今年の12月は富山!今年も公害資料館連携フォーラムが開催されます。

8月の末に富山に行ってまいりました。

当日、羽田空港発の飛行機が、視界不良のため富山空港に降り立てることができず羽田に戻り、急きょ越後湯沢経由の新幹線で向かうというトラブルを乗り越え参加してまいりました、、、思った以上の長旅になってしまいました。

出張の目的は「平成26年度 地域活性化に向けた協働取組の加速化事業」の全国案件の一つとして採択され、GEOCが支援をし、あおぞら財団が事務局を務める「公害資料館連携ネットワーク」の会議に参加するためです。

こちらの事業はこれまで個別に運営されていた公害資料館同士をつなげ、より未来に対しての情報共有や発信をするネットワークを作る事業になります。
当然、各地の公害では背景が異なりますし、資料館も公設と民設とではその意味合いも大きく異なるものでした。

ですが、現実として資料が活用仕切れていない、町づくりや環境教育など他分野と十分に連携できていないなどの課題も各地にあり、さらに、公害患者ご本人もしくは近親者のいわゆる”語り部”さんに頼ってきた「公害を語り継ぐ」という行為がご高齢化などにより難しくなってもくる中で、改めて「公害教育」総体として、今後何をどのようにして誰に伝えるのかを見渡せる状態にしていくことが求められてきました。

そんな中、昨年「公害資料館連携ネットワーク」が発足し、初めて全国の公害資料館関係者が一同に集う機会として「わくわく広げよう公害資料館の”わ” 公害資料館連携フォーラムin新潟」が12月に開催されました。
今年はその第2弾となる「未来に共につなげよう公害資料館の”わ” 公害資料館連携フォーラムin富山」が開催されることとなりました。

神通川

さて、富山県の公害と言えば、四大公害病の一つである「イタイイタイ病」です。
小学5年生の社会科の授業で四大公害病を習ってそれっきり、という方も多いと思いますが、神通川で発生したイタイイタイ病の特徴の一つとして、患者団体と被告企業とで長年培われてきた「緊張感ある信頼関係」があります。
1968年政府によって公害病の第一号として認定され、その後1972年の患者側勝訴の翌年から、鉱山の立ち入り調査を毎年企業は受け入れてきました。
長年の立ち入り調査や汚染田の土壌復元、それらの基となる長年の対話と行動の結果、昨年2013年の12月に「全面解決」に向けた合意書が調印されました。

今年のフォーラムはそのような富山で開催されるということで、「企業との関わり方」がテーマの一つとして選ばれました。
これからの社会を考える上で大変重要な機会だと思います。

土壌復元された田んぼ

土壌復元の碑

下記、現時点でまとまっているフォーラムの案内になります。
関心のある方はぜひ今からご予定を空けておいてください!

【開催概要】

未来に共につなげよう公害資料館の”わ” 公害資料館連携フォーラムin富山

公害教育には、キャリア教育やリスクマネージメント、人権教育に通じる可能性があります。各地の取組みを共有し、資料館の”わ”を広げて、これからの「新し い公害教育」を模索する試みをこの富山のフォーラムで行います。
そして、このフォーラムにて、資料館、公害教育、公害反対運動、地域再生活動、行政、企業、環境NPOなど、立場の違う人が集まって、顔が見える関係になり、協働・信頼関係を築きたいと考えています。
今年のフォーラムでは、共通テーマ「企業とのかかわり方」についても議論を行います。

〇日 程:2014年12月5日~7日
〇会 場:富山県立イタイイタイ病資料館(〒939-8231 富山県富山市友杉151)
〇主 催:公害資料館ネットワーク
〇共 催:環境省、富山県
〇後 援:富山市、富山県教育委員会、富山市教育委員会、日本環境教育学会、日本環境教育フォーラム(予定)
〇事務局:公益財団法人公害地域再生センター(あおぞら財団) 環境省「平成26年度地域活性化に向けた協働取組の加速化事業」全国事業
〇参加費:資料代 500円 フィールドワークバス代 1000円(予定)

[12月5日(金)]
フィールドワーク
復元田、自主復元、清流会館、資料館、神通川 など

[12月6日(土)]
午前:公害資料館ネットワーク会議/午後:フォーラム 基調講演、分科会

[12月7日(日)]
午前:分科会
午後:全体会
(富山駅および富山空港から会場までの送迎バスあり)

<分科会>
資料の保存・活用/展示/公害資料館のアウトリーチ(フィールドミュージアム)/企業との関係づくり/学校との関係づくり/資料館マネジメント

<公害資料館ネットワーク 構成団体>(五十音順)2014/7/10現在
尼崎市立地域研究史料館/尼崎南部再生研究室(あまけん)/イタイイタイ病対策協議会 清流会館/一般社団法人あがのがわ環境学舎/一般社団法 人水俣病センター相思社 水俣病歴史考証館/北九州環境ミュージアム/公益財団法人公害地域再生センター(あおぞら財団)/公益財団法人水島地域環境再生 財団(みずしま財団)/公害被害者総行動実行委員会/国立水俣病総合研究センター 水俣病情報センター/富山県立イタイイタイ病資料館/新潟県立環境と人 間のふれあい館―新潟水俣病資料館―/水俣市立水俣病資料館/四日市市環境保全課 四日市公害と環境未来館準備室/立教大学共生社会研究センター

<事務局・連絡先>
公益財団法人公害地域再生センター(あおぞら財団)
〒555-0013 大阪市西淀川区千舟1-1-1あおぞらビル4階
mail webmaster(*)aozora.or.jp ※(*)を@に変更してください。
TEL 06-6475-8885/FAX 06-6478-5885

K.Eguchi