[国内事例107] 茨城県宍塚の里山保全活動 2014年3月30日

概要

宍塚 大池

宍塚大池 (写真提供 宍塚の自然と歴史の会)

宍塚 竹工作

竹工作
 (写真提供 宍塚の自然と歴史の会)

 「宍塚の里山」は、首都圏から約40kmに位置し、都市化の進んだ関東平野の中では大規模な里山である。宍塚大池を中心に、100ha以上の里山が広がり、森林、竹林、湿原、田んぼ、小川など多様な環境に恵まれている。

 「宍塚の自然と歴史の会」は、1989年から活動を開始し、宍塚の自然と歴史を理解し、後世に引き継いでいくことを目的に様々な活動を行っている。地元のお年寄りと協力して、農業、暮らし、文化などについて聞き書きを行い、自然と共生した里山の暮らしについて、本に取りまとめている。また、環境省の「モニタリングサイト1000」の一つとして、野鳥や植物について調査を行っている。

さらに、同会では、雑木林や竹林の管理、湿原や田んぼの再生、外来種の駆除などの活動を行っているが、こうした活動には、2007年から地元茨城県に工場のあるLIXIL、2008年からは富士通などの企業、また、大学のサークルなども参加している。

この他、地元の宍塚小学校、茗溪学園中学校、きぬ看護専門学校、筑波大学などと連携し、自然観察会や環境教育活動を展開している。また、宍塚大池周辺の谷津田を保全するため、棚田のオーナー制度を設けて、都市住民との交流を図っている。環境に配慮した方法で生産されたコメは「サシバの里 宍塚米」と名付けられて提供されている。






パートナーシップのポイント

・地元のお年寄りから、かつての里山、暮らし、農業について話を聞いてまとめることで、里山に関する地域の共通認識が生まれ、多様な関係者の間で里山に関するビジョンを共有できるようになった。

・都市周辺に位置しているという特性もあり、若い世代が様々な活動に参加するようになった。若い世代が参加することで、活動の幅も広がり、活動が未来につながっていく力となっている。

カテゴリ

■事業協力・事業協定

テーマ

■森林保全 ■ESD・環境教育 ■生物多様性・自然保護 ■ライフスタイル

主体とパートナー

□主体
 NPO法人「宍塚の自然と歴史の会」
□パートナー
 筑波大学、茨城大学、法政大学、宍塚小学校、神立小学校、桜南小学校、茗溪学園中学校、土浦市立第四中学校、きぬ看護専門学校、リヴォルヴ学校教育研究所、富士通、LIXIL、土浦市、茨城県等

調査文献サイト等

認定NPO法人 宍塚の自然と歴史の会(外部サイト)
里なび 里地里山保全活用データベース
認定NPO法人 宍塚の自然と歴史の会 及川ひろみ「豊かな里山を未来へ
-宍塚の里山活動-」日本鳥類保護連盟『私たちの自然』2012年5月号

英語サイト

/what/english/case-studies/1241.html