これからの教育・学びについて若者で話し合うフューチャーセッション「ずっと続く学校ってどんなカタチ?」を開催しました!Part4

さて、ゲストの考える「未来の学校のカタチ」にヒントを得て、
いよいよディスカッションに入っていきます。
















皆さん初めて会った方同士ですが、限られた時間の中で、
お1人お1人が、主体的に、積極的に関わって話合いを進めて下さいました。















最後に、参加者の皆さんの考える、「未来の学校のカタチ」プランについて発表頂きました!
その様子を、ご紹介します!


【プラン1】学びの4ステップが効く!学校に愛着を育む、好循環サイクル





















まず、「学ぶ理由」の核心部分として、①生徒の自主性、創造性、個人の価値観を重視する。②社会に出ていくにあたってコミュニケーション能力を重視する。の2点を挙げて下さいました。

次に、学びの場として重要な役割は、
・子どもたちが、好奇心から勉強に取り組んでいくためのきっかけを与えること
・学びの場で提供する「学びのスタイル」4ステップを、しっかり身につけてもらうこと

としたうえで、具体的に「学びのスタイル」4ステップの提案がありました。
ステップ1: 外の人が来て、様々な価値観とふれあい、きっかけを育む。
ステップ2: 自主性を育むために、学校の外(地域社会)へ出て、社会科見学など行動する。体験、遊びから学ぶ。
ステップ3: 興味をとことん極める。また問題意識を広げる。
ステップ4: 興味や問題意識を個人的に終わらせるのでなく、多くの人に自分の意見を共有する。
学校内外で交流があり、外からの色々な価値観に触れ、そこから個人の価値観が育むような形で、4つのステップを踏んで取り組めるよう、考えられています。結果として、学校に愛着を抱き、学びの好循環サイクルを生み出す、というプランです。




【プラン2】地域に根差した知の還流から生まれる、道を選ぶための学び





















まず、“誰が” “何を”学ぶのかについては、児童・生徒・学生という枠にとらわれず、誰もが自分の道を選択する際に必要なすべを学べる、また道を選ぶ際にハンドルを切るための感性を学べる場所をつくっていきたい、というお話から始まりました。
本プランは、地域に根差した学びとして提供するため、実践する“場”には、学校現場にそのようなプログラムを持ち込む、また地域のコミュニティセンターのような場で学ぶようなことが想定されています。
「最終的に、地域で“学び合う”場とするため、地域から経験・資金・知識を与えてもらって育ち、人生を歩んできた大人が、今度は育てる側に回ることで地域に経験・資金・知識が返ってくるようなしくみをつくると、地域に根差した一つの学びの場ができるのではないか。」としめくくられました。
地域の特性を活かした素晴らしい産業や伝統文化の継承や、個人の特性を活かした就職などにつながっていきそうですね!




【プラン3】先生は、ワクワクを生み出すコーディネーター!
高校生×プロフェッショナル×仲間=無限の可能性!?




















こちらのグループは、メンバーの1人である現役高校生の、「外とつながる機会がない」という問題意識をヒントに、
未来の学びの場では、外とつながることでのワクワク感、仲間との濃い時間、多様性という価値を生徒たちに提供したい、という提案がありました。
「そう考えたとき、先生の役割として、子どもたちの頑張ったプロセスを評価し、生徒たちと一緒にいる時間を増やすとともに、外部とのつながりを如何につくってあげられるかが大切になってくる。そこで、外部の人たち、例えばリタイアされた方や、ITなど様々な専門知識をもったプロフェッショナルの力を借り、場としての学校を活用する、という取り組みを考えています。夜など、学校が使われていない時間に先生方が外部の方々と集まり、交流をもつことで、外とつながるサイクルがつくれるのでは。」としめくくられました。




【プラン4】みんなが先生になれる学校 ~絆~





















「互いに支え合うような関係づくりが出来る学校を目指せると良い」と考えるメンバーが集まったこちらのグループは、
学校案を「学校組織」「外部との連携」「こういう授業がしたい」の3点を要素として組み立てて下さいました。
具体的に、「みんなが先生」の「みんな」は、地域、外部、子どもであり、子どもも先生になれるという意味です。外部にとって、実は子どもの柔軟なアイデアが良かったりするので、その相互作用を想定されています。
「外部との連携」は、学校組織の中で、どうやって先生が忙しいという問題を解決するか考えたときに、外部に助けてもらう、最終的には先生が話す時間を制限するということを考えたそうです。代わりに外部、例えば企業に先進技術や平和のための話、国際協力等の専門的な話をしてもらうことで、先生の負担も減って、子ども、企業、地域、先生みんなが学べるようになる、という提案です。
「こういう授業がしたい」は、最終的にはそれぞれが学びたいことを学び、互いに教え合える関係をゴールに想定されています。
それぞれの強みを生かせる環境、互いに支え合うという関係性の中で、「みんなが先生」として、個性が出せる。そんな支え合いができる社会をイメージし、作成して下さったプランでした!




