務所が何度も奄美に入り、事業費にもつながり、励みとなっている。
一市二町村の広域的活動として充実。水俣のエコタウンにつながるきっかけとなり、瓶の洗浄などのノウハウを得ることができた。一升瓶は事業者責任があるが、それ以下はワンウェイであるので、多様なステークホルダーとの共通認識のもとに活動をする必要がある。住民と協働し、環境取り組みの意識向上も期待される。
- コメント・政策提言のポイントについて (NPO/NGO・企業環境政策提言推進委員会 崎田裕子 委員)
10年この事業の委員を続けてきた崎田氏から、本日紹介した政策提言を、なぜすばらしいとおもったかについて説明があった。・「地域のMRV(測定・報告・検証)制度確立に向けて」について
日本の環境課題として重要なCO2削減を明確に削減することが重要だが、産業界でも大規模なところには法律がかかっていることから削減がすすんでいる。それに比べ、地域の中小規模の事業者は、なかなか法律の規制がかかりにくく、環境配慮がすすんでいない。家庭部門は30パーセント増えているという現実もある。どうしたら本格的に削減できるかというと、自治体が本気になること。環境モデル都市など広がっているが、モデル都市いくつかががんばればいいのではなく、全国の地域が本気で取り組んで実践効果を上げることが期待されるときに、この提案書は、課題を明確に取り上げ、自治体の取組の明確化ということで評価が高かった。さらに、自治体のネットワークが自ら提言し、政策として広げるために環境省に応募し、環境省の力で全国に広げようとしている(自治体と政府のパートナーシップ)ことがすばらしい。しかし、壮大過ぎて進むかという心配もあったが、選ばれたことで信頼が得られ、フィージビリティ調査を通じて実現につながってきたと聞き、よかったという思いである。・「奄美群島ビンリユース障碍者参画活動」について
循環型社会づくりも大きな課題。2000年に基本計画ができ、リサイクル法が出来たが、リサイクルは進んでいるが、本気になってほしいその前のリデュース、リユースの制度が出来ていない。できるところから全国でやっていくことも重要。島の提案だからびんのリユースが出来たと思うかもしれないが、瓶の容器については、利用者の多様化などあり、全国一律では、仕組みができにくい。地域型でやるのがこれからのやり方と専門家会議でも話していた。鹿児島でもモデル事業として行っていたが、もっと広がればいいのにという時期に、自分たちでやりたいという提案をしてきた。一見、活動提案のようで、助成金に応募すればいいのではという意見もあったが、全国に広がればいいという思いで選んだ。道は長いかもしれないが、政策提言に応募し、つながりを広げるやり方もあると思っている。上記2点の事業は、全国型と地域型は違う視点であるが、そうした思いで選んだ。環境をよくしたいというビジョンは多様だが、課題は明確にみえていれば、解決するためにどういうボタンを押し、仕組みを作ればいいかという道筋を描く。思いだけで将来像だけが書いてあると政策にはならない。各主体の役割、社会全体を動かすには、また、金融・経済をどう動かすかなど、環境政策を経済政策といかに融合させるか。お金の流れもこだわってもらえると実現に近づく。
今日来ている人で、「こういう」提言をしたい人と、「何か」提言したい人と両方いるだろうが、「何か」提言したい人は、緊急的な課題は何かを考えてほしい。その解決に向けた道筋や身近なところなどを考えてほしい。
例えば、本格的なCO2削減について、まだ提案されていないことはないか。
RIO+20でテーマとなるグリーンエコノミーもある。単に技術力ではなく、持続可能な開発、貧困撲滅という意味でのグリーンエコノミー、資源を持つ国の持続可能性、生物多様性の保全などを視点に入れたグリーンエコノミーといった視点で、日本の環境課題の改善に貢献する提言をいただけるとありがたい。
質疑応答
事例提言内容への質問、今年度はじめて試行する地域部門(小さな規模で自治体に提案)、相談会についてなどの質問があった。
回答
・小さな規模で自治体に提案し、国につなげるならBになる。A・Bの明確な部門ごとの審査ではない。A/Bに部門が出来たのは初めてだが、効果としての全国規模のものに重きを置いてしまうことが多いので、身近な改善だが、あとあと波及効果が大きいものについては応募していただきたいと思い、こういう形を今年試行してみる。
・1月中旬にGEOCでは、第2回セミナーを設定している。提言内容を準備している人があれば、アドバイスがある。事務局へのお電話等での相談も受け付けている。























