[海外事例26] サステナビリティのための世代間連携 2013年12月13日

概要

 国際自然保護連合(IUCN)の5つの専門委員会のひとつである教育コミュニケーション委員会(CEC)は、IUCNの生物多様性保全の使命として、考えや経験の共有、相互の学習、そして、様々な世代間、地域間、性別間にわたる有意義な活動を奨励するための協力、すなわち、サステナビリティのための世代間連携(Intergenerational Partnership for Sustainability:IPS)に力を入れ始めている。これは、IUCN諸委員会に携わる若者を増やすことを狙いとしており、若者の専門的なネットワークの構築やIPSのための対策委員会(Task Force)の設立などを行ってきた。

目的

 IPSの主な目的は、特にIUCN内における、持続可能な、突出するリーダーシップを高めるのに貢献することである。これは、特に気候変動、生物多様性の消失、貧困や性的不公正のような複雑な国際問題に取り組むのに役立つ。
 また、IPSは「生命のコミュニティ、すなわち、地球や未来の世代への尊敬と気配り」に基づくパートナーシップの見本である。これは、経験や新しいアイデアの交換、提携、そして、異なる世代や文化の男女間の活動などから成り、「公正、平和で持続可能な世界」という共通のビジョンに向かって役目を果たしている。

パートナーシップのポイント

 世代間連携によって、以下のような恩恵が得られる。
・異なる世代間のコミュニケーションや理解が改善される。
・社会における価値を保持する一方で、変化への柔軟性を許すことができる
・意思決定のサステナビリティが高められる。
・世代間公平が改善される。
・サステナビリティ計画に関するよりよい結果が得られる。

これまでの成果

IUCN初のユース理事誕生
IPSTFメンバーを中心に2009年には、若者代表として、ケニア出身のGrace Mwauraさんを理事として任命するように働きかけた。その結果、2009年~2013年の4年間、彼女はIUCN初のユース理事となり、多方面で若者への教育および世代間連携の重要性を訴え続けた。2013年韓国・済州島で開催されたIUCN総会&フォーラムでも世代間連携をテーマにしたワークショップを行い、様々な世代の多くの人々が集まり議論していた。今後の展開も期待される。

カテゴリー

教育とコミュニケーション

テーマ

生物多様性・自然保護、気候変動

主体

IUCN-CEC 国際自然保護連合教育コミュニケーション委員会
URL:http://www.iucn.org/about/union/commissions/cec/

パートナー

若者

参照サイト

http://www.iucn.org/about/union/commissions/cec/cec_how_we_work/youth___ips/

http://intergenerationalpartnership.wikispaces.com/home

http://www.iucn.org/about/union/commissions/cec/

http://www.iucn.jp/cec.html (IUCN日本委員会のCEC解説ページ)