【プラン5】一番大切にしたい価値観は“人生の楽しさ”。
学びは“具体的な体験”と“抽象的な思考”の時間をセットで進める。



















こちらのグループは、メンバーが“学びには価値がある”という点で合意し、“生徒たちが、学びの価値が分かっていない、学びを楽しめていない”という実態に問題意識をお持ちです。それをどうするか、ということで考えて下さったのがこのプランです。
一番大切にしたい価値観は、人生の楽しさで、今の楽しさと将来の楽しさを考えないといけない。
具体的にそれに取組んでいく教育というのは、抽象的な教え方と具体的な教え方がある、とご提案されます。
「例えば、時間軸別にいうと、今の楽しさを教えるなら日常生活に結び付いた学び。将来の楽しさなら夢に結びつく自信を得られるような学びを取り入れたら良いのではないか。
具体的なやり方について、1つは、外部との連携。地元の方、企業・NPOと協働して、例えば短期間のサマースクールを、公教育でいえば、12年の中に少なくとも4回は入れるなど、少し極端な形で入れていって、嫌でもすごい人と交わらなくてはならない環境をつくる。普段の学校の評価軸とは、全く別の評価軸で評価される経験になる。
また、学びは“具体的な体験”と“抽象的な思考”の時間をセットで進めた方が、幸せや楽しさにつながる。楽しくないのは、知識だけを詰め込まれていて、テストで良い点を取れるくらいのメリットしかないと思われているから。それをどうやって打破するかだが、例えば、どの科目ではどの知識を扱っていて他の教科と何が違い、何が同じなのか自ら知識を体系化してみるという作業を、レポートを書く・プレゼンをする・ディスカッションするなどスキルを得られるような方法で教育を行うことで、学際的に使えるスキルや思考方法を教えられるのではないか。ただ、お金と時間が非常にかかるので、公教育で取り組むとすれば、社会的認知度をあげていく、メディアを活用する、また大学などと連携してこのような活動を行うなど工夫していけば実現可能性が高くなるのでは。」というお話でしめくくられました。




【プラン6】“幸せを感じて楽しく生きられる社会”を目指す学校



















卒業するタイミングで、全ての子どもが「これからも超楽しい!」と感じられる学校にしたい、ということをベースに、
“幸せを感じて楽しく生きられる社会”を目指す学校プランをご提案下さいました。
具体的には、
・重点知識やその他の能力を教えるのは、アウトソーシング、外部のプロを活用して良いのではないか。
・一方で担任は、生徒に心から関心をもち、日々生徒を見て、今日ちょっと様子がおかしければ気づく、相談役としての役割を担う、分業体制にしていくことがよいのではないか。
・学び方は、選択制として自主性を尊重する。一流の映像をみるにはIT、楽しむ要素としてはゲームを取り入れるなど、工夫は無限にある。
・評価軸は、偏っているとそこで結果を出せた人は優越感を感じるが、そこから外れた人は劣等感を感じてしまう。評価軸は、本当は多様にあるので、担任が余裕を持てれば「きみはここがすごい、すばらしい」というところをもっと褒めていい。社会や大人が、評価軸が多様にあっていいことを認め、その考え方を学校に導入できると良い。
と挙げて下さった上で、
さらに土台となるモノの見方、幸せのとらえ方を変えていくことの必要性をご提案下さいます。
「劣等感や優越感は、自分ではなく、外に対して感じること。仮に学校の中で授業が楽しくても、社会に出たら、環境のせいで自分が不幸だと捉えてしまうようでは意味がない。幸せかどうかは、実は自分が勝手に決めているので、“今自分は幸せなのだ”という見方・とらえ方を教えてあげることが重要。水も飲めるし空気もあるし、なんて恵まれているんだ、幸せなのだと捉えられるか。社会全体が学校、という価値観を植え付け、視点の部分を大切にしていけると、相談役の先生がそれを伝えられたり、評価軸を多様に持てたりして、卒業するときにどんな状況であろうと幸せだと思えるようになっていくのではないか。」というお話でしめくくられました。




さて、フューチャーセッションで考える「未来の学校のカタチ」プランはいかがでしたでしょうか?
対話を踏まえ、協調アクションを起こしていくことが、フューチャーセッションの一番の醍醐味。
というわけで引き続き、未来の学校のカタチを実現するためのフューチャーセッション、開催してまいります!
皆様、ぜひご参加ください♪








Yuriko Sugiyama