平成15年度 NGO/NPO・企業環境政策提言集8


質疑応答

既存校舎のエコリノベーション&環境教育
 提言団体:オーガニックテーブル⑭JV(有)風大地プロダクツ

 

崎田委員: 学校の環境負荷低減をくらしや地域に広げるという視点がいいが、財源や全国への普及に関し、この提言をどのように実施に移していくか、何か考えはあるか。
提言団体:区や市の新築予算を見直し、改修という形で実施していけば可能ではないか。
また、モデル事業はできても全国展開は難しいので、全国に普及していくにはNPOなどが関わりネットワーク化して行くことが必要。
加藤委員:既存の学校をうまく使う、また学区そのものも見直して学校を弾力的に使うことは、政府全体の行政費用を減らすということにつながる。環境省としてもっと提案していってもいいのではないか。
環 境 省: 環境省が都市計画などについて意見を言えるチャンネルが今までほとんどなかった。法制度的には、環境基本計画を受け、地域ごとに公害防止計画をつくり、その中で発言することができる仕組みだが、実際にはあまり生かされていない。
この提言は、公共的な施設のストックをうまく活用することにより都市全体の環境負荷を減らすことができるのではないか、という今までにない視点で、優秀提言に選ばれたのだと思う。
環境省に与えられた政策ツールを生かしながら関係者に提案していきたい。この提言は、全く新しい提言であったと受け止めている。
小池環境大臣:国内的なベストセラーで『バカの壁』という本がある。加藤委員のご指摘は霞ヶ関の中にある大きな壁のことではないか。環境省も庁から省になり、もうすぐ3年を経過しますが、各省庁に対して明確な提言をし、国家としての方向性をきちんと決められるような政治力が今試されている。エコ学校を造っていくということは総合的効果(社会的、経済的、環境的な効果)が期待されるが、それをどう実現させていくかについて、建て替え時期を迎えた学校や耐震補強の必要のある学校に対して、環境省としても今後提言していきたいと思う。
廣野委員長: 武蔵野市の一例だが、学校の建て替えにあたって、数年前から一般市民が参加した協議会をつくり、環境にやさしい学校をつくることにした。現在、そのプランに沿い小学校の改築を行い、太陽光発電を整備したり、古い学校の廃材を再利用したりしている。文科省の中央教育審議会の今年度の提言には「コミュニティスクール」をやっていこうではないかという考え方が盛り込まれた。コミュニティスクールの基本は、従来文部省の指導要領の下で教育委員会が独自に決めてきた公立学校のカリキュラム、先生の配置、校長の任命などを、一般市民が参加する協議会をつくり、そこでも協議していこ うということ。地域の住民が環境問題に対して関心を持ち、その関心をできるだけ行政が生かしていくことが、今回の環境政策提言フォーラムの目的でもあるので、市町村における市民参加型の地域環境協議会の設置等でも是非環境大臣においては今後もご尽力いただきたい。

 

世界の森林環境保全のため国内各層での“フェアウッド”利用推進
 提言団体:国際環境NGO FoE Japan

 

小池環境大臣: 世界的なベストセラーになった「ハリー・ポッター」の筆者が「本が売れるということは、それだけ木材が切り倒されたということなので、その分ちゃんと木を植えます」という発言をしていた。今日の国際環境NGO FoE Japanの提言を見て、“なるほどイギリスにはそういう発想の流れがあるんだ”ということを気づかせていただいた。ありがとうございました。

 

照葉樹林の回廊(コリドール)構想に関する調査・研究基本計画の策定
 提言団体:特定非営利活動法人 宮崎文化本舗

 

世古委員: この提言は構想の規模も大きいので、実行する際はNPOだけでなく行政や関連機関のネットワーク化が必要。国内各地のブナ林保護団体(例えば白神山地など)が色々な知見を持っているので、ネットワークをつないで取り組んでいく必要があると思う。
辻井委員: 自然再生法の適用を考えていると思うが、NPOが主体で実施している前例がない。土地所有者との利害関係も問題となる。計画が壮大だが、できるところから実行していってはどうか。
提言団体: この取り組みは、宮崎文化本舗だけで実施するのではなく、各種協力団体が実行委員会に参加し、ネットワークで取り組んでいる。今回の宮崎文化本舗からの発表は、ネットワークの事務局という立場で行っているもの。 また、土地所有者の関係は、宮崎の照葉樹林の場合、大半が国有林で協力は可能との回答を得ている。残りは県有林などの公有林であることからトラブルは少ないと考えている。また、地域住民は隣町である綾町の成功例を見ていることから、計画次第で協力体制をつくことは可能。

 

新しい経済主体としての持続可能な地域社会の構築
 提言団体:特定非営利活動法人 環境カウンセリング協会長崎

 

崎田委員: 今回の提言について、事業の実施に向けて、具体的に取り組みを始めているのか。
提言団体: まだ計画の段階で、具体的な取り組みまでは進んでいない。地域内のメタノール化については、農水省の支援でパイロットプランが進んでいる。環境カウンセラーだけでは限界があるので技術者にも参加してもらっている。

 

行き過ぎたレジャー活動から全国の水辺を救う法規制の整備と環境回復
 提言団体:びわ湖自然環境ネットワーク

 

世古委員: 市民側から法律等を作っていこうという動きはないのか。私自身もNPO法をはじめ市民立法に関わってきた事例もあるので、お手伝いできる事があるかもしれない。
辻井委員: 提案だが、琵琶湖はラムサール条約湿地として登録されているので、環境が悪化した場合、モントルーレコードに記載される可能性を強調する。つまり、しっかり保全しないとラムサール条約において、「環境改善すべき湿地」として世界的に指摘されるかも知れないと訴えることも可能ではないか。
提言団体: 市民が作った条例案などを参考に、法制化への動きを進めていきたい。

 

会場からの質問

 

N P O: 環境省だけでは取り組めない問題については、他の省庁と連携をとってやっていくべきではないか。
環 境 省: 本日いただいた提言は、霞ヶ関の政策立案過程に乗るようなものについては、聞きっぱなしにせず引き続き継続調査を行っていきたい。また、行政改革の中で他省庁の政策について意見が言える仕組みがあるので、今後とも他省庁への提案を広げてやっていきたい。いただいた提言は、やはり環境省だけではできないことはご指摘のとおり。一朝一夕でできるものではないが今後とも努力していきたい。