[国内事例109] 国立公園・上高地を美しく 50年以上も続くパートナーシップ 2014年3月30日

概要

上高地 穂高連峰

穂高連峰 (写真提供 自然公園財団上高地支部)

上高地 一斉清掃

一斉清掃活動(写真提供 自然公園財団上高地支部)

日本を代表する山岳景勝地として、年間120万人もの人が訪れる上高地(中部山岳国立公園内)。「上高地を美しくする会」は、環境美化活動を目的に、1963年に設立された。設立当時の上高地は、登山者や観光客の投げ捨てたゴミが散乱し、大きな社会問題になろうとしていた。そこで、厚生省の上高地管理員(現在のレンジャー)、地元の安曇村、上高地観光旅館組合などの関係者が、「上高地を美しくする会」を結成。「美しい自然を守ること・それは美しい自然の中に住む私たちの義務なのです」をモットーに、5月から10月にかけて、月2回、ゴミ拾いを行う活動や、山岳地帯での清掃登山活動などを行ってきた。

その後、1973年から、ゴミの持ち帰り運動が始まり、今日では、多くの人がゴミを持ち帰るようになっている。現在、上高地を美しくする会では、清掃活動に加え、公衆トイレや歩道の維持管理、案内板の補修、登山者や観光客へのマナーの普及啓発、外来植物の除去、野生生物との共生などに取り組んでいる。

また、組織も拡充され、環境省、林野庁、長野県、松本市、上高地町会などに加え、旅館、山小屋、交通機関など上高地町会内のすべての機関・施設が参加するようになった。現在の事務局は、自然公園財団上高地支部が務めている。多様な関係者による協働は、50年以上も続いており、一斉清掃その他の活動は、上高地の人々のコミュニケーションを強める場となっている。


パートナーシップのポイント

環境省による活動の全面的な支援、事務局を務める自然公園財団の企画力、民間の行動力がバランスよく機能している。

カテゴリ

■実行委員会・協議会

テーマ

■ごみ・3R・資源の循環

主体とパートナー

□主体
 上高地を美しくする会
□パートナー
 自然公園財団、環境省松本自然環境事務所、林野庁中信森林管理署、国土交通省松本砂防事務所、松本警察署、長野県、松本市、上高地町、上高地観光旅館組合、北アルプス山小屋交友会、上高地タクシー運営協議会、旅館、山小屋、交通機関等

調査文献サイト等

上高地を美しくする会(外部サイト)
自然公園財団上高地支部(外部サイト)
上高地を美しくする会(2013)「上高地の未来に」
上高地を美しくする会 青柳薫「地域から市民・国民運動へ~「上高地を美しくする会」の設立経緯や取り組みについて~」自然公園財団『国立公園』2013年3月号 

英語サイト

/english/what/case-studies/1245.html